空き家を解体すると固定資産税はどうなるの?

保有している空き家は解体したほうがよいのか建物を残しておいたほうがよいのか、どちらがよいのか迷う方もいるかと思います。

そこで今回は、固定資産税の負担という面から空き家を解体すべきか否かを考えてみます。

空き家を解体すると固定資産税は高くなるのかどうか、詳しく説明します。

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空き家解体により建物分の固定資産税評価額は下がる

まず確実に言えることは、空き家を解体すると建物分の固定資産税はなくなるということです。

空き家の固定資産税の内訳

空き家の固定資産税はどのように計算されているのかを説明します。

固定資産税は建物と土地それぞれに対して計算され、支払額が決定します。

税率はともに固定資産税評価額の1.4%です。

建物が住居であれば、土地は200平方メートルまでの分は固定資産税の評価額は6分の1に減額されます。

200平方メートルを超える分は3分の1の減額です。この土地に対する評価額の減額特例措置は期間の定めはありません。

一方で建物分に関しては、次の計算式で固定資産税評価額が算出されます。

建物の固定資産税評価額=再建築価額×経年減点補正率

再建築価額とは、「現時点で」同じ建物を建てる場合に必要となる費用のことです。

実際に建築した当時の費用ではないので注意しましょう。

この数年は建築資材と人件費の高騰で、新築マンションの価格が高騰しています。

このような状況ではおそらく、戸建て住宅を再建築するとなれば建築当時よりも多くの建築費用が必要となるでしょう。

経年減点補正率とは、築年数に応じて再建築価額をどれだけ割り引いて計算するかという数値です。経年減点補正率表というものが法務局から公表されています。

たとえば木造の建物は、次のようになっています。

築5年 0.48
築10年 0.38
築20年以上 0.20

再建築価額に対してこれらの数字を掛け合わせることで、建物の評価額が算出できます。あとは税率の1.4%を掛けることにより、固定資産税が決まります。

築年数の古い空き家は建物分の固定資産税が安い

土地の固定資産税評価額は各市町村役場で公表している固定資産税路線価をもとに算出されます。

基本的に地価と連動するので、建物のように築年数とは無関係に決定します。

つまり空き家の築年数にかかわらず、土地分の固定資産税はほぼ変わらない金額となるわけです。

もちろんその空き家の建築当時よりも地価が上昇していれば、土地の固定資産税も増えることになります。

一方で建物の場合は、基本的に築年数が古くなるほど評価額は低くなっていきます。

木造住宅の場合は築年数が20年以上になれば評価額が低くなることはありません。

また例外として、急激なインフレや建築資材の高騰などにより建物の固定資産税評価額が大きくなることがあります。

そのような例外を除けば、空き家は築年数が20年までは建物分の固定資産税は古くなるほど安くなると言えます。

仮に築年数が20年に満たない空き家を相続し、その建物を解体すると建物分だけ固定資産税は大きく減額することになります。

では空き家は解体すれば固定資産税は確実に安くなるのかというと、そうではありません。

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空き家を解体すると住宅用地の特例対象外になる

空き家を解体すれば単純に建物分に対する固定資産税がなくなるので、税額は少なくなるのかというと実は違います。

更地になると、住宅用地の評価額減額特例がなくなるからです。

住宅用地の特例措置による固定資産税の計算とは

空き家とはいえ、居住用の建物であれば土地は住宅用地となります。

そして住宅用地の固定資産税は特例により、減額の対象となります。

具体的に、空き家の土地の固定資産税評価額は、200平方メートルまでは6分の1に減額されます。

固定資産税は1.4%なので、土地の評価額×6分の5×1.4%の固定資産税が減額になるということです。

しかし空き家を解体すると、その土地は住宅用地とはみなされなくなります。

その結果、上記の減額分の固定資産税が上乗せされます。土地が200平方メートルを超えない限りは、土地分の固定資産税は6倍になるということです。

空き家を解体しないほうが良いケースとは

もし解体した建物の固定資産税額が土地の固定資産税の上乗せ分よりも多いのであれば、これまで支払ってきた固定資産税よりも解体したほうが安くなります。

しかし築年数がかなり経過した空き家の場合、土地の固定資産税の上乗せ分よりも解体する建物の固定資産税のほうが少ないというケースもあるでしょう。

築年数が20年以上となれば、再建築価額に対する減点補正率は20%となるので、土地の固定資産税の増額分よりも建物の固定資産税のほうが安くなるかもしれません。

この場合には、空き家は解体せずにそのまま残しておいたほうがよいと言えるでしょう。

そうなると古い空き家は解体せずにそのままにしておいたほうが、固定資産税は高くならないということになります。

しかし、空き家には別の問題があります。それは、「特定空家等」に指定されると建物を解体しても土地に対する評価額減額特例がなくなるということです。

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特定空家等の指定により固定資産税は増額する

空き家を解体せずに残しておくと、解体した場合と同じように土地の固定資産税における特例措置が解除される可能性があります。

空き家のまま放置すると解体せずとも土地の固定資産税は増える

2015年5月26日に「空家等対策特別措置法」が施行されたことにより、倒壊の危険性があるなどの理由により「特定空家等」に指定された空き家は、固定資産税の軽減措置が解除されてしまいます。

その結果、空き家を解体しなくても固定資産税は土地分が最大6倍に増額となります。

ただし特定空家等に指定される条件を満たさなくなれば、この指定は解除されて土地の固定資産税は元のように特例措置の対象となります。

つまり空き家を手直しして倒壊の危険性をなくしたり、近隣の迷惑とならないようにすれば、固定資産税が増額することはありません。

しかし使用しない空き家ならば、そこまでして手入れをする必要があるのかという話になります。

いずれ解体するのであれば、そのような無用な修繕費用をかけずに早めに解体したほうが経済的です。

結論としては空き家は早期に解体したほうが得

固定資産税という側面から空き家を解体すべきか否かを考えてきました。

結論から言えば、築年数がかなり経過した古い空き家ならば、早期に解体したほうが固定資産税の面からみても得であることがわかります。

もちろん住宅用地としての軽減措置の対象外となるので、おそらく固定資産税は増えることになります。

しかし、そのような古い空き家は解体せずに残しておいても、いずれは土地分の固定資産税は6倍に増えます。

また建物が残っていれば、その分の固定資産税も加算されます。

以上の点から、固定資産税の面から考えると空き家は解体することがおすすめと言えます。

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まとめ

特定空家等に指定されない限りは、古い空き家は解体せずに残しておいたほうが固定資産税は安く済むかもしれません。

しかし、それほど古い空き家となれば、おそらく特定空家等に指定される確率は高くなるでしょう。

そうなると建物を解体した時と同じように土地の固定資産税は最大6倍になります。

もちろん建物の固定資産税も発生するので、早期に解体したほうがよいと言えます。

参考サイト

「経年減点補正率」
http://houmukyoku.moj.go.jp/osaka/content/001254336.pdf

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