移転や閉店、増改築などで店舗の内装を解体することがあります。
店舗の内装の解体業者探しに悩んでいる経営者もいるのではないでしょうか?
店舗の内装解体には、慎重さが求められる工事や、高い技術・経験が求められる工事、特殊な作業が必要な工事なども少なくありません。
この記事では、神奈川県で店舗の内装解体業者を探す方法や探す際の注意点、内装解体費用の相場などを紹介するとともに、内装解体で起こりがちなトラブルとその回避法を紹介しています。
神奈川県で店舗の内装解体の予定がある人はぜひ、参考にしてください。
【こちらの関連記事もご覧ください】
神奈川県の店舗の内装解体費用の相場は?具体例を挙げて紹介!
店舗の内装解体を考えたとき、最も気になるのが解体費用ではないでしょうか?
安すぎるのも不安ですが、高すぎるのも困ります。
しかし、見積もりに書かれた費用が適正かどうかは、なかなか判断がつきにくいものです。
そこでまずは、神奈川県では、店舗の内装解体費用の相場がどれくらいなのかを、具体例を挙げて見ていきます。
いろいろな店舗の内装解体費用の例
神奈川県川崎市
飲食店33坪 59.6万円(18,060円/坪)
神奈川県藤沢市
衣料品店24坪 55.3万円(23,042円/坪)
神奈川県横浜市
飲食店18坪 66万円(36,667円/坪)
神奈川県横浜市
クリニック35坪 182万円(52,000円/坪)
神奈川県厚木市
飲食店15坪 62.4万円(41,600円/坪)
神奈川県横浜市
ドラッグストア40坪 59.7万円(14,925円/坪)
上記はごく一例です。
一般的に、延べ床面積が小さくなると坪単価が高くなる傾向にありますが、店舗の内装解体においては、どちらかというと業態が大きく影響しているように思われます。
例えば、33坪の飲食店は坪単価18,060円なのに対し、35坪のクリニックは坪単価52,000円と、坪数以上に解体費用に大きな差が出ています。
このように、店舗の解体費用は、延べ床面積や業態、スケルトン解体か原状回復かといった条件によっても、大きく異なることが分かります。
※スケルトン解体とは、
天井、屋根、壁、床といったように、建物の構造体のみを残す解体を言います。
一方、原状回復は、入居する前の状態に戻すことを言うのが一般的です。
原状回復は、原状復帰や原状復旧などと言われることもあります。
費用はスケルトン解体の方が安くなることが多いようです。
店舗の内装解体費用の目安
神奈川県における店舗の内装解体費用は、延べ床面積のほか、業態やその他の条件によって大きく変わるものの、ある程度の目安は知っておきたいところです。
飲食店やショップといった店舗では、坪あたり13,000円〜45,000円程度が相場と言われています。
しかし、美容室、クリニックといったさまざまな設備がある店舗では、坪単価がそれ以上〜100,000円近くになってしまうケースも、中にはあるようです。
また、他のテナントが入っていて、かつ隣接するテナントとの距離が近い、多くの人が出入りするため警備員を配置しなければならない、アスベスト含有建材を解体しなければならない、夜間に工事を行わなければならない、工期が短いなど、さまざまな条件によっても、解体費用が大きく変わってきます。
正確な解体費用を知るためには、解体業者に現地調査を依頼し、見積もりを出してもらうことになります。
神奈川県で店舗の内装解体業者を探す方法
店舗の内装解体を経験している経営者の方なら、すでに顔なじみの解体業者がいるでしょう。
ですが、初めての場合、探し方や選び方で迷ってしまうかもしれません。
解体業者を探すだけなら、インターネットを使えば簡単に検索することができます。
店舗が入っているビルのオーナーに相談すれば、紹介してくれるかもしれません。
ここで大切になってくるのは「その業者は安心して内装解体を依頼できる業者かどうか」という点です。
神奈川県で店舗の内装解体業者を探すとき、信頼できる業者かどうかを見分けるポイントを解説します。
信頼できる業者かどうか見分けるには?
自分が探した解体業者が信頼できる業者かどうかを見分けるには、次のポイントを押さえておくと良いでしょう。
「解体工事業登録」または「建設業許可」を受けている
解体工事を請け負うには、神奈川県知事への「解体工事業登録」、あるいは、神奈川県知事または国土交通大臣の「建設業許可」が必要です。
ほとんどの解体業者は登録か許可を持っており、健全に経営しています。
しかし、中には無登録・無許可の業者がいるかもしれません。
滅多に遭遇するものではありませんが、万が一のことを考え、施主としても最低限の知識として押さえておきましょう。
解体工事業登録と建設業許可
500万円未満の解体工事を請け負う際に必要なのが、解体工事業登録です。
神奈川県に本社や営業所があり、神奈川県の管轄内で解体工事を施工する際は神奈川県知事に登録を申請します。他の都道府県で解体工事を施工する場合は、それぞれの都道府県知事に登録する必要があります。
建設業許可は、500万円を超える解体工事も請け負うことができます。神奈川県に本社や営業所があり、神奈川県の管轄内で解体工事を施工する場合は、神奈川県知事に許可を申請します。
複数の都道府県に営業所があり、それぞれの地域で解体工事を施工する場合は、国土交通大臣に許可を申請します。
解体業者のホームページに
- 解体工事業登録 神奈川県知事(登●)第●●号
- 建設業許可 国土交通大臣許可(般-●●)第●●号
このような記載があれば、解体工事業登録または建設業許可いずれかを持っているということです。
しかし、掲載は義務ではないため、稀に登録や許可を持っていても掲載していないケースがあります。
その場合は次の方法で確認できます。
■解体工事業登録
■建設業許可
国土交通省ホームページ「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」
実績や施工事例、担当者の対応もチェック
次に、解体業者の実績や施工事例、担当者の対応なども見ておきたいところです。
長年、経営実績がある解体業者はそれだけ消費者からの依頼も多く、また業界内でも信頼がある業者と言えるでしょう。
地域密着で経営している業者などはとくに、ひとたび悪い噂がたてば経営が難しくなりますので、トラブルや不正を働くことは考えにくいものです。
経営実績があるだけで、信頼できる解体業者と判断して良いでしょう。
しかし、たとえ経営実績があっても、店舗の内装解体の経験がない、または少ない業者では、少し不安になるかもしれません。
そんなときは、解体業者のホームページに施工事例が掲載されているかどうか、確認してみましょう。
その解体業者が行ってきたすべての事例が載っている訳ではありませんが、店舗の内装解体の事例が含まれていれば、経験があることが分かります。
また、写真付きで掲載されていたり、工事日数やおおよその費用などが載っていたりすることも多いため、もしかすると参考になる施工事例があるかもしれません。
店舗の内装解体工事に限らず、建設全般に関わる工事につきものなのが、トラブルです。
店舗で言えば両隣や上下階のテナント、各テナントに出入りする顧客や従業員、さらにビルであればビルの顧客や顧客、クライアントなどさまざまな人が出入りします。
騒音、粉塵、振動、その他何かしらの原因でトラブルになってしまう可能性は、一般的な戸建て住宅の解体工事よりも大きいと言えるでしょう。
そのとき、トラブルによって双方に生じる損害を最小限に抑えるには、担当者(または現場責任者)といった人の迅速で誠実な対応が重要になってきます。
問い合わせたり、現地調査や打ち合わせで顔を合わせたりしたとき、担当者がどんな対応をしているか、トラブルの際にはどんな対応をしてくれるか、といったことも確認しておくと良いでしょう。
見積書の内容もしっかり確認する
現地調査を経て見積書を取り寄せたら、細かい部分まで目を通しておきましょう。
工事金額だけ確認して、予算内だからOKで済ませてしまうと、あとになってトラブルに発展するかもしれません。
「依頼した工事内容がすべて含まれているか」
「頼んでいない工事内容が含まれていないか」
「それぞれの工事にいくらかかるかが明確か」
「不明な項目や疑問に感じる金額はないか」
「希望した工期になっているか」
など、チェックポイントはたくさんあります。
不明点や疑問点はすぐに確認し、解消しておくことが大切です。
過去にトラブルを起こしていないかも併せてチェック
ここまでを踏まえて解体業者を絞り込んで行けば、信頼できる解体業者に出会える可能性はぐっと高くなります。
より慎重に選びたいという人は、国土交通省の
「建設業者の不正行為等に関する情報交換コラボレーションシステム」
を活用してみましょう。
上記のシステムでは、過去に不正やトラブルを起こして処分を受けた業者を確認することができます(処分を受けた日から5年間のみとなります)。
【こちらの関連記事もご覧ください】
神奈川県で店舗の内装解体業者を探す際の注意点
ここまで、神奈川県の店舗の内装解体費用と、解体業者を探す際のポイントを解説してきました。
次は、神奈川県で解体業者を探す際の注意点です。
探す際のポイントと併せて押さえておくことをおすすめします。
無登録・無許可の業者は絶対にNG
解体工事を請け負うには、「解体工事業登録」「建設業許可」いずれかが必要になります。
間違っても、無登録や無許可の業者に依頼することはやめましょう。
また、もしかすると何らかの処分を受けている最中の業者かもしれません。
その場合は、国土交通省のシステムを活用して確認してみましょう。
なお、建設業許可は「土木一式工事」「建築一式工事」ほか、27の専門工事の合計29種類に分類されています。
平成28年5月31日までは、「土木工事業」「建築工事業」「とび・土工工事業」といった建設業許可があれば、解体工事を請け負うことが可能でした。
しかし、平成28年6月1日に「解体工事業」の建設業許可が新設されました。
それ以降、500万円を超える解体工事を請け負うには「解体工事業」の許可が必要となっています。
ただし経過措置として、平成28年6月1日以前に「とび・土工工事業」の許可を受けている業者は、平成31年5月31日までは解体工事を請け負うことができます。
より慎重に探したい人は、解体業者が許可を取得した日と許可の種類なども確認しておくと安心です。
また、前述のように工事金額500万円を超える場合は解体工事業登録では請け負えません。
見積もり金額が500万円を超えていたら、建設業許可の有無を確認しておきましょう。
安すぎる業者は慎重に
解体工事を依頼しようとする業者が
「相場と比べて極端に安い見積もり金額を提示してくる」
「他社の見積もりを聞いてそれよりも大幅に値下げしてくる」
といった業者だった場合、契約するかどうかは慎重に判断しましょう。
安くした分、どこかで利益を確保しなければならない訳ですが、その手段として産業廃棄物の不法投棄など、不適正処理を働く恐れがあるためです。
不法投棄は大きな社会問題ですが、解体工事を依頼する施主も他人事ではありません。
不法投棄を行った場合はもちろん、未遂のケースでも、それを行った業者だけでなく、処分を依頼した施主も罰せられる可能性があるためです。
現場から処理場へ運ぶには「産業廃棄物収集運搬業許可」が、施設で処理・処分するには「産業廃棄物処理業許可」が必要になります。
解体業者がこうした許可を持っている場合、産業廃棄物の行方に透明性がありますので、安心して任せることができます。
しかし、こうした許可を持っていない場合、それぞれの許可を持っている別の専門会社に委託することになります。
すると、産業廃棄物の行方が一気に不透明になります。
ただし、別の専門会社に依頼する場合、産業廃棄物の排出業者(このケースでは解体業者)は、「マニフェスト」と呼ばれる産業廃棄物管理票を発行することが義務付けられています。
マニフェストは、産業廃棄物がどの業者によって運ばれ、処理されたかが記載されているもので、5年間保管することになっています。
あとからトラブルが生じても証拠として残しておくことができます。
打ち合わせの際などに、マニフェストを発行してもらえるか、写しをもらえるかといったことを確認しておくと安心です。
見積もりは必ずチェック
見積もりは、工事金額のほか、依頼した工事が含まれているか(余計な工事はないか)、それぞれの工事の金額が明確か、工期は問題ないか、不明な項目や疑問に感じる金額はないかなどを忘れずに確認しましょう。
特に注意が必要なのが、曖昧な見積もりです。極端ですが「店舗内装解体工事一式100万円」といった大ざっぱな見積もりの場合、依頼していたはずの工事が含まれておらず、あとから別料金を請求されたり、何かと理由をつけられて追加費用を請求されたりすることも考えられます。
解体工事の着工前(正式な契約前)に、不明点や疑問点はすべて解消しておくことが大切です。
一括見積もりサイトやマッチングサイトのリスク
忙しくて解体業者をじっくり探す時間がない、どの業者にすればよいか分からない、といった経営者の方には、一括見積もりサイトやマチングサイトは大変便利なサービスです。
簡単な情報を入力するだけで希望に近い解体業者を探せるためです。
ですが、そうした業者が信頼できる業者かどうかは分かりません。
また、ネットではいくら詳しい情報を入力しても正確な見積もりは出せませんので、結局は解体業者とやり取りして現地調査を依頼し、見積もりを出してもらうことになります。
また、工務店やハウスメーカーなどに解体業者を紹介してもらうときと同様に、仲介サービスを挟むと、中間マージンが発生します。
このケースでは、解体業者がサービスを運営している会社に支払うのが一般的ですが、その分を解体工事費用に上乗せされていても見抜くことはできません。
こうしたリスクがあることを知っておくことも大切です。
いずれにせよ、最終的に解体工事を施工するのは解体業者です。
初めから解体業者に直接、依頼する方が意思疎通の面でも費用を抑える面でもおすすめです。
内装の解体工事で起こりうるトラブルと回避方法
内装の解体工事は、施主と解体業者だけでなく、そのビルのオーナーも関わってきます。
オーナーの希望が解体業者に正確に伝わらないことでトラブルに発展することもあります。
工事範囲の再確認
極端な例ですが、例えばオーナーは、キッチンやトイレといった設備は残してほしいと要望したとしても、それが解体業者に正確に伝わらず、スケルトン解体になってしまったとなれば復旧工事が必要になり、工期が延びたり、費用が膨れ上がったりします。
オーナーと施主の間で意思疎通が図れても、さらに解体業者が加わることで正確に伝わらなくなってしまう可能性があります。
施主と解体業者(担当者や現場責任者)との意思疎通も重要です。
工事範囲を決める際は、オーナー、解体業者を交えた3者で行い、決定事項は記録として残しておきましょう。
処分するもの、しないものの再確認
工事範囲と同様に、処分するものとしないもの、壊すものと残しておくものなどを取り決める際は3者間でおこない、決定事項を書面などに残しておくと安心です。
飲食店であれば業務用冷蔵庫や冷凍庫、オフィス兼店舗であれば什器やパーティション、蛍光灯、デスクなどの設備や備品などが考えられます。
入居してから経営者の方が自分で購入したものなどもどうするか、事前に決めておきましょう。
工期の再確認
店舗の場合、退去日までに内装解体工事を終わらせておくのが一般的です。
万が一工期が延びてしまうと、次の入居者の募集に影響したり、次の入居者がすでに決まっている場合は入居が遅れてオーナーに損害が発生したりしてしまいます。
前述の工事範囲や処分するもの、しないものなどでトラブルが生じ、工期が延びてしまうことも考えらえます。
工期には余裕を持っておくことが大切です。そのためにも、1ヶ月〜2ヶ月前には解体業者を選定し、打ち合わせを進めておきたいところです。
併せて、最終的な工期はいつまでかを、オーナーに確認しておきましょう。
まとめ
神奈川県で店舗の内装解体業者を探す際のポイントは
- 解体工事業登録または建設業許可を持っている
- 経営実績や店舗の内装解体の施工経験がある
- 担当者の対応が良く、意思疎通も図れる
- 見積書がしっかりしている
- 適正な見積もり金額を出してくれる
といった点に着目すると良いでしょう。
また、トラブルを防ぐためにも、オーナーと解体業者を交えて3者間で打ち合わせをすることが大切です。
もし3者が揃うのが難しい場合は、書面に残しておくなどし、トラブルを防ぎましょう。
なお、内装の解体費用は業態やその他の条件によって大きく異なります。
この記事で紹介している費用はあくまで参考程度にとどめ、正確な見積もりは解体業者に現地調査を依頼して見積もりを出してもらいましょう。
その際、1社ではなく2社程度から相見積もりを取ることが大切です。
金額の比較はもちろん、担当者の対応なども比較することができます。
後悔しない店舗の内装解体工事のためにも、ぜひ安心して依頼できる解体業者を見つけてください。
【こちらの関連記事もご覧ください】