田舎に空き家があるけれど、用途もなく処分に困っているという人は少なくないでしょう。
そこで早めに処分するために、空き家を解体することをおすすめします。その理由と空き家の解体に伴う注意点をご紹介します。
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田舎の空き家の問題点
田舎に空き家を持っている方は、おそらく実家の相続などで保有することになったのではないかと思います。そして使用する予定もないことから、そのまま放置という方も少なくないでしょう。そうなると、田舎の空き家にはいろんな問題が発生します。
田舎の空き家はメンテナンスに手間がかかる
田舎の空き家ということは、基本的にそう何度も足を運ぶことはないでしょう。そうなると、メンテナンスにはなかなか手が回らないと思います。
空き家は居住している住まいよりもまめにメンテナンスしなければならないことをご存知でしょうか。
というのは、窓の開け閉めもしないため、室内に湿気がこもるからです。湿気がこもると、カビが発生します。一度カビが発生すると、なかなか除去できません。やがて、柱など家屋の躯体にも影響を及ぼします。
さらに掃除をしないことで埃などが積もり、さらにカビが増殖する原因になります。また屋根や外壁のメンテナンスも重要です。風雨にさらされて雨水が入り込むようになると、さらに躯体は朽ちていきます。
そのため空き家は定期的にメンテナンスをしなければなりません。しかし田舎の空き家となると、そうもいかないでしょう。まめに足を運ぶことがないからです。
田舎の空き家は売却が難しい
メンテナンスがなかなかできないならば、売却すればよいのでは、と思うことでしょう。しかし、田舎の空き家はそう簡単には売却できないものです。
都市部の空き家であれば、賃貸に出したりシェアハウスとして活用したりするなど、その用途はいろいろと考えられます。
しかし、田舎となるとそもそも住宅の需要が少ないものです。カフェや飲食店などに利用するにしても、どれほどの集客ができるのかわかりません。
そのため、田舎の空き家は利活用の用途が限定されるため、売却するにしても買い手探しが難しくなります。買い手がつかずに月日が流れると、さらに老朽化がすすみます。そうなるとますます、売却は難しくなるでしょう。
放置を続けると「特定空き家」に指定されることも
「特定空き家」というものをご存知でしょうか。これは倒壊の危険性があったり、衛生面で周辺に影響を及ぼしたりする空き家のことです。
全国的に空き家の数が増加し、そしてその空き家が放置されることでさまざまな問題が発生しています。それを少しでも防ごうと、自治体は空き家のオーナーを特定して適切な管理をするように指導しています。
それでも放置される空き家は、「特定空き家」と指定され罰則などが発生します。たとえば住宅に適用されている固定資産税の減免措置は解除され、土地分の固定資産税は最大で6倍にも増えます。
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田舎の空き家は解体するのがおすすめ
田舎の空き家はそのままでは売却は難しいでしょう。そこで、家屋を解体してから処分することがおすすめです。
空き家を解体する理由は「そのままでは売却が難しいから」
空き家は家屋を残してそのまま売却するのがベストです。一番手間がかかりませんし、築年数がそれほど古くなければ家屋にも査定額がつくことがあります。
しかし、田舎で空き家を売却するとなると、需要がほとんどないという問題があります。運良く移住を考えている人がいて、なおかつ家屋は多少修繕すれば使える状態であれば買い手がつくかもしれません。
そのようなケースはおそらく稀だと思います。また空き家として放置した期間が長くなるほど、家屋の劣化が進みます。つまり、修繕すべき箇所が増えるということです。
そのような空き家をわざわざ購入する人は少ないでしょう。
解体するとどんな需要が生まれるのか
それでは、田舎の空き家を解体して売却すると、買主はどのような用途で活用できるのでしょうか。
まず家を新築して自分で住むという方法があります。移住を考えている人が、自然素材を使った家を建てるといったケースが考えられるでしょう。
移住を考える人は、豊かな自然のなかで子育てをしたい、あるいはハウスシック症候群から解放されたいといった目的を持つことが多いようです。そこで土地を購入して目的に合った家を建てることになるでしょう。
あるいは企業がリモートワークの拠点として、田舎にオフィスを兼ねた建物を建てるというケースも考えられます。シェアハウスのようにすれば、社員がそこで生活し、そして仕事もできるようになります。
田舎の空き家を解体して更地として売却すれば、そのような需要を取り込むことが可能です。
解体の負担をかけずに済む
しかし、空き家をそのまま売却して買主に解体してもらえばよいのではないかという意見も出てきそうです。
売却金額からあらかじめ解体費用を差し引いておけば、金額面では買主の負担は変わりません。しかし実家を相続したような空き家は、遺品など多くの残留物がある可能性があります。
そしてその残留物は、解体に伴い発生する廃材とは別に処分しなければなりません。その手間がかかるので、解体費用はかなりかかります。その分、売却費用から大きく減額することになるので買主に解体をさせるのはおすすめできません。
田舎の空き家は残留物は自分で処分して、解体してから売却するのがおすすめです。
田舎の空き家を解体する際の注意点
田舎の空き家を早期に処分するためには、家屋を解体するのがおすすめです。ただし、空き家の解体には注意点もあるので、いくつかご紹介します。
残留物は先に処分しておくこと
先に少し説明しましたが、空き家の解体に伴い発生する廃棄物と家屋に残された家財道具などの残留物は一緒に処分することはできません。
もし残留物をそのままにして解体すると、業者は廃棄物と残留物を分別しなければならないため、費用がかさみます。そのため、空き家は解体する前に自分で残留物を処分することが大事です。
そうは言ってもなかなか田舎に足を運ぶことが難しいという方もいるでしょう。少なくとも、残しておきたいものだけは分別しておいて、残りは業者に処分してもらうようにしましょう。
共有名義の空き家を解体する場合は注意を
田舎の実家を複数の相続人が相続した場合、その空き家は相続人が共有することになります。その場合には、家屋を解体するためには共有者全員の同意を得なければなりません。
共有者のひとりが勝手に解体してしまうと、ほかの共有者から損害賠償を請求されることがあります。
ただし空き家がすでに倒壊する危険性がある場合には、家屋の解体は「保存行為」とみなされるので、共有者のひとりの判断で行っても問題はありません。
解体費用はローンを組むことができる
田舎の空き家を解体しようと、業者に見積もりを出してもらったところ意外にも大きな金額になり驚くこともあるでしょう。解体費用は現金で支払うのが一般的なので、手持ちがなければ解体はできないと思うかもしれません。
実は銀行などの金融機関は、空き家の解体に伴う費用をローンで貸し出しています。これは空き家対策のひとつですが、金利が3%前後ほどで融資を受けられます。
ローンの返済は更地を売却して得たお金を使って全額繰り上げ返済すれば問題はないでしょう。
まとめ
田舎の空き家はできる限り早めに処分することが大切です。
そのためには、買い手がつきやすいように家屋を解体するのがよいでしょう。ただし空き家の解体には注意点もあるので、事前に把握しておくことが必要です。
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