はじめに|「売上はあるのに利益が残らない…」という悩み
「今月も売上はそこそこ。でもなぜか利益が少ない」
「どの現場でどれだけ儲かっているのか、実は分かっていない…」
こんな悩み、解体業者の現場では珍しくありません。
本記事では、**現場ごとの「原価管理」と「粗利改善」**をテーマに、
どこにコストがかかりやすいのか、どうすれば利益を伸ばせるのか、
実践的な視点で解説していきます!
解体業の粗利率の目安と収益構造の基本
✅ 粗利率とは?
粗利(=売上−原価)を売上で割ったもの。
**「稼いだうち、どれだけが利益に残っているか」**を示す指標です。
✅ 解体業における粗利率の平均
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元請け直営工事:30〜45%
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下請け工事:15〜25%
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外注比率が高い場合:10〜20%程度
売上が同じでも、原価のコントロール次第で粗利率は大きく変わります。
原価管理の重要性|“利益を生む現場”と“赤字になる現場”の違い
✅ 儲かる現場
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見積時と実際のコストが近い
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廃材処分や重機の稼働が効率的
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作業時間が読み通り
✅ 赤字になる現場
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処分費が想定以上に膨らむ
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外注や応援で人件費が増加
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段取り不足で日数オーバー
**収支のズレを“事後に気づく”のではなく、“予測と管理で防ぐ”**ことが利益確保のカギ!
原価を見える化する4つのポイント
▶ ① 材料費・処分費の記録と比較
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木くず・コンクリート・石膏ボードなど、
処分場ごとの単価を管理 -
現場ごとの「廃棄物トン数×処分単価」を残す
→ 過去の記録が次の見積の武器になる!
▶ ② 外注費・重機稼働費の管理
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外注日数・金額を日報で記録
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重機の搬入・稼働日数が見積想定とズレていないか
→ 稼働実績を見える化するだけで、改善のヒントが出てくる
▶ ③ 作業時間・人工(にんく)の集計
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職人別、作業工程別の工数記録
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作業の“つまずき”や“遅れ”を振り返る
→ 無駄な人工=目に見えない赤字を発見できる
▶ ④ 現場ごとの収支集計(簡易シート例)
現場名 | 売上 | 原価 | 粗利 | 粗利率 | コメント |
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A様邸 | 180万 | 110万 | 70万 | 38.9% | 廃材分別成功で利益UP |
B様邸 | 120万 | 108万 | 12万 | 10.0% | 外注多く粗利激減 |
→ 社内で“粗利率30%以下の現場”は毎月チェック!
粗利を改善するための具体策
✅ ① 過剰な見積値引きを防ぐ
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競合対策で値引きしすぎると、
粗利10%未満も珍しくない
→ 値引きせず勝てる“提案材料”を持つことが大切
✅ ② 廃材処分のルート最適化
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廃材の分別精度を上げ、混合廃棄物を減らす
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処分単価の安い業者をエリア別にリスト化
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コンテナ回収/ダンプ搬入など方式を比較
→ 1トン数千円の差が、現場全体で数万円の粗利差に!
✅ ③ 外注先の選定と協力関係の見直し
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日当が高い割に工期が伸びがちな外注は要検討
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信頼できる外注先とは単価見直し交渉も可能
✅ ④ 現場スタッフの教育と段取り力アップ
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「前日段取り」ができているだけで1人工削減できることも
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養生・近隣挨拶・重機準備などの段取りマニュアル化を推進
まとめ|“管理された現場”が会社全体の利益を変える
✅ 解体業は「売上より粗利」が勝負!
✅ 原価を記録・比較・見える化することで、粗利改善の道が開ける
✅ 一つ一つの現場が積み上がって、“会社の利益体質”になる
「今どれだけ利益が出ているか?」を、現場ごとに把握できれば、
次の見積りも、次の現場も、精度がグッと上がる。
利益を残す会社へ。
今日からできる原価管理、始めてみませんか?