古民家をホテルに!?中古住宅の新しい活用方法!

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古民家ホテル

2015年10月3日、兵庫県篠山市北新町にオープンした古民家ホテル「NIPPONIA」が話題となりましたが、ほかにもたくさんの「古民家ホテル」「古民家宿」などが各地に作られ運営されています。

中古住宅の新しい活用方法として注目を浴びている古民家再生。

今回はこの古民家再生についてのお話です。

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NIPPONIAは日本初!なにが日本初!?

NIPPONIAは日本で初めて「国家戦略特区」を活用した古民家ホテルです。

詳しく知っていただくためにまずは「国家戦略特区」について解説をいたします。

「国家戦略特区」とは?

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安倍首相が打ち出したアベノミクスは3本の矢「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」から成り立っています。

国家戦略特区はこのうち第3の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」の柱と位置付けられているものです。

「特区」は「特別区域」の略で、特区に指定された地域は一律に決められている国の規制や税制などを外したり改革したりすることで、その結果どのような効果をもたらすかを試験的に試したり、あるいはその地域のニーズの妨げとなっている規制を解消したりする目的があります。

大胆な規制緩和を行うことで外国企業の誘致、新産業の創出、ひいては国際競争力の向上などにつなげる狙いがあります。

これまでも2002年の小泉首相による「構造改革特区」や、2011年の菅首相による「総合特区」などがありましたが、これらと異なる点は「国が主導となっているかどうか」というところです。

これまでの特区は自治体や企業などが国に提案し、採用であれば認定を出すという形が取られて来ました。

様々なアイデアから新しい試みがいくつも生まれましたが、いずれも経済面での影響は大きいものではありませんでした。

一方、今回の国家戦略特区は国が戦略的にその特区の方針を決定し、自治体や民間企業などが出席する特区会議を通じて産業の活性化、企業の誘致、新産業の創出、医療の拠点作りなどを進めていくものです。

  • 国家戦略特区に指定されている地域

東京圏(東京都・神奈川県の全域または一部および千葉県千葉市・成田市)、関西圏(京都府・大阪府・兵庫県の全域または一部)、沖縄県、新潟県新潟市、兵庫県養父市、福岡県福岡市・北九州市、秋田県仙北市、宮城県仙台市、愛知県、広島県、愛媛県今治市などがあります。

少し前置きが長くなってしまいましたが、NIPPONIAはこのうち関西圏に含まれる兵庫県篠山市北新町にあります。

ちなみに、関西圏の特区方針については『医療等イノベーション拠点』および『チャレンジ人材支援』とされています。

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古民家ホテル「NIPPONIA」を運営するのは一般社団法人ノオト

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少子高齢化に伴い、急速に過疎化が進んでいる地方の田舎では空き家問題も深刻化しており、空き家の利活用について早くから取り組んでいました。

ところが、例えば空き家を5室以上の宿泊施設として提供しようとすると「24時間待機しているフロント」の設置が義務付けられていました。

そのため年配の方が運営している宿などでは人件費、スタッフ等がまかなえず、思うように空き家の利活用が進まないという状況が続いていたのです。

そこで一般社団法人ノオトが関西圏の特区事業者として「歴史的建築物等に関する旅館業法の特例」を活用し、これらの地域において旅館や民宿などを運営する際に「フロント設置義務」の規制が緩和される運びとなったのです。

一般社団法人ノオト

古民家ホテルNIPPONIA

詳しくは上記のホームページを参照していただきたいのですが、NIPPONIAは篠山城の城下町全体を「ひとつのホテル」と見立てて古民家4棟を宿泊施設や飲食店などに改装した施設とのことです。

中には100年を超える古民家もあり、歴史的に見ても非常に価値の高い建築物が中心となっています。

古民家の再生に貢献できるほか、地域の雇用の創出、観光客や宿泊客などによる地域経済の活性化など様々な面でプラスをもたらしてくれます。

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古民家・中古住宅の利活用には民間資本が必要不可欠

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日本には現在、歴史的建築物がおよそ149万棟もあると言われていますが、実際に自治体などによって適切に管理・保存されているのはたったの1万5,000棟に過ぎないと言われています。

実に147万5,000棟が実質「空き家」状態となっている訳です。

もちろんその全てを利活用せずとも、きちんと管理・保存されていればそのまま残しておいた方が良いというものも少なくありません。

しかしそうでない建築物に関しては、民間の資本による投資は最も理にかなった再生方法の一つであると言えます。

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古民家ホテルをご紹介!

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古民家を利活用した宿泊施設は全国にたくさんあります。そのいくつかをご紹介します。

里山十帖

2014年5月に新潟県南魚沼市の大沢山温泉にオープンした、築150年の古民家を再生してできた宿泊施設です。

湯どの庵

山形県鶴岡市にある古民家をリノベーションしてできた宿泊施設です。

真里

香川県小豆島にオープンした古民家(古民宿)を改装してできた宿泊施設です。

小値賀島古民家ステイ

長崎県北松浦郡にある、東洋文化研究者アレックス・カー氏プロデュースによる宿泊施設です。

しへえどん

千葉県富津市にある築150年と言われている古民家を改装してできたゲストハウスです。

EN(えん)

400年の歴史を持つ旧木村酒造場ENは兵庫県朝来市にある宿泊施設です。

先ほどご紹介した一般社団法人ノオトが運営しています。

あなごのねどこ

広島県尾道市にあるゲストハウスで「尾道空き家再生プロジェクト」対象物件の一つです。

ほんの一例ですが、まだまだたくさんの古民家ホテルやゲストハウスが存在しています。興味を持たれた方はぜひ、利用してみてはいかがでしょうか?

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古民家はこれから注目を浴びる

樹齢100年のヒノキを例にとってみると、伐採されてから100年後に最も強度が高くなり、その強度は200年~300年は変わらないとする研究結果も報告されています。

その後も強度は維持され、落ちるまでには実に800年~1200年という途方もない年月を要します。

昔の方々が残した、そんなにも素晴らしい建築物が日本中のいたるところにあるのですから、私たちもその価値を再認識し、機会があればぜひ古民家ホテルなども利用してみたいものですね。

これから、どんな古民家や中古住宅の活用方法が出て来るのかも楽しみです。

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ABOUTこの記事をかいた人

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士