建物の解体の必要に迫られたとき、どうやって解体業者を探せば良いのでしょうか?
また、たとえ見つかったとしても、その解体業者が優良かどうかはどこで判断すれば良いのでしょうか?
本記事では、千葉県で解体業者を探す方法や、優良かどうかを判断するためのポイント、解体工事を依頼する際にぜひ知っておきたい基礎知識などを解説しています。
いざというときのための保存版として、ぜひお役立てください。
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千葉県で優良な解体業者を探す方法や選ぶ基準とは?
ネットで「千葉県 解体業者」と検索すれば、あっという間に多数の解体業者が表示されます。
そういった意味で“探す”ことは簡単ですが、優良な業者かどうかまでは分かりません。
まずは、千葉県で解体業者を探す方法と併せて、優良な業者かどうかを見極める判断基準をご紹介します。
千葉県で解体業者を探す方法
千葉県で解体業者を探す前に押さえておきたい最低限のポイントがあります。
「解体工事業登録」を済ませている、または「建設業許可」を得ている業者の中から絞り込んでいく、ということです。
「解体工事業登録」「建設業許可」について簡単に解説します。
すでに知っている方は飛ばしてください。
解体工事業登録
請負金額500万円未満の解体工事を施工するには、解体工事業登録が必要になります。
解体工事を施工するエリアを管轄する都道府県知事に申請します。
最低限、この登録が済んでいなければ、解体工事を施工できません。
なお、千葉県内に営業所があり、解体工事を施工するエリアも千葉県の場合は千葉県知事に申請すれば良いのですが、県外に営業所がある業者が千葉県内で解体工事を施工する場合は、千葉県知事にも登録を申請する必要があります。
建設業許可
請負金額500万円以上の解体工事または、1,500万円を超える建築一式工事に該当する解体工事を含む建設工事を施工する際に必要になる許可です。
これまでは、「土木工事業」「建築工事業」「とび・土工工事業」の許可があれば解体工事を施工できましたが、現在は「解体工事業」が創設されており、その許可が必要になります。
ただし、平成28年6月1日の時点で「とび・土工工事業」の許可を受けている解体業者であれば、平成31年5月31日までは「解体工事業」許可がなくても解体工事を請け負うことができます。
なお、解体工事を施工するために必要な「建設業許可」を受けている場合、「解体工事業登録」は不要となります(登録済みの業者は登録を抹消する手続きをとります)。
千葉県にのみ営業所を設ける場合は千葉県知事の許可で済みますが、複数の都道府県にまたがる場合は国土交通大臣の許可が必要になります。
千葉県で解体業者を探す際はこの「解体工事業登録」を済ませている、または「建設業許可」を取得している、という業者で探します。
解体業者のホームページにある会社概要などのページに掲載されているはずですので、チェックしておきましょう。
あるいはこちらからも確認できます。
優良な解体業者かどうかを判断するポイントは?
「解体工事業登録」「建設業許可」を持っていることは確認できたからといって、優良な解体業者とは限りません。
たとえば過去にトラブルを起こしたり不正を働いたりした業者は、登録や許可を停止されたり、解除されたりしています。
そこで、解体工事に詳しくなくても優良な業者かどうか見極めるためのちょっとしたポイントをご紹介します。
実績や施工事例の豊富さ
地域密着で長年経営している解体業者であれば、それだけでかなり信頼がおける優良業者と言って良いでしょう。
トラブルや不正の噂などが伝われば、あっという間に発注がなくなり、経営を続けていけなくなるためです。
併せて施工事例が多いというのも、それだけ経験が豊富であり、さまざまな顧客から依頼が来ている証拠です。
実績と施工事例、この2つは業者のホームページを見ればある程度知ることができますので、チェックしてみましょう。
担当者の対応
次に、電話やメールで問い合わせたり、見積もりのために実際に現地調査に来てもらったりした際の、担当者の対応をチェックしておきましょう。
人は見た目ではありませんが、やはり“印象”は非常に大切です。この場合の印象とは、施主に対してももちろんですが、特に近隣住民への印象のことです。
解体工事は近隣に騒音・振動・粉塵といった迷惑を与えてしまいます。
ゼロにはできませんので、仕方のないことです。お互い様、という部分があります。
しかし
- 担当者がぶっきらぼうで事前に詳しい説明もなく、突然大きな音や振動が発生した場合
- 担当者が丁寧な人で事前の説明も十分にされており、説明通りに音や振動が生じる工事が始まった
この場合、明らかに前者の方が、印象が悪くなります。
これは、その後のご近所づきあいにも影響を与えかねませんし、最悪の場合訴訟問題にまで発展するかもしれません。
飛散した廃棄物が隣の家の窓ガラスを割ってしまった、というトラブルも想定されます。
担当者が事前にしっかり説明をしてくれるか、近隣への印象を良くしてくれるか、トラブルの際に迅速に対応してくれるか、といったことは重要です。
問い合わせた際、現地調査の際などに担当者がどんな人か見ておきましょう
。併せて、トラブルの際にどういった対応をしてくれるのかも確認しておくと良いでしょう。
その他、優良かどうかを判断するには?
もし、近所の人や親戚などが解体工事をしたことがあり、その業者が良かったとう情報があるなら、見積もりを依頼してみても良いかもしれません。まったく繋がりがないケースよりは、信頼性が高いと言えるでしょう。
また、千葉県内の解体工事業を営む業者で構成された「千葉県解体工事業協同組合」という団体があります。
この組合員の中から選ぶのも、優良業者を上手に見つけるひとつの方法として覚えておくと良いかもしれません。
解体工事を依頼する際にぜひ知っておきたい基礎知識
解体工事は、すべてを業者に任せてしまっても良いのですが、それでは不安な部分もあると思います。
そこで、続いては解体工事を依頼する際に、施主側がぜひ知っておきたい基礎知識をご紹介します。
依頼者側が最低限知っておきたいこと
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各種届出がある
解体工事着工前、完了後にはいくつかの届出や許可が必要になります。
その中で着工前に施主が関わってくるのが、「建設リサイクル法」に基づいた届出です。
延べ床面積80平米以上の建築物を解体する場合、着工日7日前までに千葉県知事に届け出なければなりません。
これを怠ると解体工事が施工できず、工期が伸びて費用が膨らんでしまうことになります。
場合によっては解体工事そのものが中止になってしまうかもしれません。
基本的に、解体業者が施主に代わって届け出てくれますが、その場合でも施主の委任状が必要なこと、そもそも必ず業者側が代行してくれるわけではないことは覚えておきましょう。
工事を依頼する前に「建設リサイクル法に基づく届出は代行してもらえるのか」を確認しておくと安心です。
建設リサイクル法に基づく届出について詳しくは、国土交通省の「建設リサイクル法第10条の届出について」という資料に掲載されています(pdfファイルが開きます)。
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解体工事費用は条件や環境によって大きく異なる
解体工事費用は、条件や現場の環境などによって大きく変わってきます。
たとえば同じ木造2階建ての住宅であっても、一方は重機で解体できる、一方は重機が入れず作業員が手で壊す作業が中心になるという場合、後者の方が費用は高くなります。
また、住宅以外に庭木や庭石の撤去、カーポートや物置の撤去、浄化槽の撤去など付帯工事が必要な場合も、その分費用が高くなります。
たとえ同じような構造物、延べ床面積の建物の解体であっても、条件や現場の環境によって費用に大きな差が出ることも覚えておきましょう。
各市町村の補助金や助成金制度を活用しよう
千葉県の市町村の中には、解体工事利用できる補助金や助成金制度を設けているところがあります。
ただし、補助金や助成金の交付を受けるための要件や上限金額、交付の対象となる工事内容などは市町村ごとに異なります。
たとえば、解体工事業者を決める前でなければならない、市町村税などに未納があってはならない、といったように細かく規定されています。
「あてにしていたら受けられなかった」ということのないよう、事前にしっかり確認しておく必要があります。
なお、千葉県の市町村が行っている解体工事に利用できる補助金・助成金制度については、こちらの記事でもご紹介しています。
「千葉県内の解体費用と解体補助金制度をご紹介」
記事内では、千葉県の解体費用の相場も掲載していますので、併せてぜひ参考にしてみてください。
解体工事完了後に必要な届出もある
解体工事完了後はひと息つきたいところですが、忘れる前にしておかなければならない重要な届出があります。
それが建物滅失登記です。
解体工事が完了してから1ヶ月以内に、その土地に建物が存在しなくなったことを法務局に出向いて登記しなければなりません。
これを怠ると、10万円以下の過料が科せられることがありますので、うっかり忘れないうちに済ませておきましょう。
特に難しい手続きではありませんし、法務局に行けば教えてもらえますが、忙しくて時間がない人や面倒な人は、4万円程度の手数料で土地家屋調査士に委託することが可能です。
なお、法務局にて建物滅失登記を行えば、基本的には役所に通知され、翌年の固定資産税から変更になります。
しかし、中には別途提出が必要な役所もあります。
念のため、法務局で登記を済ませると同時に役所にも提出書類等が必要か確認しておきましょう。
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千葉県で解体工事を探す際に注意したいポイントは?
最後に、千葉県で解体工事を探す際に注意したいポイントをまとめています。
優良な解体業者を探すポイントとセットで覚えておきましょう。
無許可業者への依頼は絶対NG
そもそも「解体工事業登録」を済ませていない、あるいは「建設業許可」を受けていない業者に依頼することは避けましょう。
解体工事費用は安ければ良いというものではない
安く済ませたいと思うのは誰もが同じです。
しかし、解体工事にはある程度の費用はどうしてもかかってしまいます。
特に注意したいのが、廃棄物の不法投棄や不適正処理です。
解体工事費用を安くする分、どこかにしわ寄せがきます。
利益を確保するためには、工程のどこかでいわゆる“手抜き”をするしかありません。
たとえば
- 廃棄物を地中に埋めてしまう
- 廃棄物を不法投棄してしまう
といったことが考えられます。
もし解体後の土地を売却しようと考えているなら、前者は大きな問題になってしまいます。
その土地を購入した人が家を建てるときに地中から大量の廃棄物が見つかった場合、その撤去費用を負担するだけで済めばまだ良い方です。
場合によっては売買契約の解除に繋がることもあります。
最悪の場合、訴訟問題に発展してしまうかもしれません。
また、廃棄物の不法投棄はそれを行った業者のみならず、施主も罰則の対象になるおそれがあります。
不法投棄の罰則は5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはその併科(法人の場合は3億円以下の罰金)
といったように厳しく規定されています。適正に処理するためにはある程度の費用がかかることを、覚えておきましょう。
見積りが雑、または極端な値下げをしてくる業者も注意
見積もりがざっくりしていてなににいくらかかるのか分からない、あるいは、その見積もりの中になにが含まれているのか分からない場合、廃棄物の不適正処理に繋がったり、あとから高額な追加費用を請求されたりするかもしれません。
なににいくらかかるのか、どんな項目が含まれているのかなどが明確な見積もりを出してくれる業者を選びましょう。
ほかにも、他社が先に出した見積もりを見て、「うちならもっと下げられる」と、それ相応の理由もなしに突然大幅な値下げをする業者も要注意です。不法投棄などによって利益を確保するおそれがあります。
一括見積もりは便利だが慎重に
一度に複数の業者に見積もりを依頼できるサービスをご存知でしょうか?
解体業者の選び方がわからない人や、時間がなくてじっくり探せない人、面倒なことはさっさと済ませたい人などには便利で利用しやすいサービスです。
しかし、一括見積もりサービスを利用して解体業者が決まった場合、業者とサービス運営者との間で中間マージンが発生していることになります。
解体業者が運営会社に支払うものですが、その分を解体費用に上乗せすることで補填する可能性も考えられます。
つまり、無駄に解体費用が高くなってしまうかもしれないのです。
工務店やハウスメーカーを介した場合も同じように中間マージンが発生します。
また、仲介を依頼することで意思の疎通がうまくいかないことも考えられます。
「工務店には、庭木は残しておいてほしいと依頼したはずなのに、書いた業者には伝わっておらず、撤去されてしまった」
「カーポートの撤去も併せて依頼したはずなのに、残ったままだった。撤去を依頼したら追加費用を請求された」
実際に解体工事を施工するのは解体業者です。
解体工事費用を少しでも安く抑えるためにも、不本意なトラブルを避けるためにも、解体業者に直接、依頼することをおすすめします。
千葉県は優良な解体屋さんが多い
- 千葉県で解体業者を探す方法と優良な業者かどうかを見極めるポイント
- 解体工事を依頼する際に知っておきたい基礎知識
- 解体業者を探す際の注意点
をご紹介してきました。
解体業者を探すのは大変です。慣れていない人がほとんどですので、時間もかかりますし、労力もかかります。
そのため、つい安易に解体業者を選んでしまいたくなりますが、後から金銭トラブルやご近所トラブル、その他思いもよらないトラブルに巻き込まれてしまうリスクを考えたら、やはり信頼できる解体業者を選ぶべきです。
簡単に言ってしまえば、最終的に施主が納得でき、大きなトラブルもなく、解体業者や近隣住民とも良好な関係のまま終われる解体工事であれば良い解体工事なのかもしれません。
ですが、それを事前に見極めることが難しいため、やはり解体業者選びは最重要ポイントになってきます。
解体工事は、普通に暮らしていれば一生のうちに一度経験するかないか、という希少な工事です。
だからこそ、今回ご紹介してきた解体業者の選び方や優良業者の見分け方、解体工事にまつわる基礎知識などをしっかり押さえて、ぜひ、満足のいく解体工事になるよう、信頼できる解体業者を選びましょう。