空き家の処分に困っているなら、まずは売却をサポートしてくれる不動産を見つけましょう。とはいえ、日本には多数の不動産会社があるためどこへ相談すれば良いか悩むはずです。
そこでおすすめなのが、不動産一括査定のウェブサイトを利用することです。
不動産一括査定のサイトなら、最大10社の不動産会社が空き家をどれくらいの価格で売却してくれるのか、まとめて見積もりを取ることができるので便利です。
ただし、査定価格が高いだけでなく、親身に話を聞いてくれるかや空き家近隣に事務所や店舗を持つ不動産会社であることも不動産会社選びで大切なポイントとなることを理解しておきましょう。
当ページでは空き家の処分方法や処分費用についてもまとめているので、是非空き家売却時の参考にしていただければと思います。
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空き家の処分方法
空き家を処分する方法として、空き家をそのままの状態で売りに出す、建物を解体して更地の状態で売りに出すといった2通りが挙げられます。
それぞれメリットだけでなくデメリットもあるので、空き家の状態によってどちらを選択した方が良いのかしっかり検討しましょう。
そのまま売却する
空き家をそのままの状態で売るメリットは、解体費用がかからないうえ、安く購入しリフォームやDIYを行うことを希望している方からも需要が見込めることです。
一方、デメリットとしては、空き家を売却後に欠陥が見つかった場合に瑕疵担保責任を問われ、補修費用を負担しなければならない可能性があるということです。
ちなみに、空き家のような中古物件の場合、売主が瑕疵担保責任を負う期間は個人名義で行われる不動産売買や契約に関しては、2~3ヵ月程度とされています。
空き家のそのまま売ることができれば、所有者としては解体費用の負担がなく安く処分できますが、空き家の老朽化が進んでいるケースだとなかなか買手が見つからない可能性があります。
そこでそのまま売却するなら以下のような空き家をおすすめです。
立地条件が良い
デザインがおしゃれなど建物自体に魅力がある
築年数が浅い
駅が近い、商業施設が近いなど立地条件が良い空き家なら、たとえ老朽化が進んでいても購入希望者が見つかる可能性は高いです。
なぜなら立地の良さを重視している方ならば、解体費用を負担してでも購入したいと考えてくれることが多いからです。
また、立地条件が多少悪くても、築年数が浅かったりデザイン性が高い物件であると、物件自体を気に入って購入してくれるケースもあるでしょう。
解体して更地として売却する
空き家を解体して更地として売却するメリットは、買い手が見つかりやすい、建物や設備の不具合による修繕費用を請求されないことが挙げられます。
一方、解体費用がかかったり、すぐに買い手が見つからなければ固定資産税が最大で6倍になったりするデメリットがあります。
解体費用は建物の広さや構造などで差が生じますが、目安として木造の30坪の家なら150万円程になるでしょう。
また、固定資産税は建物がある状態だと固定資産税は軽減措置があり6分の1の税金で済むのですが、更地の場合は軽減措置が適用されなくなります。
つまり、解体してしまうと建物があった頃と比較して6倍もの固定資産税を請求されることになってしまうのです。
固定資産税は1月1日時点の所有者に納税義務が課せられるため、更地にした後売れるまでに1月1日をまたいでしまうと高額な税金を負担しなければなりません。
そのため、できれば更地渡しとして買手を募り、売却が決まったら解体するのが固定資産税が高くならないコツです。
空き家を解体して売却するメリットとデメリットを踏まえると、以下のケースに該当する空き家は更地渡しにするのがおすすめです。
建物の老朽化が進んでいる
住宅以外の活用が見込める立地である
建物の老朽化が進んでいるなら、そのままの状態ではなかなか売却できない可能性が高いので解体する前提で処分を検討すると良いでしょう。
また、観光地やレジャー施設が近ければ駐車場にするなど、更地にすることで住宅以外の活用法法を見出せる可能性があります。そういった場合は不動産投資を考えている方から購入してもらえる可能性があります。
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空き家の処分にかかる費用
空き家を売却すればまとまったお金を手に入れることができますが、処分する上で所有者にはさまざまな費用が発生することを理解しておくと安心です。
解体費用
空き家を解体して売却するならば、解体費用を支払わなければなりません。前述したように、解体費用は坪数や建物の構造により異なりますが、大体100万円~200万円程度になることが多いです。
なお、住宅密集地や面している道路が狭いなど重機やトラックが入れない場合は、人力で解体を進めることになり費用が高くなりやすいので注意しましょう。
しかし、空き家が所在する自治体によっては解体費用を補助してくれる場合もあります。たとえば、埼玉県富士見市の場合、空き家の解体工事に係る費用の3分の1(上限30万円)を補助してくれます。(2020年9月現在)
こういった補助金や助成金の対象となれば解体費用の負担が軽減できるので、解体を検討しているならまずは各自治体の制度をしっかり確認しましょう。
仲介手数料
不動産会社を通じて空き家を売却する際は、仲介手数料が発生します。
仲介手数料は宅地建物取引業法という法律で売却金額に応じて以下のように上限が定められています。
売却価格200万円以下の場合→売却価格の5%以内
売却価格200万円超~400万円以下の場合→売却価格の4%以内
売却価格400万円超の場合→売却価格の3%以内+6万円
たとえば空き家が1,000万円で売却できた場合は、1,000万×3%=30万ですが、さらに消費税(10%)が加わり33万円が仲介手数料の上限となるわけです。
とはいえ、記載した仲介手数料の割合はあくまで上限で、もっと安い設定の不動産会社もありますから、あくまで目安として空き家処分の予算に含めておくと良いでしょう。
各種税金
空き家を売却し利益が出ると譲渡所得税や住民税などの支払をする必要がありますし、売買契約書に貼る印紙税も負担しなければなりません。
譲渡所得税の計算は、まず譲渡所得金額を算出する必要があり、以下の計算式が使用されます。
【譲渡所得金額 = 譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)】
譲渡価額とは売却価額のことで、取得費とは空き家の土地や建物を購入した際に発生した金額、譲渡費用は仲介手数料や印紙税、測量費など売却の際に発生した費用のことを指します。
譲渡所得税の税率は、税率は、「長期譲渡所得」になるか「短期譲渡所得」になるかによって異なり、長期譲渡所得のほうが税金の負担が少なくなります。
空き家を所有していた期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」の税率が適用され、譲渡所得税率は15%、住民税は5%となります。
一方、空き家を所有していた期間が5年未満で「短期譲渡所得」となった場合には、譲渡所得税率は30%、住民税は9%となります。
ちなみに、保有期間には親が実家を所有していた期間も含むため、空き家を相続直後に売却しても親が5年以上所有していた実家なら長期譲渡所得の税率が適用されるので安心してください。
空き家を売却するとまとまったお金が手に入る代わりに、こういったさまざまな税金が発生することを把握しておきましょう。
空き家処分を依頼する不動産会社を選ぶ際のポイント
空き家を処分する際には売却を手伝ってくれる不動産会社を選ぶ必要がありますが、最初から1社に絞り売却をお願いするのは避け、複数の会社から見積もりを取りましょう。
また、不動産会社を選ぶ際には金額だけでなく、信頼関係が築けるか、空き家の売却に強いかどうかなどもしっかり確認しておく必要があります。
一括査定サイトで複数の不動産会社から見積もりをとること
空き家の売却を決めたらまずは複数の不動産会社でどれくらいの価格で売れそうか査定してもらいましょう。
不動産会社1社ずつに問い合わせたり足を運んだりするのは時間も手間もかかるので、複数の不動産会社に一斉に見積もりを取ってもらえる一括査定サイトを利用するのがおすすめです。
一括査定サイトはいくつかあり、それぞれ登録している不動産会社や使い勝手などが異なります。
なかでも、LIFULL HOME’S、SUUMO、HOME4Uが知名度が高く、提携不動産会社数と利用者数も多いのが特徴です。
同時査定ができる不動産会社はLIFULL HOME’SとSUUMOは最大10社まで、HOME4Uは最大6社までとされています。
できるだけ多くの会社で査定を取りたいならLIFULL HOME’SかSUUMOを利用し、数が多いと悩んでしまうのである程度絞り込んで査定を取りたいならHOME4Uを利用すると良いでしょう。
一括査定サイトを利用すると建物の状態を見ずに査定額を算出する「机上査定」を行った後、実際に建物や庭の状態、立地条件など詳細を確認し査定額を算出する「訪問査定」が行われます。つまり、机上査定で算出された売却金額はあくまでも目安として捉えておきましょう。
親身に相談に乗ってくれること
空き家の売却には、売却価格を決めたり買主との交渉をしたりと引き渡しまでにさまざまな手順を踏まえていくため、信頼して任せられる不動産会社へ依頼することも大切なポイントです。
スムーズに空き家が売却できても6ヵ月程度の時間を要することも多いため、その間不信感を抱くことなく気持ち良く取引できる方が良いのは間違いありません。そのため、査定から実際に仲介を依頼するまで不動産会社および担当者の対応をしっかり見極めましょう。
たとえば、空き家の売却について分からないことがあったら迅速かつ的確な返答をしてくれる、不安に感じていることにも親身に相談にのってくれてアドバイスをくれるといった不動産会社なら信頼できるはずです。
そういった不動産会社を選べば、なかなか空き家の購入希望者が見つからない時にも親身になって売却が進みやすくなる方法を模索してくれたり、買主が無理な値下げ要求をしてきても空き家の所有者の立場になってくれたりして、この会社に依頼して良かったと心から思えるようになるはずです。
空き家の所在地に近い不動産会社であること
空き家の売却時には空き家周辺にある不動産会社へ依頼することも重要なポイントです。空き家周辺の不動産会社なら、勤めている社員も近いエリアに住んでいる場合が多いため、そのエリアの特徴や魅力を十分把握しているでしょう。
周辺環境を熟知している不動産会社なら、空き家の売却を適正価格で査定してくれますし、購入希望者にもより説得力のある営業をしてくれたりするはずです。本社が首都圏にあるような大手不動産会社なら営業所や店舗が空き家周辺にあるかを確認しましょう。
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