はじめに|「下請けばかり」から抜け出したい
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「元請けからの依頼が減ってきた」
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「忙しいけど、儲かってる感じがしない」
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「価格も納期も、全部向こうの言いなり…」
そんな悩みを持つ解体業者は少なくありません。
かといって、「いきなり直受けに変えるなんて無理だよ」と感じている方も多いのでは?
でも実は、直営型(自社受注型)に移行して利益率を改善した中小業者は確実に増えているんです。
この記事では、「下請け依存」から脱却し、直営化で利益を増やした成功事例と、そのためのノウハウを紹介していきます。
なぜ下請けは儲からない?構造的な問題とは
✅ 中間マージンが必ず発生する
元請けが顧客から受けた金額のうち、**2〜4割は“ピンハネ”**されてしまいます。
例えば元請けが100万円で受注していても、下請けに回るのは60〜80万円。
利益を残すのが難しくなるのは当然です。
✅ スケジュールや条件は“受け身”
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工期が急に早まる
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土日の作業を強いられる
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単価の見直し交渉ができない
など、「現場で最も動いているのに、主導権がない」状態が続きます。
✅ ブランドが育たない
元請けの看板で動くため、自社の評価や口コミが残りません。
結果として、**次の仕事に繋がらず、いつまでも“下請け止まり”**になってしまうのです。
直営化によって得られる3つのメリット
① 利益率の改善
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直受けすれば、中間マージンがカットできる
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工事費100万円でも、純利益が倍近く違うことも
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少ない現場数でも利益がしっかり残る体質へ
② 顧客との直接コミュニケーション
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直接依頼なら、お客様との信頼関係を築ける
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要望・不安・トラブルも自社で対応でき、満足度UP
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紹介・口コミ・リピートにも繋がる
③ 自社ブランドが育つ
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「地域で選ばれる会社」に成長
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Google口コミ・HP・SNSでの評価も自社のものに
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職人のモチベーションも上がる
【成功事例】直営化で利益率1.7倍になったB社の話
静岡県で20年近く解体業を営むB社は、以前は元請け案件が9割の典型的な下請け業者でした。
価格交渉の余地もなく、年間売上1億円でも手元に残るのはほんのわずか。
そんな中、「自社の看板で受注したい」と直営化を決意。
まずは以下のようにステップを踏んでいきました👇
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自社HPを開設+ブログを週1更新
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チラシ配布とGoogleビジネスの強化
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解体の達人に参加し、地域PRページを整備
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1人専任で営業・問い合わせ対応を担当
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商談資料・見積もりツールを刷新
その結果、3年後には直営案件が全体の7割に拡大。
1件あたりの利益額が大きくなり、利益率は旧来比で約1.7倍になったといいます。
直営化のステップと必要な準備
① 小さく始めて直受け案件をテスト
いきなりすべてを直営に変えるのではなく、
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HP経由の問い合わせ対応
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チラシやDMによる1〜2件の見積もり提出
からスタートし、反応を確認。
“売れる武器”を作ってから拡大するのが鉄則。
② 自社で営業できる仕組みづくり
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専用の会社案内・施工事例を整備
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施工フロー・対応地域・料金目安を明確に
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問い合わせ〜成約までの流れをマニュアル化
営業は「経験」ではなく「仕組み」で回せるようになります。
③ 職人・機材・スケジュール管理体制の強化
元請けがいなくなると、段取り・安全管理・手配もすべて自社で回す必要があります。
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工程表の作成
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車両・重機の使用予定の管理
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人員配置と教育
などを整えることで、“自社管理で品質を保つ体制”が完成します。
④ 元請けとの兼業バランスと切り替えタイミング
いきなり下請けゼロにするとリスクも大きい。
しばらくは「元請け7:直営3」などのハイブリッド体制で安定させ、体制が整った段階で切り替えていくのが現実的。
直営型を強くするための“武器”とは?
✅ Webでの露出(HP・Google・SNS)
見つけてもらわないと、直営は成り立ちません。
「○○市 解体工事」で検索して出てくる仕組みを整えましょう。
✅ 問い合わせ対応の速さ・丁寧さ
直営は「問い合わせ1件=売上チャンス」。
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即レス(LINE・電話・メール)
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分かりやすい説明と安心感ある接客
が超重要です。
✅ 資料と商談ツールの整備
「この会社にお願いしたい」と思ってもらえるよう、
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代表あいさつ
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施工事例(写真+解説)
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Q&A・料金目安
を1冊にまとめた営業冊子があると、成約率がグッと上がります。
まとめ|自社ブランドで生き抜く時代へ
これからの解体業界は、
✅ 価格ではなく信頼で選ばれる時代
✅ 技術力と提案力が武器になる時代
✅ 「ブランド」として覚えてもらう時代
です。
そのために、
「下請けで頑張る」から
→「自分たちの名前で仕事を取る」へ
シフトしていくことが、利益率UPと将来安定への道になります。
まずは、1件の直営案件を受注することから——
あなたの会社でも“下請け依存からの卒業”を始めてみませんか?