不動産分野は特有の業界用語が多いので戸惑うことが多いかもしれません。
専門家に聞いてみるのが一番ですが、なかなか機会はありませんし細かいことは聞きづらいですよね。
例えば賃貸物件を探す際には1Kや1SKなどの表記が何を表すのか知っておかないと、お部屋探しがスムーズにいかないかもしれません。
この回では不動産の基礎知識として「1SK」とはどういうものか、1Kとの違いを意識しながら解説していきますのでぜひ参考になさってください。
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■1SKの「S」はサービスルームを指す
最初に1SKの「S」が何を意味するのか押さえておきましょう。
Sはサービスルームを表す記号で、居室とは扱われないけれどある程度の広さを保持する空間を意味します。
居室と扱われないのは建築基準法が関係していて、法律の基準に則ったものでなければ人が安全に過ごすための空間=居室と認められません。
例えば、採光のために床面積に対して7分の1以上の窓などを設けなければならないなどのルールがあり、法律上の基準を満たせないと居室とは認められないのです。
そのため仕切られた空間であるとしても、居室とは別の「サービスルーム」として扱われることがあり、その場合は図面上で「S」で表記されることになります。
ただ、法律上は居室として扱われなくても居住者の意思で自由に使用することは全く問題ありません。
サービスルームの使い道は下の項で見ていくので参考になさってください。
■1Kとの違いは?
ここでは1Kと1SKの違いを押さえていきます。
1Kはキッチンの他に居室が一つ付く間取りですが、1SKはそれにサービスルームが一つ加えられます。
間取りの図面上は部屋が2つあるように見えますが、上述したようにサービスルームは正確には居室ではないので使い道に制限がでることもあります。
居室とみなされるような設備を設置してしまうと建築の許可が下りないことから、窓がないことの他にコンセントなどの設備もないことが多く、人によってかなり使いづらい面が出てきます。
もちろん、そんなこと別に気にしないという人もいるでしょうけれど、やはり居室と比べると使いづらさが出ることは否めません。
そこで次の項ではサービスルームの有効な使い方について考えていきます。
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■サービスルームの使い方
居室とするには制限がでても、アイデア次第でサービスルームは十分に活躍してくれます。
例えば以下のような使い方が推奨できます。
①物置、収納スペース
最も無難と思われるのが物置や収納スペースとしての活用です。
日用品などのこまごまとした物をまとめて収納することもできますし、空間としてはかなり広いので大きめのものも格納できます。
例えば趣味で使うゴルフ用品やキャンプ用品などもまず問題なく収納できるはずです。
人によって衣類をまとめておくスペースとして使っている人もいます。
いわゆる衣装部屋ということでウォークインクローゼットとして使うこともできますね。
なお物件によっては間取り図面に「WIC」と表記があるかもしれませんが、これは最初からウォークインクローゼットとして作られている空間を意味し、衣装掛けなどの設備が最初からついています。
サービスルームとして作られている場合はそうした設備はありません。
②書斎・仕事部屋
こじんまりとした空間が落ち着く人であれば、書斎や仕事部屋として使うのも一考です。
集中して物事に取り組めれば生産性も上がることでしょう。
昨今はコロナ事情の元でテレワークが必要になることもあるかもしれません。
電源の問題は延長コードで対処するなど工夫すれば、パソコンを持ち込むこともできます。
③寝室
採光がしにくいことを逆手にとって寝室にするのも一考です。
明るいと寝にくい人は暗さが眠りを誘ってくれます。
エアコンの設置が難しいと夏場はキツイ可能性もありますが、夜勤が多く日中に睡眠をとらなければならない人などは安眠スペースとして活躍するかもしれません。
④趣味を満喫する空間
最近は趣味のスペースを確保するため、後付けで部屋の中に自分専用の空間を作れるキットが人気のようです。
こうしたキットは家族に邪魔されず自分の趣味に没頭できる空間を作ることができます。
サービスルームならばわざわざそのようにしなくても自分の趣味を満喫する専用空間にすることができます。
鉄道模型を走らせることもできますし、トレーニングマシンを置いて体を鍛えてもいいでしょう。
人それぞれで使い方の幅は無限に広がります。
■まとめ
この回では1SKとはどういうものか、1Kとの違いや有効な使い方などと共に見てきました。
「S」はサービスルームを指し、法律上の問題で居室と扱われないため、人によっては使い方に制限がでることもあります。
それでも、物置にしたり趣味の部屋にするなど、アイデア次第でいくらでも使い道は広がります。
物件探しで「S」の表記を見かけた時は今回見てきた内容を思い出し、自分や家族の住まいとして問題ないかどうか考えてみましょう。
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