売買と賃貸どっちが良い?ケース別に解説

所有する不動産を自分で使用しなくなった、あるいは使用できなくなった場合、そのまま空き家状態にしておくと税金などの保有コストがかかるお荷物となってしまいます。

近年は国レベルで空き家が問題になっていますし、有効活用ができない不動産はお財布から管理コストを奪っていく負債となってしまうので非常にもったいない話です。

空き家の利活用としては大きく売るか貸すかの二択が考えられますが、どちらが良いかはケースバイケースです。

不動産の種別や状態、どのようにその空き家を所有するに至ったのかなど個別ケースで全く異なるので単純な比較はできません。

本章では売却と賃貸どちらが有利になりそうか、具体的なケースをいくつか想定して考えてみましょう。

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積極的に賃貸を検討して良いケースは?

まずは賃貸に出すことを検討しても良いケースから見ていきます。

一般的に賃貸で空き家を運用するのは売却処分と比べて手間やリスクがあるので難しいとされていますが、具体的な事案を想定して賃貸に優位性が出そうなケースを見てみます。

①将来自分で使う可能性がある

一つは空き家になるのが一時的なケースです。

将来また自分で使う可能性がある、あるいはそれが確実だという場合、売却してしまうと基本的に買戻しはきかないので、賃貸を優先して考えることになるでしょう。

例えば仕事で転勤になったがまた地元に戻ってくる可能性がある、実家の両親が体調を崩したので一時的に帰省して世話をするが、また戻ってくると思われるような事案が考えられます。

このケースで賃貸に出す場合は、適当な時期に賃借人に確実に物件から出て行ってもらえるよう、定期借家契約の形態で賃貸契約を結ぶようにしましょう。

ただ個別のケースによって、戻ってくる時期が確定していることもあれば不透明なこともあると思います。

戻ってくる時期が予定よりも遅れる場合、必要に応じて再契約し賃貸期間を延ばすことも可能です。

戻る時期が予想よりも早まった場合、基本的に契約期間中は借り主に優先使用権があるので、その間はアパートなどの仮住まいを確保しなければなりません。

②不動産経営に興味がある

空き家の所有者の方が不動産経営に興味があるようであれば、試しに賃貸経営にチャレンジしてみても良いでしょう。

一昔前に流行った「金持ち父さん、貧乏父さん」などに触発されて個人でも不動産投資に興味を持ったり、実際に実践している人が多くなっています。

芸能人なども不動産投資で儲けている人はいますから、不労所得獲得のために良い勉強機会になるかもしれません。

自分の住居はすでに確保されていて、相続で実家の空き家を承継したなどのケースではしばらく賃貸経営にチャレンジしてみて、軌道に乗らなければ売却に切り替えるなど柔軟な運用ができるでしょう。

③離婚事案で他方配偶者が引き続き住みたい意思がある

離婚事案では財産分与や慰謝料、養育費など金銭が絡む様々な項目で話し合いが必要になります。

自宅は基本的に換価処分して現金に変えた方が金銭問題の処理がしやすいのですが、他方の配偶者が仕事の関係などで引き続き自宅に住み続けたい希望があるケースをよく見ます。

その場合、換価処分を避けて自宅を相手方に貸し出し、賃料を払ってもらうということも検討できます。

けんか別れしたようなケースでは賃料をしっかり払ってくれるかどうか心配なこともありますが、賃料不払いの心配がそれほどないのであれば検討できます。

ただし、住宅ローンが残っているかどうか、所有権名義はどちらにあるのかなどによって難しいケースも出てくるので、全ての離婚事案で検討できるわけではありません。

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賃貸を検討する場合に注意すること

前項のように賃貸に出すことを検討できる場合でも、以下の点には注意してください。

①貸し主としての責任が生じる

不動産の賃貸経営では借り主との関係で貸し主としての責任が生じることを強く意識しなければなりません。

これは、借り主がその物件を利用できるように管理やメンテナンスをしなければならないという実務上の問題が一つあります。

もう一つは家賃滞納やトラブルへの対処など面倒ごとへの対応も必要になってくる点です。

面倒ごとは望まなくても向こうの方からやってくるもので、否応なしに対応を求められる可能性があると認識しておかなければなりません。

もし物件が居住地から遠く離れている場合はこうした事態に対応ができませんから、費用を払って管理会社を付けるなどの配慮も必要になるでしょう。

それでも、最終的な責任はやはり大家さんにあるので、面倒な人間関係や実務が苦手という人は不動産経営に苦痛を感じるかもしれません。

②収益性を考える

試しに不動産経営にチャレンジするような場合も、少なくともその不動産の保有にかかる経費よりも大きなリターンが望めないと経営のうま味がなく、逆に費用の持ち出しになり赤字になってしまうので注意が必要です。

まずは空室リスクが付いて回るので、その地でその種類の不動産を借りたい需要層がいるかどうか、市場調査が必要です。

そして固定資産税などの固定費よりも家賃収入の方が大きくなるかどうか、住宅ローンが残っているのであればローンの支払いを上回る収益がでるかどうか、詳細な試算が必要になります。

ここら辺は個人で勉強し対応することも不可能ではありませんが、多くの場合賃貸に明るい不動産業者に相談する必要があるでしょう。

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売却した方が良いケースは?

次に売却を検討した方が良いケースを見ていきます。

①賃貸需要がない

賃貸に出したくても借り手側の需要がなければビジネスになりません。

この需要は複数の側面から考察できますが、一つはその物件がある地域、エリアです。

賃貸需要があるのは主に人口流動が多い都市部で、郊外や山間部は基本的に少なくなります。

ただし最近は田舎暮らしやワーケーションなどで田舎の空き家物件も借り手が付く事例はあります。

そしてその不動産の種類も大きく影響します。

基本的にマンションの方が借り手が付きやすく、戸建ては訴求対象が限られるため借り手が付きにくくなります。

場所にもよりますが、相続で承継した地方の戸建てなどは賃貸に出しても借り手が付きにくいことが多いです。

②まとまった現金が必要

借金返済や相続税の納税資金が必要など、まとまった現金が必要な場合は家賃収入では対処できませんから、売却を検討することになります。

③面倒を避けたい

賃貸経営で発生する大家さんとしての責任など、面倒なことは考えたくないという人は賃貸経営には向きません。

一切の事情から解放される売却の方がお勧めです。

④住宅ローンを一気に完済したい

賃貸でも軌道に乗れば家賃収入で少しずつローンを返していくことが可能ですが、不確実性があるので将来返済に困ることになる可能性は残ります。

売却代金でローンを完済できれば債務から解放され自由の身になれるので、こちらを優先するならば売却を優先して検討することになります。

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まとめ

本章では自分で使わなくなった不動産の利活用について、売却と賃貸のどちらが良いのか考えてみました。

単純な比較が難しいのでここでは具体的なケースを挙げつつ考察してきましたが、賃貸に出すことは様々な責任が生じるので、基本的には売却処分する方がスッキリします。

例えば転勤から戻ってくるなど、それでも賃貸を考えるべき理由がある場合に、自分に大家としての素質があるが、責任を果たせそうかを考えて、挑戦する余力があるならばチャレンジしてみても良いと思います。

チャレンジする場合でも、実利を確保できるかどうかは詳細な吟味が必要ですので、賃貸ビジネスに明るい不動産業者に相談しながら進めるようにしてください。

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