空き家を賃貸などで貸し出して不動産収入を得たい!
ただ、立地がよくない、家屋の劣化が激しいなど、空き家ならではの問題があると、本当に活用できるのか心配になりますよね。
そこで、不動産で収益を得たい人に向けて、空き家を活用するメリットや方法、その際の注意点などを解説したいと思います。
【あわせて読みたい。こちらの記事もご覧ください】
空き家で不動産収益を得るメリット
空き家は、そのまま放置しているとペナルティの対象となるため、活用して不動産収入を得ることには一定のメリットがあります。
安定した家賃収入を得られる
空き家活用の一番のメリットは、比較的安定した家賃収入が得られること。
ここで「比較的」という表現を入れたのは、空室のままでは収入がないので、あくまで入居者がいることが前提だからです。空き家を貸し出しながら一定の収入を確保、タイミングを見て売却することも可能。
不動産は、有価証券のように価値の増減が激しくないため、不動産収入を得ながら計画的に資産運用できる強みもあります。
もしも、入居者の募集、契約、その後のやり取りをするのが不安であれば、管理会社と契約することも一案です。
相続税対策にもなる
親などから空き家を相続した場合、それを現金化して相続人と分けようとすると、売却までかなりの時間を要してしまうことも。
また、現金化するとその額面に対して相続税が課せられますが、不動産の場合は固定資産税評価額と路線価から算出されます。
そのため、一概には言えませんが、現金で相続するよりも、節税できることがあるのです。
空き家で不動産収入を得る前にすること
空き家で不動産収入を得ようと思っても、そのままで実現できるとは限りません。あらかじめ対策を講じておくことも必要です。
リノベーションで建物の価値をアップ
用途に応じてリフォームあるいはリノベーションを施すことで、空き家を活用しやすくなることがあります。外壁や内装をきれいにするだけではなく、水回りなどの設備を新しくする、あるいは修繕することで、借り手候補者からの印象は格段によくなるでしょう。
また、築年数が経っている古民家であれば、それを再生することにより、事業用に貸し出せる可能性が出てきます。
人が住める程度の劣化であれば、あえてリフォームやリノベーションをせずに、相場よりも賃料を安く設定することも一案。空き家があるエリアの需要を見極めたうえで、どのようにするのか判断すると良いでしょう。
リノベーションのポイント
空き家をそのまま安く貸し出す選択肢もありますが、水回りについては衛生的な問題もあるため、最低限のリフォームにより清潔な状態を保つことは大切です。
また、台所付近は、調理などで放たれた匂いを吸収しているため、清潔な状態へ原状復帰させたほうがいいでしょう。
とはいえ、どのような宣伝文句で入居者を募集するのかにより、空き家の内装の必要性は変わります。
もしも、「入居後のリフォームやDIY可」とするなら、あえてそのままにしておき、相場より安い賃料を設定するほうが収益化しやすくなります。
安定した不動産収入を得たいなら、貸し出す前に耐震診断を行うこともおすすめ。ちょっとした地震や強風で空き家が壊れると、修繕コストがかかるのみならず、信頼が失われてしまいます。
新基準に対応している空き家であれば、借り手候補者に自信をもって案内でき、かつ空室期間が長引くリスクを避けられるでしょう。
【あわせて読みたい。こちらの記事もご覧ください】
収益化できる空き家の特徴
確実に不動産収入を得られる空き家にはいくつかの特徴があります。それを理解してから収益化する方法を考えましょう。
築年数がギリギリ30年以内の空き家
徹底的にリノベーションを施して収益化を試みるなら、築20年か~築30年ほどの、「古すぎず、新しすぎず」が基準となります。目安となるのが、1981年に施行された新建築基準法。
それに則っているものの、それ相応の古さがある家のほうが、リノベーション効果があるからです。
ちょっと古い程度であるとコストが無駄に、あまりに古すぎるとフルリノベーションとなり、賃料でコストを回収できません。
そこで、リノベーションによる空き家活用を検討している人は、適切な時期までお金をため、築20年の経過のタイミングで投入するという方法もあります。
賃貸の需要により戦略が変わる
賃貸需要がない地域の空き家は、どれだけ素晴らしいリノベーションを施しても、入居希望者はあらわれません。
一方、近くに学校がある、大規模な工場がある、スキー場があるなど、需要を高める要素があれば、立地が悪くても収益化できる可能性が高まります。
都市部の空き家は、多少築年数が経っていても、必要最低限のリフォームをするだけで、比較的簡単に収益化が可能。
また、特定のターゲットを狙って大々的にリノベーションを施すことで、相場よりも高い賃料を設定できることも、都市部の空き家の強みです。
賃貸需要が低い空き家の収益化は可能?
しかしながら、空き家の多くは賃貸需要が低いエリアにあると思います。そのような空き家は収益化することは可能なのでしょうか。
学生向けのシェアハウスにする
立地が悪い田舎では、子育て中のファミリー層を惹きつけるのは困難。そこで狙い目となるのが、郊外にある大学に通う大学生です。
大学は、広大な敷地を要することから、「え、こんなところに?」と思うようなところにキャンパスをかまえる傾向があります。
そこで、若者が共同生活できるようにリノベーションを施すと、長期的に空き家を活用できる可能性が。
シェアハウスの評判がよければ、先輩から後輩に情報が引き継がれ、絶え間なく入居者がいる状態を作れるかもしれません。
高齢者向け集合住宅という選択肢も
田舎にある空き家だと、駅から遠く、バスの本数も少なく、学校や商業施設もなく、若者が住んでいない…そんな状況も少なくありません。
そこで、思い切って高齢者向けの集合住宅とすることも一案。バリアフリー等のリノベーションを施して、介護事業として収益化することに成功した事例が報告されています。
介護事業は、国や自治体の支援を受けやすく、家賃が滞納される心配もなし。ニーズにマッチすれば長期的に安定した収入を得られます。
空き家を収益化する際の注意点
ここまで空き家を収益化する方法について解説しましたが、状況によっては戦略を変更する判断も必要です。
入居者が見つからないと価値が低下
空き家を活用しようと思っても、入居者が見つからないと、そこは永遠に空き家のまま。
無人の状態が続くと、維持費などのコストがかかり、家屋そのものも劣化してしまいます。
その結果、不動産の価値が低下してしまい、売却することすら難しくなる恐れもあります。
状況によっては戦略変更
とはいえ、自分で空き家の収益化の見込みを判断することは、よほど不動産に詳しい人でない限り難しいと思います。
そこで、空き家の立地や周囲の条件から、どのような方法で収益化すればいいのか、不動産会社の助言を受けることも一案。
管理を委託することで、管理料を支払う必要が出てきますが、入居者が決まらないより効率的という場合も少なくありません。
まとめ
空き家を解体して更地にすることで、駐車場や資材置き場として貸し出せる可能性もあります。
また、場合によっては売却したほうがいいケースもあるでしょう。
空き家を活用して、不動産収入を得るためには、ひとつの方法に固執するのではなく、さまざまな可能性を視野に入れることが大切。
それにより、長期的な不動産の収益化が実現する可能性が高まると思います。
【あわせて読みたい。こちらの記事もご覧ください】