解体工事に関しての不明点や疑問点を解決!

お客様から寄せられた質問と回答集

「壊してほしい建物があるんだけど、まず何をどうしたら良いのかさっぱり分からない」

「どこの会社に頼めばいいの?何も分からないから何だか不安だわ」

解体工事に関して、このような疑問や不安を抱いておられる方が非常に多いようです。

次のようなご連絡いただいた事例をご紹介します。

「ねぇ、建物を壊せば、鉄類が出ると思うんだけど、最近鉄は高く売れるって聞くじゃない?それを売ってお金にすれば業者さんに支払う工事費は、払わなくて済むのかしら?」

私はその電話を受け、がく然としてしまいました。

確かに近年、鉄くずは高騰しておりますので幾らかの金額になる事は事実です。

しかし、住宅一軒を解体して出た鉄くずを売ったとしても微々たる金額になるだけで、とても解体工事費をまかなえるだけの金額にはなりません。

ですが、電話を掛けて下さった方は鉄くずを売れば解体工事費がまかなえると本当に思われていたようでした。

その方にはきちんと説明してご納得いただいたのですが、私としては何だか腑に落ちないところがあって色々と考えてみたのです。

私達は業者としての視点からでしか見ておらず、お客様もある程度の知識はあるんだろうと勝手に思い込んでいたのです。

「お客様の本当に知りたい事、不安に思っている事は何だろうか?本当の悩みや要望などを聞いてみたい」

それには、お客様に直接お聞きする事が一番だと考えました。

そこで、当社で解体工事を依頼してくれた方々にアンケートをお願いしたのです。

お願いしたアンケートというのは簡単なもので、解体工事に関して悩んでいる事、聞きたい事、疑問点や不明点などを書いていただくものです。

今回は、ご返信いただいたアンケート内容を、質問と回答(Q&A)形式でまとめてみました。

この中にもし、あなた様が抱えておられる同じ様な不安や悩みがありそれらが解決されているとするならば是非ご参考にされてください。

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解体工事に関する質問と回答(Q&A)

一般の方々は、解体工事に対して、一体どの様な不安や疑問があるのでしょうか?

今回、アンケートとしてお願いしたのは、

Q1 解体工事について、悩んでいる事は何ですか?

Q2 解体工事について、聞きたい事、知りたい事は何ですか?

Q3 解体工事をするならば、どのような会社に依頼しますか?

Q4 その他、疑問点や不明点などがあればお聞かせ下さい。

以上4つの質問です。

それでは、これらについて1つずつご紹介していきます。

解体工事について、悩んでいる事は何ですか?

質問ん①『見積りを2社から取って損を免れました』

「私の友人が、所有する古い住宅を解体するのに業者を探していました。

その友人は、建設業に従事していたので、知人の関係である業者から見積りを取ったところ、230万位と言われ高いなあと思ったそうです。

その建物というのは、昔のクズ屋をはぐってトタンをかぶせた70~80坪の家だったそうです。

その後、違う業者に見積りを取ったら160万円の金額だった為、その業者にお願いして去年の暮れに工事が終わったようです。

御社に見積り依頼はしなかったそうですが、その友人は、2社から見積りを取っておいて良かったと言っていました。」

お答え①

「ご友人が2社から見積りを取ったのは正解だと思います。

230万と160万では70万円も違う訳ですから、最初の業者さんに頼んでしまえば大金を損してしまうところでしたね。

それにしても、なぜこれほど金額が違ってしまうのでしょうか?

現地を見ていないので一概には言えませんが、業者側がまだまだ精密な積算・見積が出来ていないのかも知れませんし、わざと多めの金額にしたのかも知れません。

その辺は定かではありませんが、いずれにしても、見積もりは数社に依頼する事ですね。」

質問②『甥子にもっと指導をしていれば…』

「甥子が二人兄弟で実家の跡を継いでいます。

両親も亡くなり、現在住んでいる母屋の他に旧家屋があります。

そこは誰も住んでおらず、農作業小屋として農機具類もそのままになっておりました。

一昨年の大豪雪で2F部分が壊れてしまい、どう処理したら良いか相談がありました。

それならば解体するしか無いだろうと言う事になり、2~3社より見積りを取る様に話をしたのですが、若い者で経験が浅いせいか1社にしか見積依頼をしなかったようです。

見積りを頂いてから営業の方が再三根気よく来られ、その会社に工事を依頼した後から私の方へ報告を受けました。

その時、その業者さんからは『当社はこの位の金額ですが、A社はこれ位、B社はこれ位ですよ』と、自社が一番安いとの説明を受け、調べもせずに信用しお願いしたそうです。

その後、貴社の小冊子を送って頂き、失敗だったという事に気が付きましたが、後の奉りでした。

もう少し早く冊子を見ていればと後悔しました。私が甥子に対して、もっと指導をしていればと反省しています。」

お答え②

「やはり見積りは最低2社以上から取っていただき、比較した方が良い様ですね。

若い方ですと、業者との交渉が苦手である場があるかと思いますので、今後の為にも良い勉強になったのではないでしょうか?

今回の場合、どの位の物件で、幾ら位の金額だったのかは分からないので何とも言えないのですが、ご本人様が失敗だったと思われているのでしたら、実際に高かったのでしょう。

同じ解体業を営んでいる者として、お客様にあそこに頼んで失敗だったと思われないように信頼ある仕事をしなけれいけないなと再認識いたしました」

質問③『工事代金の支払方法と工事説明は誰が?』

「解体工事の工事代金の支払方法はどのような形式があるのですか?また、近隣への工事連絡等の通知は誰がどのような方法でおこなうのでしょうか?」

お答え③

「工事代金のお支払は、基本的には工事が完了してからお支払い頂く形になると思います。

前払い制というのは聞いた事がありません。

お支払方法としては、業者が集金に伺うか、銀行にお振込みいただくかのどちらかだと思います。

一括でお支払が困難な場合は、分割でお支払いいただくというケースもあるかと思います。

また、近隣への工事連絡は業者側で行うのが当たり前だと思います。

いつから、何の工事を行い、いつ頃まで掛るのか。また、ご迷惑をお掛けする旨をご了解いただけるよう、挨拶回りをします。

これを怠ってしまうと後々苦情の原因になったり、トラブルが起きて、工事がスムーズに進まなくなる原因にもなりかねますので確実に行なう必要があります。

もちろん、施主様の方でもご近所様にお話をしていただければなおよろしいかと思いますが、原則的には請け負った業者が行います」

質問④『鉄製の車庫を解体する場合はどの位の費用が掛るのか?』

「鉄製の車庫を解体したいと思い、どの位の値段が掛るのか知りたいと思いますが分かる範囲で教えていただきたい」

お答え④

「あくまで予想の範囲ですが、鉄製で車1台分が入る車庫の場合ですと大体3坪~4坪程の大きさかと思います。

そうしますと作業自体は1日も掛りませんし、廃材の鉄くずも多少のお金になるので7~8万円位あれば十分かと思います。

いずれにしても10万円以内で済むはずです。

しかし、これは予想上の概算でありますし立地条件や構造などによっても変わってきますから、あくまで参考程度として下さい」

解体工事について、聞きたい事、知りたい事は何ですか?

質問①『解体した廃材の分別は?』

「住宅1軒だけでも、かなりの廃材量が出ると思いますが、それら廃材の分別は業者さんの方でやってくれるのか?」

お答え①

「もちろん、廃材の分別から処分まで全て行います。

現在の解体作業は全て分別しないといけないルールになっておりますので、廃材の種類ごとに分別して処分します。

昔のように何でも一緒に解体する事が出来ませんので、その分の手間や人件費が余分に掛ってしまいます。

解体工事自体の費用が高くなってしまう原因のひとつでもあります」

質問②『聞きたい事は、やはり解体費用です』

「やはり一番お聞きしたい事は解体費用です。業者によって値段が違うのは当然かと思いますが、何か基準はあるのでしょうか?坪単価と良く聞きますが?」

お答え②

「確かに皆さん一番気になるのが解体費用です。

結論から言いますと、解体工事についてはこれが明確な基準だというものはありません。

おっしゃる通り、我々業界でも坪単価で幾らと良く言いますが、これはあくまで分かりやすくするもので、その位の大きさの物件でこの位の坪単価なら大丈夫だろうと言う程度のものです。

例えば、木造住宅なら坪当り2万8千円~3万円と言われていますし、コンクリート造の建物なら4万5千円~5万5千円などと言われます。

しかしこれも正確な価格ではありません。一番多くある木造住宅でも、坪当りの単価に直せば、2万5千円で出来る物件もあれば、3万円以上でないと出来ない物件もあります。

やはり、現地の状況や物件の構造などを良く確認しないと正確な価格を出せないのが現状です」

質問③『自社施工業者の見分け方は?』

「営業品目に解体工事と書いていても、下請け外注に出す会社もあるかと思います。どの会社が自社施工をするのか一般人には分かりづらいので、何か見分ける方法はありますか?」

お答え③

「一番簡単な方法は、直接業者さんに聞いてみる事です。電話でも良いと思いますが『お宅は自社で施工されますか?』と聞いてみて下さい。

もしそれが困難な場合は、その会社が解体専門の機械や車輌を保有しているかどうかで分かります。

機械・車輌を保有している会社であれば、自社施工で対応しております。

後は、知っている人に聞く、これが一番かも知れません」

質問④『鉄骨建物の解体と処理は?』

「骨組みが鉄骨である場合の建物を解体する方法とそれらの処分方法はどんなやり方があるのか?」

お答え④

「鉄骨の構造物を解体する場合は、鉄を切断する専用の重機を用いて作業を行います。そこで発生した鉄くずは、専門の処分業者(処分場)へ運び、処理してもらいます。

また、近年鉄は買い取ってもらえますので、その分解体費用も多少お安く出来るかと思います」

質問⑤『設備類の撤去はどうすれば良いのか?』

「電気・電話・ガス・水道などの撤去をお願いする時は、直接東北電力やガス水道局へ連絡すれば良いのでしょうか?」

お答え⑤

「設備の撤去(電気・電話・ガス・水道)の連絡先は、ご指摘の通りで、電気は東北電力、電話はNTT、ガス、水道はガス水道局へ連絡していただければ、撤去の手順を教えてくれます。

ちなみに、電気・電話の撤去費用は特殊な場合を除き、原則無料でやってくれますのでご確認下さい。

ガス・水道に関しては、撤去費用が発生します。設備屋さんに連絡すれば、手続きから全てやってくれます。

これら設備の撤去についての連絡や手続きは施主様ご自身で行っていただく場合もありますが、解体業者の方にお願いしても全てやっていただけると思いますので確認して下さい。

また道路を使用しての作業が発生する場合は、道路使用許可の届け出が必要です。

それらは全て業者の方で行いますので、合わせてご確認下さい」

解体工事をするならば、どの様な会社に依頼しますか?

①「新築なら、大きい会社や信頼できる会社を選ぶと思いますが、解体なら、安い会社を選ぶと思います。だけど、本当に自分が依頼する時になったら、血縁や肉親、友人、知人を優先せざるを得ないのではないかと思います」

②「見積りを見て、他社と比較して安全な作業が出来、ユーザーにもしっかりと説明できる誠意ある会社」

③「信頼できる会社、しかも工事費が安い会社です」

やはり、家を新築するのとは違い、壊す物に高いお金は掛けたくないというのは皆さん一緒ですね。

総合しますと、価格が安いのは当然の事として信頼がおけて誠意を持って安全作業を行ってくれる会社。

この様な会社にお願いするということですね。確かにその通りだと思います。我社も見直さなくてはいけないと思います」

その他、疑問点や不明点などがあればお聞かせ下さい。

質問①『何から何まで疑問です』

「全く分からない世界なので、何から何まで疑問で不明なのですが、値段の差はどこから来るのかが、一番不思議です。

『ぼったくり』なのか『良心的』なのか基準が分からないので。一軒一軒ちがうのでしょうし…」

お答え①

「おっしゃる通り、一般の方には分かりづらい業界かと思います。

どちらかというと裏方的な分野ですので、それ程目立った仕事でもありませんし、個人の方が頻繁に行うものでもありませんから不明なのは当然です。

それに先程もご説明した通り、価格に正確な基準などもありませんし、業者によって値段がまちまちなので余計に分かりづらいですね。

この辺は業界全体として、一般の方々に対してのアピール不足だと考えております。

どうしても不透明で怪しい感じのする業界だけに、やはりもっと真実を透明に打ち出していくべきだと思っております。

我々地元の解体業者も数社ありますが、皆真面目にしっかり仕事をしている会社ばかりです。

決して「ぼったくってやろう」とか「騙してやろう」などと思っている会社はありません。

ただ、全国的に見ると、不法投棄や法律違反などを行う業者がいるのは事実です。悲しい事ですが、この辺が業界の良くなイメージを与えてしまっている原因だろうと考えます。

価格の差についてですが、これは我々業界に限らず全ての業種であることです。

やはり民間の会社ですし、各社によって状況が様々ですので、値段に差が生じてしまう事はご理解いただきたいと思います」

質問②『解体してサラ地にすると税金が高くなるの?』

「聞いた話ですが、住宅を解体してサラ地にすると税金(固定資産税)が高くなると言う話ですが本当ですか?」

お答え②

「結論から申し上げると、解体して更地になると「固定資産税はUP」します。

どの位上がるかは、その場所等によって違ってきますので一概には言えません。

法務局へ行って、『滅失届け』の手続きをしなくてはなりません。詳細はお近くの法務局等へお問い合せ下さい」

こちらの記事でも、固定資産税について詳しく説明しておりますのでご覧ください。

空き家の固定資産税6倍になるってホント!?

2016年12月13日
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おわりに

さて、ご質問と回答を一通りご説明してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?

本当はもっとご不明な点や疑問点があるかとは思うのですが、今の所お寄せいただいたのがこれだけですので、物足りないと思われた場合はご了承下さい。

こうしてご質問を読み返してみますと、まだまだ解体工事に関して、疑問や不安があるんだなあと感じました。

そして我々の業界も一般の方に対してのアピール不足が感じられました。

一般の方にしてみれば、解体工事なんて一生のうちに1回あるかないかの出来事です。

その解体工事が必要になった時、疑問や不安を抱えたままで、工事をしてほしくはありません。

その為に、少しでも不安を解消していただければという思いで、今回この質問と回答集を作成しました。

もちろん解体工事に関して全てを理解していただくというのは難しいかと思いますが、大切なお金を使って工事を行うのですから、安心して信頼のおける会社に依頼していただきたいと思います。

解体工事でストレスを抱える必要はありません。

焦らずしっかりと見極めれば、絶対大丈夫ですので安心して下さい。

【こちらの記事もご覧ください】

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ABOUTこの記事をかいた人

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士