マイホームが欲しいものの、手元資金の都合から500万円までしか出せないこともあるでしょう。
中古住宅であれば、500万円以下のものを購入することは可能ですが、低価格の物件にはいくつかの傾向があります。
そこで、500万円以下で売り出されている中古住宅の特徴や、購入する際に留意する点を解説します。
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500万円以下の中古住宅①:立地がよくない
500万円以下で売られている中古住宅は、駅の近くや住宅街にあることは稀で、多くの場合、生活に不便なところにあることが多いでしょう。
立地に難がある中古住宅は安くなる
新築物件も中古住宅も、立地がよければよいほど、価格は高くなる傾向があります。
立地がよければ、交通手段が充実している、近くに買い物施設や公共施設がある、学校に通いやすいなど、暮らしやすくなる要素が増えていきます。
暮らしやすい要素が増えれば、治安もよくなるという好循環が生まれます。
それに対して500万円以下になると、駅からかなり離れている、バスが1日に1本しかない、人里離れたところにある物件も少なくありません。
ライフスタイルと合致すればおすすめ
立地に難があると、生活が不便になるため、いくら中古住宅が500万円以下でも、購入に躊躇する人も多いでしょう。
しかしながら現代の日本は、インターネットさえ通じれば、どこでも仕事ができます。
また、都会の喧騒から離れて、静かな場所で自給自足の生活をしたいと考える人も増えてきました。
自然に囲まれた生活を子どもに送らせたいと思って、あえて立地が悪い物件を探すこともあります。
立地がよくないけれども500万円以下で買える中古住宅は、自分が望むライフスタイルを実現してくれることもあるのです。
500万円以下の中古住宅②:リフォームが必要
500万円以下の中古住宅は、修繕やリフォームが必要になることが多いのですが、それを活かして理想の家づくりにチャレンジする人も多いんです。
「瑕疵」がある中古住宅は値下がりする
「立地は悪いのはちょっと…」という人は、あえて「瑕疵」がある物件を探すことも一案です。
「瑕疵」とは、住宅に何らかの問題があることで、本来は売主が修繕するなどして解決する義務があります。
しかし、修繕しない代わりに価格を大幅に下げて、買い手を探すこともあります。
広告で「瑕疵担保免債物件」と表示して、「訳あり物件」であることを公表していることも。
「瑕疵」を気にせずに価格を優先させたい人は、「瑕疵担保免債物件」を狙って探すことも一案です。
リノベーションの技術は急上昇
「瑕疵」の多くは、一定の費用を負担すれば、修繕やリフォームによって解決します。
また、細かい問題がたくさんあるものの、基礎部分がしっかりしている中古住宅であれば、大規模なリノベーションに取り組んでみてもいいでしょう。
リノベーションとは、大がかりな工事を行うことで、住宅の性能をよくしたり、住む人に合わせて暮らしやすくしたりすることです。
最近は、古民家ブームなども後押しして、リノベーションブームが到来。リーズナブルな価格で中古住宅を自分好みに仕上げてくれる業者も増えているんですよ。
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500万円以下の中古住宅③:競売物件である
500万円以下の中古住宅を探す場合、不動産仲介会社に依頼することが多いと思いますが、競売物件を加えると選択肢がかなり広がります。
裁判所が実施するのが競売
中古住宅のなかには、裁判所主催の競売にて売り出されるものがあります。
競売にかけられている住宅は、所有者が住宅ローンを支払えなくなり、売却にて返済もできなかったという経緯があります。債権者が申し立てると、差し押さえられた住宅は裁判所により競売にかけられます。
そして、決められた期間内に入札が行われ、最高価格をつけた人が落札=購入する流れとなります。
地域差はあるものの、競売物件の価格は相場の30%から50%ほどのため、500万円以下で落札できることもあります。
修繕規模を把握できない中古住宅も多い
通常、売りに出されている物件は、新しい所有者に引き渡すまでのあいだ、売主に管理義務が発生します。
それに対して売主がいない競売物件は、買主が決まるまでのあいだ、物件はそのままの状態であり「内見」もできません。
500万円以下で購入できたものの、家のなかに入ったら想像以上に傷んでいた、荒れ放題だったということも。そのため、リフォーム費用が高額化することもあるので注意が必要です。
500万円以下の中古住宅④:現金一括購入
もう少しで500万円以下に届きそうな販売価格の場合、現金による購入計画を立てることも一案です。
歓迎する売主も多い現金一括購入
住宅を購入するときにローンを組むと、事前の書類準備や審査に時間を要するのみならず、審査に通らず購入がキャンセルになることもあります。
それに対して現金一括購入は、手間がかからず、契約キャンセルのリスクも避けられるため、歓迎モードの売主も少なくありません。
とくに築年数を経ている中古住宅は、できるだけ早く確実に売却したいと思うもの。
そのため、「もう少し価格がさがれば500万円以下になる!」というとき、現金一括購入を提案することで、値引き交渉がスムーズに進むことがあります。
ただし、競争率が高く比較的新しい物件は、大幅な値引きは難しいかもしれません。
購入後に必要な資金の確保が前提
現金一括購入は、値引き交渉を進展させるきっかけになりますが、注意しなければいけない点があります。
それは、手元資金で購入するため、まとまったお金が一気になくなってしまうこと。500万円以下で購入できても、住宅を所有する以上、固定資産税の支払いは避けられません。低価格の物件はリフォームなどの追加費用も念頭に置いておく必要があります。
さらに、毎日の生活費のみならず、子どもがいるなら教育費がかかります。そこで現金一括購入を検討するなら、中古物件を買ったあとに必要な資金が手元に残るように考えましょう。
500万円以下の中古住宅⑤:空き家対策を利用
中古住宅のなかでも「空き家」に着目することで、相場よりも安い価格でマイホームを入手することも可能です。
「空き家」と見なされると固定資産税がアップ
現在の日本では、老朽化が早く空き巣や放火などのリスクがある空き家は、社会問題となっています。
そこで日本政府は2015年に空き家問題を解決するために「空家法」を制定。この法律により、自治体により空き家と見なされたら、固定資産税が最大で6倍になることが決まりました。
そこで、空き家と見なされるリスクを避けるため、一斉に中古住宅が売りに出されます。早急に売ってしまいたいため、500万円をはるかに下回る格安物件もあらわれました。
気になる人は、希望価格帯の住宅を探すためにマッチングシステム「空き家バンク」を利用してもいいでしょう。
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空き家バンクとは?
「空き家」を買ったら補助金が出ることも
空き家を購入することもメリットは、広い面積の物件を相場よりも安く買えること。
500万円以下で空き家を買って、リフォームやリノベーションを通じて、自分の理想の家をつくりあげてもいいでしょう。
悩ましいことは、中古住宅が安ければ安いほど、そのあとのリフォームやリノベーションの費用がかかるため、総額が500万円をはるかに超えてしまうことも。
そのようなとき、国や自治体の補助金を活用することも一案です。ただし、補助金制度を利用するためには、一定の要件を満たさなければなりませんので、実績がある施工業者等に相談したほうがいいでしょう。
まとめ
500万円以下の中古住宅が欲しいと思ったら、無計画に安い家を探すのではなく、どこに価値を見出すのかが大切です。
その人のライフスタイルの方向性によっては、500万円以下で希望を満たす住まいが見つかることも少なくありません。
そこで、500万円以下の中古住宅が欲しいと思ったら、まずは自分が望むライフスタイルを定めることが不可欠です。
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