再生可能エネルギー「木質バイオマス発電」って何?

木で電気を作る技術とは?

近年、太陽光発電に次ぐ再生可能エネルギーとして大きな注目を浴びているのが「バイオマス発電」です。

その中でも特に今回は「木質バイオマス発電」に焦点を当てて、それがどのようなものなのか?

なぜ使われているのか?

といった基礎的な部分から、今後日本が抱えると予想される課題までを解説いたします。

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木質バイオマスって何?

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「バイオマス」とは、生物や生命を意味する「bio」と量を意味する「mass」を合わせた言葉で、「化石燃料以外の再生可能な生物由来の有機性資源」のことを指します。

具体的には稲わら、もみ殻、下水汚泥、木くず、家畜の糞尿、食品廃棄物などがあります。

この中でも特に「木材に由来する再生可能な有機性資源」のことを『木質バイオマス』と呼んでいます。

未利用間伐材等

間伐、主伐によって伐採された木材で、利用されないまま林地に残されている間伐材・枝・葉など

製材工場残材

製材工場での製造過程で発生する端材・樹皮・おがくず・背板など

建設発生木材

土木工事などの建設現場、住宅の解体時に発生する木材など

ほかにも街路樹の剪定枝なども木質バイオマスとして再生利用されています。

このバイオマスエネルギーは世界的にも注目されており、スウェーデンではすでに国全体のエネルギーのおよそ2割がバイオマスエネルギーと言われています。

日本でも平成14年12月に「バイオマス・ニッポン総合戦略」が国家戦略として閣議決定され、目標や展開について明確化されています。

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どうして日本でも木質バイオマスを使うようになったの?

後の日本では、主に薪や木炭などが燃料として大量に利用されてきましたが、高度経済成長やエネルギー革命などの影響により、石炭や石油といった化石資源が燃料の主役に取って代わるようになりました。

1970年代に起こったオイルショックがきっかけとなって、一時期、バイオマスの再利用について研究が進められた時期もありましたが、その後、石油価格の安定化などによって普及することはありませんでした。

しかし、昨今の地球温暖化問題、廃棄物問題、循環社会形成などへの対応として、環境面で優れている木質バイオマスが使われるようになったという訳です。

環境面でどんな風に優れている?

例えば、石油などを燃料として利用すると、大気中には地球温暖化の一因と言われている二酸化炭素が放出されることになります。

同様に、木材を燃料として利用した時にも二酸化炭素が放出されるのですが、実はこの二酸化炭素は『もともとその樹木が光合成によって吸収していた二酸化炭素』であるため、大気中における二酸化炭素の量が増えることはありません。

さらに、利用した木材の分やそれ以上の樹木を植えることでそれらが光合成によって二酸化炭素を吸収してくれるというサイクルが出来上がります。

このように、木質バイオマスは循環利用している限り、半永久的に再生が可能な、環境面において非常に優れた資源なのです。

木質バイオマスを利用するメリット

木質バイオマスを利用することによって、様々なメリットが生まれます。

廃棄物の発生を抑えられる

製材工場の製造過程で発生した残材、住宅の解体時に発生した解体材、樹木の剪定時に発生した枝などは、そのままであれば廃棄物となりますが、木質バイオマスとして再利用することで廃棄物を減らし、循環型社会の形成に繋がります。

エネルギー資源としての積極的な利用

日本はエネルギー資源の多くを化石燃料の輸入に頼っています。

木質バイオマスがエネルギー資源として利用される機会が増えることで「エネルギー源の多様化」「リスクの分散」が可能になります。

森林の環境整備・林業の活性化

森林が「国土の保全」「水源のかん養」などの機能を十分に発揮するためには、間伐や主伐など適切な森林の環境整備が不可欠と言われています。

その裏側では年間およそ2,000万立方メートルもの未利用間伐材等が発生するのですが、これらを燃料として再利用することで、森林の環境整備に加えて林業経営の活性化にも繋がります。

地域の活性化

特に未利用間伐材を木質バイオマスとして利用することで、「資源の収集や運搬」「バイオマスエネルギー供給施設や利用施設の管理・運営」といった新しい産業が生まれます。

それにより雇用の創出・地域の活性化に繋がります。

このように、木質バイオマスを利用することで環境面、経済面、雇用面など様々なメリットが期待できます。

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一般家庭にエネルギーを供給しているケースも

北海道下川町では、2012年頃から住宅の一部にもバイオマスネネルギーを供給しています。

24時間、バイオマスのボイラーからエネルギーが供給されることにより、食器洗い、暖房、入浴などに利用されています。

そのおかげで光熱費、特に冬場の灯油などの暖房費が供給される前と比べて1万円以上も安くなった住宅が増えました。

下川町はかつて林業の町として栄えていましたが、林業が衰退するとともに人口も減少し、深刻な過疎化に悩まされてきました。

そこで再起をかけるべく町が木質バイオマス事業に取り組んだ結果、一般住宅にはこのようなメリットが生まれ、木質バイオマス事業や下川町の取り組みに魅力を感じた若者がここ10年間で移住し、30人近い後継者が育っていると言います。

もともとが林業の町であったということも重なり、町の取り組みは雇用対策や大きな経済効果をもたらしてくれたのです。

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木質バイオマスの今後の課題

2012年7月1日にスタートした「固定価格買取制度」によって、木材を燃料とする発電施設の建設が相次いでいます。

2015年に30ヶ所が稼働を開始し、さらに現在も30ヶ所以上の施設の建設が進められています。

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固定価格買取制度とは?

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正式には「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」と言います。

太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなどの再生可能エネルギー源を利用して発電した電気を、国が定める固定価格で、一定期間、電気事業者に調達を義務づける制度です。

具体的に、バイオマスは次のような買取価格になっています。

【平成28年度の買取価格】

(1)間伐材等由来の木質バイオマス

2,000kW未満 40円+税/1kWh 調達期間20年間

2,000kW以上 32円+税/1kWh 調達期間20年間

(2)一般木質バイオマス・農作物の収穫に伴って生じるバイオマス

24円+税/1kWh 調達期間20年間

(3)建設資材廃棄物

13円+税/1kWh 調達期間20年間

(4)一般廃棄物・その他のバイオマス

17円+税/1kWh 調達期間20年間

*「kWh(キロワットアワー)」とは、電気代の計算基準となるもので、1kWの機器を1時間稼働させた時の消費電力量を指します。

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バイオマス発電 今後の課題

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バイオマス発電施設が林立することによって、今度は燃料となる木材の確保が難しくなってきます。

本来の目的は未利用の森林資源を有効活用することにあるのですが、発電施設が増えることで施設間で木材の奪い合いとなるほか、製紙のために利用される予定の木材がバイオマス発電に回ってしまうなど、他の産業にも影響を与え、さらには乱伐による森林の環境破壊も懸念されています。

昭和シェル石油では神奈川県川崎市に木質バイオマス発電施設を建設、2015年に運転が開始されました。

それ自体は問題ではありませんが、燃料となる木質バイオマスは北米や東南アジアから輸入していると言われています。

「地域にお金が回る」ことも木質バイオマス発電の大きな魅力の一つでしたが、これでは海外にお金が流れてしまいます。

このようにまだまだ課題が山積みの木質バイオマス発電ですが、環境面、経済面など様々なメリットを生み出してくれることは間違いありません。

これからの国の政策に期待したいところです。

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ABOUTこの記事をかいた人

市川雅樹

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士