親などから家を相続したものの、自分は遠方に住んでいるため住む予定がない、でも、すぐに処分するのは心苦しいということがあると思います。ひと段落したら売却したい、賃貸として他人に貸し出したいと考えている人もいるでしょう。
誰も出入りしていない、いわゆる空き家の状態になると、経済的にも防犯的にもさまざまなリクスが発生します。
そこで、空き家を処分するのが心苦しいけど管理ができない…そんな人に向けて空き家管理会社を利用するべき4つの理由を解説します。
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空き家管理会社とはなに?
平成26年11月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が国家で成立、それを受けて増加したのが空き家管理のサービスを提供する会社です。
空き家のリスク回避のためのサービス
田舎にある家を相続したものの、遠方に住んでおり住む予定がない、管理のために出入りする時間もない状態が長引くと、倒壊する、空き巣に入られるなど、さまざまなリクスが発生します。
昔から近所の人に管理を頼むケースはあったものの、専門的な業者に頼みたいというニーズが高まってきました。
そこで近年、大小さまざまな規模で増えてきたのが、無人の家の管理を代行する空き家管理会社です。
空き家管理会社の業者は多種多様
空き家管理会社と言っても、ベンチャー企業、中小の事業主、大手企業まで規模はさまざま、その業種も多種多様です。
主な業種は、不動産仲介、ハウスメーカー、マンション開発、セキュリティーなどで、その企業が提供しているサービスと結びつけるかたちで、空き家管理を行うケースが目立ちます。
不動産仲介会社が空き家管理サービスを提供する場合、将来的に空き家をリフォーム・リノベーションして売りだす、という感じです。
そのため、その空き家を将来どのようにしたいのかを踏まえて、空き家管理会社を選ぶ人も多いようです。
空き家管理会社を利用するべき理由①:資産価値
空き家管理会社を利用したほうがいい理由のひとつが、家という資産の価値を維持できる点です。
老朽化がすすむと資産価値がさがる
誰も住まないままの状態が続くと、塀や壁が崩れる、瓦がはがれてくる、建物の基礎が弱くなるなど、家の老朽化が一気にすすむと言われています。
雨漏りにより家の内部にカビが生える、見えないところでシロアリの被害がすすむと、家そのものが倒壊する可能性が高まります。
家の資産価値は、年を経るごとにどんどん下がっていきますが、老朽化がすすむと下落がさらに加速。いざ家を売却しようと思ったら、老朽化によりまったく値段がつかなかった…ともなりかねません。
売却・賃貸の可能性も念頭に置こう
すぐに処分しないとしても、将来は売却する、あるいは賃貸で貸し出す可能性を念頭に置いて対応することはとても大切。
空き家バンク等を利用して、ほとんど無料で売ったり貸し出したりすることもできますが、できるだけ好条件で取引をしたいものですよね。
空き家管理会社にメンテナンスを依頼すれば、家のコンディションが維持されるため、資産価値を低めることなく売却・賃貸できる可能性が高まるのです。
空き家管理会社を利用するべき理由②:近隣対応
ずっと誰も住んでいない家があると、さまざまな不安材料を与えるため、近隣のクレームなどに対応する必要も生じます。
空き家の存在は不安材料となる
だれも管理していないと、雑草が生い茂る、ゴミが散乱する、チラシがたまるなど、そこが空き家であることを示す状況が生まれます。
そうなると、空き巣に入られる、不審者が住みつく、犯罪に利用されるなど、家が悪用されるリスクが高まります。空き家を勝手に住民登録して、詐欺行為に利用するというケースも目立っています。
管理されていない家が近くにあると、犯罪に巻き込まれる可能性があるため、近隣の人の不安に対応することも多いのです。
草木や雑草もクレームにつながりやすい
庭がある場合、草木や雑草の手入れをしていないと、景観を損ねるだけではなく、虫が大量発生する、鉢の巣ができる、通行の妨げになるなど、近所の人たちの生活に悪影響をおよぼしてしまいます。
そのため、草木や雑草の状態について近所からクレームが入ることが多々あります。さらには、草木や雑草が放置されていると不法投棄や放火のリスクも高まります。
近隣の人のクレームや問い合わせに対応する、定期的にメンテナンスするうえで、空き家管理会社が一定の役割を果たしてくれます。
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空き家管理会社を利用するべき理由③:管理責任
空き家管理会社を利用するべき3つめの理由が、誰かに被害を与えてしまうなど、賠償責任が発生する状況を減らせることです。
倒壊により被害を与えたら…?
無人の状態が続くと家の老朽化が加速し、台風や大雨に見舞われたときに思わぬ事故につながることがあります。
門扉が外れかけているのを放置して、強風で通行人を怪我させてしまうと、空き家の所有者は治療費や賠償金を請求されます。
また、瓦が落下する、屋根が引き飛ぶ、壁が崩れるなども同様です。事故の状況によっては100万円を超えることもあり、場合によっては裁判に発展することも。
実際に住んでいなくても、誰かを怪我させたときに賠償責任が発生することを念頭に置いて、管理の方法を考えることが大切です。
危険な個所を管理会社がチェック
空き家管理会社に依頼すると、事故につながりそうな箇所がないか、定期的にチェックしてもらえます。
例えば屋根の場合、瓦がうねっていないか、トタンの継ぎ目がめくれていないかを確認することで、破損の早期発見につながります。外壁であれば、壁が浮いていないか、ヒビが入っていないか、欠けているところがないかがチェック項目。
門や塀は、鉄のサビ、壁の割れ目、ブロックのズレなどが対象となるでしょう。
空き家管理会社は、事故につながりやすい箇所を把握しているため、賠償責任が発生するリスクを減らせるのです。
空き家管理会社を利用するべき理由④:負担の緩和
空き家管理会社を利用すると、管理代行の費用が発生するものの、所有者にかかるさまざまな負担を緩和することにつながります。
遠方に住んでいると経費がかさむ
遠方に住んでいるものの、自分が定期的に空き家を出入りして、管理経費を抑えようと考える人も多いと思います。空き家は、田舎の不便なところにあることが多いため、交通費、時間、労力が想像以上にかかるもの。
また、台風や地震などで家にトラブルが発生したとしても、すぐに駆け付けることはできないため、精神的にも負担がかかります。
そのため、空き家管理会社を利用してしまったほうが、費用面でも労力面でも負担が緩和されることも少なくないのです。
空き家指定されると固定資産税がアップ
費用面の負担で注意しなければならないのが固定資産税の問題です。「空家等対策の推進に関する特別措置法」によると、1年以上誰も出入りしていないと空き家と見なされます。
勧告により改善が認められないと、適切な管理が行われていないと見なされ、特定空き家として指導の対象となります。
それでも適切な対応をとらないでいると、税金の優遇制度の対象外となるため、年間で支払う固定資産税が大幅にアップすることに。増税というペナルティが発生するため、自らの管理が難しい場合は、最初から空き家管理会社に依頼したほうがいいかもしれません。
まとめ
空き家を放置しているとさまざまなリスクが伴うため、自分で対応できないと思ったら空き家管理会社のサービスを利用することも一案です。
ただし、空き家管理会社の数は増えたものの、料金とサービスが見合っていないことも少なくありません。
そのため、家の管理の依頼を検討している人は、適切に管理してくれる会社なのか、しっかりとサービスの質を見極めることが大切です。
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