直接買取とは?流れや注意点も解説

テレビCM等で不動産業者の宣伝が流れる時、「即時買取もOK」などの言葉を聞くことがあります。

不動産分野には様々な用語がありますが、本章では「直接買取」について取り上げます。

一般的な不動産売買の手法である「仲介」とは異なる売買手法で、メリットもあればデメリットもあります。

この機会にぜひ覚えていきましょう。

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不動産の直接買取とは?

一般的な売買形態である仲介では、不動産を売りたい売り主の依頼を受けて、不動産業者が市場にいる買い手を探します。

直接買取はこれとは違い、不動産業者が対象物件を直接買い取るもので売買取引の当事者となります。

イメージとしては自動車やブランド品などを買い取り店に持ち込んで買い取ってもらうのを想像すると分かりやすいかもしれません。

仲介では登場人物が三者いますが直接買取は二者のみとなるので、取引の構造としてはとてもシンプルです。

次の項からは直接買取のメリットやデメリットを見ていきます。

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直接買取のメリット

①手数料がかからない

仲介では買い手を見つけた仲介業者に成功報酬の支払いが必要です。

基本的には「売却金額×3%+6万円」に消費税を加えた額を請求されるので、手取りの儲けをかなり圧縮します。

直接買取は不動産業者が売買の当事者となるので仲介手数料は発生しません。

②迅速性がある

仲介で買い手を見つける場合、最低でも3ヶ月から半年程度の期間が必要とされています。

直接買取では市場にいる潜在顧客を探す手間がないので、客探しの時間は必要ありません。

不動産業者が気に入ればすぐに取引が可能ですから、不動産の迅速な現金化が可能です。

借金の返済や相続税の納税など期限までに現金を用意しないといけない事情があるケースで優位性が発揮されます。

③契約不適合責任の免除が可能

直接買取では不動産のプロである不動産業者が買い手になります。

対象物件をプロの目線で評価して購入に臨むので、買い手保護の規定となる契約不適合責任については免除することが可能です。

売り主は売買後のトラブルを避けることができるので安心です。

④ご近所や世間に知られない

仲介で不動産を売る場合、市場のどこにいるか分からない潜在顧客に物件情報を届けなければならないため、様々な媒体を使って宣伝広告を打ちます

広く全国に情報を露出させますが、特に物件所在地近辺には地元のフリーペーパーなどの媒体を駆使して細かく情報発信を行うので、ご近所やお隣さんにも知られてしまいます。

直接買取ではこうした宣伝広告は不要ですから、「お隣さん、お金に困っているのかしら」「離婚で引っ越すらしいわよ」など余計な詮索を受けることもありません。

⑤難あり物件も売却可能

築古であったり、何らかの不具合があると不動産はとても売りづらくなります。

仲介で市場の買い手を募る場合、相手は自分で住むために物件を評価しますから、住みやすさが一番の評価項目になるでしょう。

一般の買い手が避けたがる事情がある物件は買い手が付かず売れ残ってしまい現金化ができませんが、直接買取の場合は問題ないことが多いです。

直接買取では不動産業者が自分で住むために購入するのではなく、別の目線で評価するため、築古であったり何らかの不具合があっても利活用が望めます。

例えばリフォームして転売したり、用途を変えて別の建物にしてしまうリノベーションを施して事業を行うこともできます。

さらには建物を解体して更地にし土地開発を行うことも可能です。

個人の買い手と違って資金力がある事業者が買い手になることによって、一般客には売れない物件も売却が可能になります。

⑥住み替え計画が立て易い

仲介による売却では、買い手候補が見つかり交渉を経てからでないと実際の売買金額が確定しません。

直接買取は買い手となる不動産業者が買い取り金額を見積もることですぐに売買金額が確定するので、住み替え事案では新居の購入にかかる資金計画を立てやすくなります。

またいつ売れるか分からない仲介では新居への引っ越し時期も確定させるのが難しくなりますが、直接買取であれば引渡し時期もすぐに確定させることができるのでスケジュールが立てやすくなります。

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直接買取のデメリットと注意点

多くのメリットがある直接買取ですが、売買金額が仲介で売るよりもかなり安くなってしまうのが難点です。

不動産業者は買い取った物件を改修したり、解体して土地開発を行うなど費用を掛けなければなりません。

儲けを出すには仕入れにかかる費用を小さくする必要があるので、直接買取で売却する場合は仲介で売る際の相場と比べるとおよそ二割~三割程度安くなってしまいます。

例えば相場一千万円で売れる物件が8百万円~7百万円になるということですから、金額的にはかなりのロスになります。

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直接買取の形態は二種類ある

ところで、直接買取は細かく言うと二種類の形態があります。

一つはいわゆる即時買取というもので、上で説明してきた内容そのままです。

急ぎの事情がある時などに「すぐに現金化しますよ」というものですが、もう一つ「買取保証」という形態もあります。

買取保証というのは、当初は仲介によって市場の買い手を探し、できるだけ高く売ることを目指しますが、設定した期限までに買い手が付かなかった時は、仲介に入った不動産業者が直接買い取ることを約束するものです。

これによって売り主は「できるだけ高く売る」という目標と「確実に売る」という二つの目的を両立させることができます。

買取保証はどの不動産業者でも対応してくれるわけではなく、ある程度の規模がある中堅から大手の不動産業者でないと難しいことが多いです。

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直接買取の流れ

「即時買取」を依頼する場合の流れはとてもシンプルです。

複数の不動産業者に買取の相談をし、きるだけ高く買ってくれるところを探します。

相手が決まれば売買契約を締結し、約定期日に物件を引き渡して終了です。

当初は仲介で売りに出し、売れなかったら直接買取に切り替える「買取保証」を利用する場合はこちらに対応できる業者を探す必要があります。

同じように複数業者に声をかけ、少しでも有利に仲介売却が望めそうなところで、かつ買取保証の金額ができるだけ高いところを探します。

仲介をお願いする業者が見つかったら仲介契約(媒介契約)を結び販売活動を行いますが、設定した期限までに一般の買い手が見つからなければ仲介契約が終了し直接買取に切り替わります。

買取保証制度を使う場合、仲介から買取に切り替わるまでの期限は不動産業者によって異なるので確認が必要です。

また「売り出しから1か月経っても買い手が付かない場合は〇〇円まで価格を下げる」など業者によってルールが付されることもあります。

どのような条件となるのかしっかり確認するようにしましょう。

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まとめ

本章では不動産用語の解説として「直接買取」を取り上げ、メリットやデメリット、注意点などを見てきました。

売買取引に時間がかかる仲介と比べて迅速に現金化できることや、売れにくい物件でも売却が可能になるなどの利点がある反面、買取金額が安くなってしまうデメリットもあります。

急ぎの事情がある、古くて一般の買い手が付かないなど、金額面で妥協をしてでも売らなければならない事情がある時に有効な手段となるのでぜひ覚えておいてください。

ある程度時間に余裕があれば買取保証制度を検討することもできるので、事案に応じて即時買取と買取保証を使い分けることも意識しましょう。

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