「国内最大級の不法投棄 産廃撤去完了」廃棄物不法投棄の歴史と実情とは?

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廃棄物の不法投棄とは?

香川県の豊島(てしま)で起こった「国内最大級の不法投棄事件」をご存知ですか?

事件の発端から40年以上を経て、ようやく完全撤去されたというニュースが先日流れました。

これを機に、日本の産業廃棄物の歴史や実情について、探ってみたいと思います。

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国内最大級の不法投棄事件の概要

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まず簡単に、国内最大級の不法投棄事件の概要についてご紹介します。

《業者の嘘と県の杜撰な対応》

豊島は香川県小豆郡土庄町に属する自然に恵まれた豊かな島で、自給して余るほど多くの農作物が生産されていました。

そんな平和な島に異変が起こったのは1965年頃だと言われています。

島の一部の土地を持つある業者が有害産業廃棄物処分場の建設を計画していることが発覚し、住民たちは猛反対、香川県庁にデモ行進まで行うほどに発展したのです。

1975年頃から本格的に産業廃棄物が不法投棄されるようになったのですが、『無害な産廃でミミズを養殖する』とした業者に対し、香川県は1978年、事業許可を出してしまいました。

もちろんミミズの養殖などではなく来る日も来る日も大量の産業廃棄物を不法に処理され続けました。

さらに香川県は金属等が廃棄されていることを把握した上で『古物商の許可』を届け出るよう業者に勧めてしまいます。

これをきっかけに、自然豊かで美しかった豊島が『ゴミの島』へと化して行ったのです。

現場では連日『野焼き』が行われ、子供たちの間でぜんそくなどの健康被害が相次いだと言われています。

《ようやく動き出した兵庫県警》

香川県警がこの業者を摘発したのが1990年11月、実に10年以上の月日が流れていました。

容疑は「ミミズの養殖を謳った産業廃棄物の不法投棄」でした。

現場には廃油、製紙汚泥、金属片、ラガーロープ、自動車の破砕クズ、シュレッダーダストなどの産廃が山積みにされていたと言います。

この摘発を受けて1993年11月、島の住民は「県に責任を認めさせ原状回復を求める」ための公害調停を国に申請しました。これは裁判に代わって公害紛争の早期解決をはかるための制度です。

《長すぎた調停成立までの道のり》

香川県庁前で150日間にも及ぶ立ちっぱなしの抗議、香川県内100箇所を巡る座談会、産廃を掲げての東京・銀座への抗議のキャラバンなど、全島挙げての過酷な戦いはようやく実を結びます。

事件の発端から25年目の2000年6月6日、37回目の調停でようやく香川県知事が謝罪を行い、原状回復の合意に至りました。

小さな島の住民は、それぞれの生活を抱えながらも強い意志を以って闘い抜き、ようやく勝ち得ることができたのです。

ここに至るまで島の住民が重ねた会合は6,000回を超えたと言います。

こうした住民たちの努力や「自分たちのことは自分たちで」という闘いぶりは当時の日本の世論の共感を大いに得ることとなりました。

ついに産廃の撤去が完了

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2017年3月28日、撤去する廃棄物を積んだ最後の運搬船が島の桟橋から出航、これによって産業廃棄物の撤去作業が完了しました。

調停成立から17年、事件の発端から40年以上の歳月をかけてついに元の豊島へと戻ったのです。

とはいえ、時間は取り戻すことができませんし、また汚染された地下水などは依然として残ったままです。

あくまで外見上、産廃が撤去されたに過ぎませんので『解決』したとは言えず、今後は環境の再生に向けた取り組みが始まります。

不法投棄されていた産廃の量は約90万トンを超えたと言われています。

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産廃の不法投棄は青森・岩手でもあった!

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1999年、青森県と岩手県の県境にある山中に大量の産業廃棄物が不法投棄されていたのが見つかりました。

両県の迅速な対応が実り、15年後の2014年3月26日に全量撤廃されましたが、この時の産廃の量は豊島のそれを超える約150万トンであったと言われています。

撤去は完了しましたが、やはり環境を再生させるための土壌の浄化などは引き続き行われています。

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日本の不法投棄の歴史と実情は?

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日本で産業廃棄物に関する法律が制定されたのは、実はごく最近になってからです。

戦後~1950年代までは『清掃法』という法律によって規制されていました。

■清掃法(1971年9月24日廃止)

「ゴミ・燃え殻・汚泥・糞尿・犬、猫、ネズミ等の死体」が対象で、現代における産業廃棄物は「指定する場所に運搬し、もしくは処分すべきことを命ずることができる」程度に留まっていました。

高度経済成長に伴い、産業廃棄物の量が膨大に膨れ上がると同時に公害なども社会問題化したため、同法では対処しきれず、『廃棄物処理法』が制定されます。

■廃棄物処理法(1970年制定・現在まで幾度も改正を繰り返している)

産廃の排出を抑え、また産廃の適正な分別・保管・収集・運搬・再生・処分をすること、生活環境を清潔にすることなどを定めている法律です。

正式には『廃棄物の処理及び清掃に関する法律』と言います。

同法における廃棄物とは「ゴミ・粗大ゴミ・燃え殻・汚泥・糞尿・廃油・廃酸・廃アルカリ・動物の死体・その他の汚物または不要物」としています。不法投棄に対する罰金刑の最高額は1億円とされています。

1990年代に入ると『産業廃棄物処理特定施設整備法』『環境基本法』『容器包装リサイクル法』『家電リサイクル法』『ダイオキシン類対策特別措置法』などが次々と制定されました。

2000年代には『循環型社会形成推進基本法』『建設リサイクル法』『食品リサイクル法』『PCB特別措置法』『自動車リサイクル法』『産業廃棄物支障除去特別措置法』『小型家電リサイクル法』というように現在の対策の土台が出来上がりました。

《産業廃棄物排出量の推移》

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少し古いデータですが、日本における産業廃棄物の排出量はこのように推移しています。

1975年:2億3649万トン

1990年:3億9474万トン

2000年:4億604万トン

近年では次のように推移しています。

2012年:3億7900万トン

2013年:3億8500万トン

2014年:3億9300万トン

2000年の4億トンから比べるとわずかながら減少してはおりますが、それでも年間に排出される産業廃棄物の量は膨大です。

《環境省による産業廃棄物の不法投棄の状況》

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また、環境省は産廃の不法投棄の状況について毎年調査を行っており、ホームページ上で公開しています。

環境省 廃棄物・リサイクル対策 「産業廃棄物の不法投棄の状況について」

これによりますと、平成27年に発表した平成26年度の産業廃棄物の不法投棄量は次のようになります。

新たに判明した不法投棄事案

不法投棄の件数:165件(前年比+6件)

不法投棄量:2,9万トン(前年比±0)

不法投棄が社会問題化しているにも関わらず、毎年のようにこうして100件を超える件数が新たに判明し、何万トンもの不法投棄が確認されているというのです。

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不法投棄を無くすには、自治体による早めの対応が必要!

「産業廃棄物収集運搬業」「特別管理産業廃棄物収集運搬業」「産業廃棄物処分業」「特別管理産業廃棄物処分業」などを営むには、都道府県知事および各自治体の許可が必要です。

許可を出した以上、自治体は適正に処理ができているかを確認することはもちろんですが、不法投棄が確認されてから実際に動き出すまでが遅いという現実もあります。

そうしている間にどんどん産廃の山は築かれてしまいますので、自治体の迅速な対応が求められます。

また、たとえ業者を特定できたとしても、倒産してしまえば撤去にかかる費用などが支払えなくなりますので、自治体が尻拭いする形になるのですが、その撤去費用の多くは住民の税金からです。

多くのこうした業者は適正に処理を行っているため、一部のモラルがない業者やそもそも無許可などの悪質な業者のせいで風当たりが強くなってしまっている部分も大いにあります。

法律による規制も強化され、リサイクルを推奨する動きも活発化していますが、毎年のように不法投棄される産廃は一向に減ることはありません。国や自治体のより迅速な対応が今後も強く求められます。

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不法投棄ゼロ化へ

「廃棄物の不法投棄」これは昔から中々減らない問題です。

不法投棄をする悪徳業者にすれば、お金を稼ぐための一つの手段としか考えていないのでしょうが、廃棄物による土壌汚染などの環境汚染は完全に除染するまでに数十年という年月が必要な場合があります。

それに加え、住民の精神的負担や健康被害などを考えると「不法投棄は絶対に行ってはいけない行為」です。

産業廃棄物を扱う業者として、廃棄物の処理には神経を使い適正処理を徹底して、これからも一段と厳しく適正処理とリサイクルで地域の環境に貢献する必要があります。

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ABOUTこの記事をかいた人

市川雅樹

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士