空き家は社会問題となっている!
日本中で空き家問題が深刻化する中、新潟県ではどのような対策を行っているのでしょうか?
新潟県の現在の空き家事情、新潟市の空き家に関する条例や補助金などを中心に空き家対策をご紹介していきます。
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新潟県の空き家事情は深刻化している
総務省統計局が5年ごとに行っている「住宅・土地統計調査」という調査があります(平成30年は現在調査中ですので、現在公開されている最新情報は平成25年のものとなります)。
この中で、新潟県における空き家率は13.6%という結果でした。
日本全国の空き家率が13.5%ですので、わずかながら上回っているということが分かります。
「第2回新潟県住生活マスタープラン海底検討委員会意見について」という資料において、「平成25年住宅・土地統計調査」のデータをもとに推計した結果
【平成25年時点で13.6%だった空き家率が平成55年には約38%になる】
という見込みを発表しています。単純計算で3軒に1軒は空き家となってしまうことを意味します。
空き家には
- 所有者が転勤や長期入院などで空き家になってしまっている住宅
- 相続の過程で所有者が不明になってしまい空き家になっている住宅
- 売りに出して買い手が見つからないまま空き家状態になっている住宅
- 賃貸に出して借り手が見つからないまま空き家状態になっている住宅
- 別荘など二次的利用が目的で空き家状態になっている住宅
などさまざまな形態がありますので一概には言えませんが、それでも空き家が増え続けていることに変わりはありません。
ひとたび生活者がいなくなると、住宅は短期間でも老朽化が進み、設備なども陳腐化してきます。
地震や豪雪による倒壊の恐れ、台風による屋根やその他建材の飛散、ガス漏れや漏電などに起因する火災や爆発などのリスクが高くなるほか、未成年者の喫煙、違法薬物の取引、放火、ゴミの不法投棄といった犯罪に利用されてしまう可能性も高くなります。
また、伸びきった雑草や庭木などは景観を損なうだけでなく、害獣や害虫の発生、そこからくる糞尿や死骸の悪臭といった衛生上の問題も出てきますし、庭木が道路に倒れてしまえば緊急車両の通行を妨げてしまう可能性だって出てきます。
このように放置しておいても良いことがない空き家ですが、新潟県や各市町村はどのような対策を講じているのでしょうか?
新潟市の空き家対策の例
新潟県の県庁所在地、新潟市ではどんな空き家対策が講じられているのでしょうか。
まず、あまり知られていませんが、新潟市では平成19年1月から犯罪のない安心で安全なまちづくり条例を施行していて、その中の第26条で空き家についても次のように触れています。
第26条
1市内に土地又は建物を所有し、占有し、又は管理する者は、地域における犯罪防止のため、その土地又は建物に係る安全な環境を確保し、適正な管理に努めなければならない。
2市内に空地又は空家を所有し、又は管理する者は、当該空地又は空家について、さくを設置し、出入口を施錠する等、犯罪を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
3市長は、空地又は空家の管理状態に防犯上支障があると認められるときは、その所在地を管轄する警察署長と協議のうえ、当該空地又は空家の所有者又は管理者に対し、必要な改善を行うよう指導することができる。
4市は、前項の措置を講ずるため必要があると認めるときは、その空地又は空家に立ち入り、その状況を調査し、並びにその所有者、占有者及び管理者の氏名等を調査することができる。
このほかにも、平成27年5月に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」(通称:空家等対策特別措置法または空家法)を受けて、平成28年3月に「新潟市空家等対策計画」を策定しています。
また、同じく平成28年4月には、公益財団新潟県宅地建物取引業協会、公益財団法人全日本不動産協会新潟本部、公益財団法人新潟市シルバー人材センターとともに空家等対策の推進に関する連携協定を締結しています(平成29年1月にさらに団体が追加になっています)。
そのほか、市民向けに空き家に関する情報提供パンフレットを作成し、空き家発生の抑制、活用、適正管理の促進などを積極的に行っています。
このように、新潟市ではさまざまな空き家対策を講じています。
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新潟市が行っている空き家関連の補助金
新潟市では、空き家の利活用促進のために
- 福祉活動
- 住み替え
など市が進めている施策において空き家を活用する際、リフォーム費用の一部を補助してくれるという新潟市空き家活用リフォーム推進事業を行っています。
*上記は平成29年度のものです。
福祉活動で活用する場合は、地域の茶の間(高齢者向け共同居住住宅=シェアハウスなど、共同生活援助=障害者グループホーム)などで、100万円を上限に対象となる経費の2分の1までを補助してくれます。
住み替えで活用する場合は、子育て世帯、高齢者世帯、障害者世帯が50万円を上限に対象となる経費の2分の1まで、一般世帯やマンション居住世帯が30万円を上限に同じく2分の1まで補助してくれます。
なお福祉活動、住み替えともに耐震工事を併せて行う場合は補助上限額をさらに100万円プラスされるほか、住み替えでは多世代同居、親子近居、多子世帯の場合に補助上限額が10万円プラスされます。
平成30年度の申請受付についてはまだ情報が公開されていませんので、活用を希望する方はぜひこまめにチェックしておくと良いでしょう。
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新潟県の市町村が行っている空き家バンクや補助・助成金をご紹介
新潟市をメインにご紹介してきましたが、もちろん他の市町村も積極的に空き家対策を講じています。全てではありませんが、主な空き家バンクや補助金や助成金をご紹介します。
なお、ここに掲載されている情報は平成29年度のものもあります。現時点では募集や申請期間が終了している可能性もありますので、最新情報については各自治体のホームページにてご確認ください。
長岡市
糸魚川市
燕市
空き家・空き地活用バンク
空き家解体撤去費助成金交付要綱
改修費助成
見附市
妙高市
佐渡市
新発田市
出雲崎町
空き家・空き地情報バンク
空き家再利活用支援事業補助金交付要綱
一例ですが、このように各市町村は空き家バンクや補助金・助成金などを用意しています。
補助金や助成金を活用して、今抱えている空き家をリフォームし、売却する、賃貸物件として貸し出す、地域のコミュニティーに活用するなども可能です。
空き家が雪で倒壊する前に対策を
今回は新潟県の空き家事情、新潟市の空き家対策情報を中心に、その他の市町村が行っている空き家バンクや補助金・助成金についてご紹介してきました。
新潟県は日本有数の豪雪地帯でもあります。
空き家は所有者または管理者が責任をもって適切に維持管理を行うことが求められていますが、そうした対策を講じていない空き家も多数存在していることが分かっています。
屋根雪が放置され、倒壊してしまえば近隣に危害を及ぼす恐れがあり、実際に毎年数件発生していると言われています。
損害賠償責任問題に発展する可能性もありますので、現在空き家を抱えている方はぜひ除雪をはじめ屋根雪対策を講じておきましょう。
適切に維持管理されている空き家でも、生活者がいなければ老朽化や陳腐化が短期間のうちに進んでしまう可能性が高くなります。
今後の利活用方法が定まっていない場合は、今のうちに補助金や助成金を活用したリフォームを行ったり、解体して土地を売却したりなど、何かしらの対策を練っておくことをおすすめします。
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