古い住宅や狭小地に建てられた住宅の中には、隣家と外壁が接している住宅があります。
そうした住宅を解体したいとき、どのような点に注意すればよいのでしょうか?
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お隣と外壁が接している住宅とは?解体なんてできるの?
「お隣と外壁が接している住宅」ですぐ思い浮かぶのは、長屋ではないでしょうか。
長屋とは2棟以上の住宅が連なって作られている建築物で、まさに「壁」「柱」などを共有している住宅です。
外壁が接している…自分の家だけ解体できる?
お隣と外壁が接している住宅でも、自分の家だけ解体することは可能です。
一般的に、長屋のように外壁が接している住宅の解体を「切り離し解体」と呼んでいます。
ただし外壁を共有していた場合、お隣の建物にも影響を与えます。
そのため、解体しない住宅の中(室内側)にも養生が必要となり、場合によっては補修といった工事が必要になります。
もちろん長屋でなくとも解体はできる
長屋は同じ形状の住宅が並んでいますが、中には鉄筋コンクリート造の建物と木造の建物があり、外壁が接しているというケースもあります。
たとえば長屋のようにくっついているのではなく、先に片側の住宅が建てられ、後からお隣の住宅が建てられた(しかも先に建てられた住宅の外壁を「利用」する形で)といった場合です。
その場合も、長屋のケースと同じように「切り離し解体」が行われます。
ただしいずれのケースでも、当然ながら切り離しが完了するまでは「重機」を用いてガンガン解体することはできません。
接している2棟の住宅どちらも同時に解体するなら話は別ですが、片方は解体せず居住を続けている場合、外壁はもちろん屋根なども傷つけてしまえば住めなくなってしまう可能性もあります。
そのため、切り離し解体は手作業で慎重に進められます。非常に難易度の高い解体工事となります。
お隣と外壁が接している住宅を解体する際の注意点
実際の解体工事における注意点(お隣の破損など)は、解体業者にお任せするしかありません。
ここでは、それ以外の「施主」として注意しておきたいポイントをお伝えします。
お隣の承諾は必ず得る
ごく基本的なことですが、外壁を共有しているのであれば解体工事を実施してもよいかお隣に確認し、承諾を得ておきましょう。
もちろん、書面に残すことが大切です。
また、解体後の補修義務も生じます(壁が接しているわけですから、少なからずお隣の壁もダメージを負います)。
どこまでが補修の責任範囲なのかといったことも含めて詳しく決めておき、トラブルのリスクを極力減らしましょう。
写真を撮っておく
解体工事にともなう振動などで、お隣の外壁や屋根などにヒビなどが生じる可能性はゼロではありません。
あるいは、お隣が傾くといった可能性も想定できます。
解体工事が終わってから「ヒビが入った」「傾いた」などと言われても、それが解体工事によるものなのか判断する材料がありません。
その場合、大きなトラブルに発展する可能性があります。
そうしたトラブルを避けるためにも、解体工事が始まる前に写真を撮っておきましょう。
解体工事費用は割高になる
お伝えしたように、切り離し解体は非常に難易度が高い作業です。
重機が使えませんので、その分時間も手間もかかります。
それに、解体したあとにお隣の外壁の補修費用も必要です。こうしたことから、解体費用が割高になると思っておきましょう。
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お隣と外壁が接している住宅の解体を依頼するには
切り離し解体が必要になるケースでは、解体業者選びが重要です。
解体業者を選ぶ際はどこに目をつけるべきか、最後にお伝えします。
施工事例が豊富にある
施工事例が豊富にある解体業者であれば、その分さまざまな条件の住宅を解体しているはずです。
経験がモノを言いますから、施工事例が豊富な解体業者は安心してお任せできるでしょう。
施工事例の中に切り離し解体や狭小地での解体といった例があれば、参考になりますね。
対応が誠実である
コミュニケーション不足はトラブルを招く要因になります。
お隣はもちろん、近隣への説明や挨拶なども丁寧に行ってくれる解体業者か、担当者と話をする際に確かめておきましょう。
地域密着で長年経営している
地域密着、かつ長年の経営実績がある解体業者は、それだけ地元からの信頼も厚いはずです。
お隣も、どこから来たのか分からない解体業者より安心できるでしょう。
見えない安心は、解体工事をスムーズに進めるためにも大切な要素です。
こうしたポイントに着目して、解体業者を選んでいきましょう。
まとめ
外壁が接しているのが1棟だけならまだしも、両隣と接しているとさらに厄介です。
ですが、解体しなければならないのであれば、誠意を持って伝えることが大切です。
普段から、ご近所付き合いをして信頼関係を築いておくことも重要ですね。
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