実家が空き家となり、相続することでその処分に困ることに、そんな経験をする人が今後増えるかもしれません。空き家の増加が問題になっていますが、その原因として実家の相続というケースが多いからです。
そこで今回は、相続してから困ることがないように、空き家となった実家を活用する方法をご紹介します。だれでもできる方法ばかりなので、参考にしていただければと思います。
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空き家の実家を活用する理由とは?
まずは空き家となった実家をなぜ活用する必要があるのかを説明します。
相続税対策
まず第一に空き家となった実家を相続した時に考えなければならないのは「相続税」です。
築年数の古い実家を相続したならば、相続税は課せられないかもしれません。というのも、相続税には3,600万円プラス法定相続人×600万円の控除があるからです。
実家の家屋の評価額がゼロであれば、実質的に課税対象になるのは土地の評価額となります。田舎の実家であれば、3,600万円以上の評価額となる土地はそうそうないでしょう。
しかし改築やリフォームをした実家であれば、家屋の評価額は再評価されるため、相続税が発生する可能性があります。法定相続人が複数いれば、相続税を支払うために空き家となった実家を売却する必要も出てくるでしょう。
空き家となって時間が経過した実家は老朽化も進むため、売却は難しくなります。そこで相続をする前に、実家が空き家となったならば売却を前提に活用を考えなければなりません。
特定空家への指定を回避
空き家となった実家を相続した場合、おそらく住むことはないでしょう。しかし、そのまま空き家として放置しておくのはよくありません。
なぜなら、「特定空家」に指定される可能性があるからです。その特定空家への指定を回避するためにも、空き家となった実家の利活用は必要です。
特定空家とは、管理が行き届かずに倒壊の危険性などがある空き家のことを意味します。空き家のある自治体から特定空家に指定されると、問題となっているところを改善するように指導されます。
これをそのまま放置しておくと、固定資産税の軽減措置が解除されるなどペナルティが発生します。しかし、特定空家に指定された状態の空き家をメンテナンスするのはコスト的にも労力的にも負担がかなりかかります。
つまり、特定空家に指定される前に、メンテナンスも兼ねて空き家を活用する必要があるということです。
維持費の軽減
特定空家に指定されることを回避するためのメンテナンスが必要であるとご紹介しました。そしてそのためには、空き家を活用する必要もあると説明しました。
しかし、遠く離れた実家をメンテナンスするのは難しいものです。室内に湿気がこもるのを防ぐための換気もままならないでしょう。
そのために空き家を管理するサービスも増えています。オーナー自身では足を運べない実家も、サービス業者にまかせてメンテナンスできるというわけです。しかし、そのためのコストがかかる点では負担が増すことに変わりありません。
そこで空き家を適切にメンテナンスする維持費を軽減するためにも、何かしらの活用は必要になります。
資産運用
空き家の実家をもっと積極的に、資産として運用するために活用するケースもあるでしょう。不動産は収益を生み出す資産になるということです。
使用することがない空き家の実家は、基本的に人に貸す形で活用します。大事なのはその手段です。できる限りコスト面での負担がかからないようにするのか、それとも投資のためにある程度はお金をかけてリフォームするのか、判断が分かれるところです。
積極的に資産運用するのであれば、ある程度の出費をして収益性を高める必要があるでしょう。
空き家の実家を活用するためのポイント
空き家となった実家を活用する方法としては、いくつかのパターンが考えられます。
まずは家屋を解体してから活用する方法、家屋はそのまま残して手を加えることなく活用する方法、そして家屋を修繕して活用する方法です。
いずれの場合も、自分では使用せずに貸し出して収益を得ることになります。それぞれのパターンにおいて、どのような活用方法があるのかをご紹介します。
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家屋を解体して駐車場に
まず一番簡単な空き家の活用方法をご紹介します。家屋を解体して、駐車場として貸し出す方法です。
駐車場には月極とコインパーキングのふたつの形がありますが、設備費用がさほどかからない点で月極の駐車場にするのがおすすめです。
家屋は解体してしまうので、特定空家に指定される心配はなくなります。また更地にしてしまえば、空き家のままにしておくよりも売却しやすくなります。
もちろん家屋を解体するためには費用がかかりますが、改修工事をするよりもはるかに少ない負担で済むのではないでしょうか。
ひとつ注意点としては、あくまでも駐車場の需要がある場所でなければ収益は得られないということです。どのような空き家でも駐車場として活用できるわけではないということです。
そのまま貸し出す
家屋を解体せずに活用する方法として、賃貸物件として貸し出すことができます。ただし、修繕せずにそのままの状態で貸し出す方法です。
長く空き家となっていた実家は、そのままでは住むことができない状態になっているかもしれません。通常の賃貸物件であれば、借り手はおそらくつかないでしょう。
しかし、リフォームを自由に行える条件で、しかも安い家賃で貸し出せば借り手がつく可能性があります。場合によっては家賃をタダにしても、メンテナンス費用がかからないという点でメリットはあります。
基本的に賃貸物件は、借り手は自由に内装を変えることはできません。DIYが好きな人にとっては、自分の好みの部屋にできないことに不満を募らせることでしょう。
そこで自由にリフォームできる空き家を貸し出せば、そのようなDIYが好きな人に喜んでもらえます。借り手にとっても、空き家となった実家を保有する人にとっても利益となることでしょう。
ただし、老朽化が進んで基礎工事からやり直す必要があるような空き家の場合には、借り手はつきにくいかもしれません。またリフォームは借り手が好きなように行うため、必ずしも特定空家に指定されることがない状態を維持されるとも限らないという課題はあります。
リフォームをして貸し出す
DIYによるリフォームを前提の賃貸物件として借り手がつかない場合には、空き家となった実家の所有者が修繕して貸し出す方法があります。もちろんリフォーム費用はかかりますし、これまでご紹介した中では一番負担がかかる方法となるでしょう。
しかし適度に住み心地の良い状態にリフォームをすれば、借り手がつきやすくなります。家賃もそれなりに得られると思うので、リフォーム費用も短期間で回収できるかもしれません。
あとはそのまま収益物件として所有し続けてもよいですし、あるいは売却してもよいでしょう。単に空き家として売却するよりも、賃借人がついている収益物件として売り出せば、買い手もつきやすくなるでしょう。
まとめ
実家が空き家となると思いのほか老朽化が進みます。そこで、あとで後悔することがないように空き家の活用方法を知っておくことが大切です。
まだ相続していない方でも、将来に備えてどのような活用方法ならば実行できるのかを考えておくとよいでしょう。
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