空き家の処分方法はどの様な種類があるのでしょうか?
誰も住まなくなった田舎の実家、空き家のままになっている家などを処分したいと思った時、どのような方法があるのでしょうか?
売却や相続放棄、そして空き家の処分方法などについて解説します。
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家を処分したい!どんな方法がある?
~不動産業者に依頼~
家を処分したいと思った時にまず考えられるのは、不動産業者に依頼するという方法ですが、不動産業者ならどこでも良いという訳ではありません。
賃貸仲介よりも売買仲介を中心に営業している不動産業者を選ぶことがポイントになってきます。
もちろん、賃貸仲介が中心でも売買仲介を行っている不動産業者はたくさんありますが、賃貸と売買ではノウハウも違いますので、賃貸仲介を中心に営業している不動産業者では断られてしまう可能性や、依頼できてもうまく売却できない可能性があるということを踏まえておきましょう。
また、不動産業者に依頼する場合、たとえ1社で断られてしまっても諦めずに次の不動産業者に依頼するという根気も大切です。
「いつ・どのタイミングで・誰が・どんな物件を」購入してくれるかは誰にも分かりませんし、たとえ1社に断られたからといって決して「売れない物件」とは限らないからです。
立地条件や処分しようとしている家の状態が良くなくても、まずは「売却したい家がある」という情報を公開しなければ始まりませんので、粘り強く探すことが大切です。
相続放棄による家の処分とは?
次に、相続放棄による処分について解説します。
“すでに相続してしまっている”という場合には使えませんが、相続前であれば相続放棄することで家を所有せずに済みます。
ただし、この場合家のみならずすべての財産を放棄しなければなりません。
相続する財産にはプラスとマイナスがあり、一部だけ放棄が認められる仕組みだとマイナスだけを放棄するケースが続出してしまうのを防ぐためですので、仕方がありません。
ほかにも財産がある場合、生前贈与などで事前に家以外の財産をできる限り減らしておく必要があります。
なお、相続人が相続放棄をしても次の立場にいる相続人がいればその人に相続権が生まれます。
つまり、相続権を持つ可能性があるすべての人が相続を放棄しなければならないという訳です。
あまり現実的な方法ではありませんが、特にマイナスの財産が多い場合に相続放棄を選択するケースが多いようです。
田舎の空き家を処分する方法は?
日本では空き家問題が深刻化していますが、現在すでに空き家を抱えている方はもちろん、将来的に空き家を抱える可能性があるという方も多いのではないでしょうか。
空き家の中でも特に古くなった空き家は、放置してしまうことで
- 放火や違法薬物の取引、ゴミの不法投棄など犯罪の温床になりやすい
- 老朽化が進み、倒壊や屋根・壁の飛散など近隣に迷惑をかけてしまう
- 野良犬や野良猫が集まり糞尿や死骸など衛生上悪影響をもたらす
- 不法投棄されたゴミなどが腐敗して周辺に悪臭をもたらしてしまう
- 伸びきった庭木の枝などが道路に倒れ込み通行などを阻害してしまう
など、近隣を巻き込んでさまざまな影響を与えてしまいますので、定期的に巡回したり庭の手入れをしたり、陳腐化している場合は改修工事を行うなど適正に維持管理する必要があります。
なお、平成27年5月26日から完全施行されている「空き家等対策特別措置法」ありますので、空き家を抱えている方はぜひ把握しておきましょう。
同法では、自治体が
- 著しく保安上の危険となるおそれがある空き家
- 著しく衛生上の有害となるおそれがある空き家
については「特定空き家」に指定し、強制的に対処できると定めています。
とはいえ、いきなり強制撤去されるという訳ではありません。
まずは所有者に対して助言や指導を行い、改善が見られない場合は勧告、さらに命令と段階を経て、猶予期間内に改善が完了しない場合は最大で50万円以下の過料や強制撤去を執行する、というものです。
もちろん、強制撤去にかかる費用は所有者が支払うことになります。
また、勧告に至った時点で固定資産税の特例対象から外れ、最大で固定資産税が6倍、都市計画税が3倍になります。
このように、空き家は放置できない不動産になっていきますので、早いうちからなんらかの処分方法を考えておくことが大切です。
空き家の処分方法としては
- そのまま売却する
- 解体して土地を売却する
などが考えられます。
家を解体せずにそのまま売却する場合は「中古戸建」「古家付土地」などとして売り出すことになります。
解体やリフォームなどの費用がかからないため負担が少なくて済みますが、他の売却方法より売却価格が安くなってしまう傾向にあるということは覚えておきましょう。
解体して土地だけを売却する場合は、当然ですが解体費用が発生します。その費用や手間がかかる分、中古建売の場合よりも高く売却できる可能性が高くなります。
なお、売却は前述のように不動産業者に依頼する方法と、各自治体が独自に運営している空き家バンクに登録する方法などがあります。
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空き家の処分費用はどれくらい?
空き家の処分、ここでは主に解体する場合の費用について少し詳しく見ていきましょう。
家の構造(木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など)や床面積、あるいは現場周辺の道路の幅、解体工法、付帯工事の有無、廃棄物の量などさまざまな条件によって異なるため統一された相場というものはありませんが、一般的に
- 木造では坪あたり25,000円~40,000円程度
- 鉄骨造では坪あたり30,000円~50,000円程度
- 鉄筋コンクリート造では坪あたり35,000円~60,000円程度
になると言われています(あくまで目安ですので参考程度に捉えてください)。
ただ、自治体の中には空き家を解体する際に補助金・助成金を出してくれるところがありますので、解体する前に一度問い合わせてみても良いかもしれません。
多くの場合
- 特定空き家の解体に限る
- 市税を滞納していない
などの条件がありますが、特定空き家と認められていない空き家に関しても、解体する際に補助金や助成金を出してくれる自治体があります。
また、家財道具の処分も忘れてはいけません。
少しでも費用を抑えるためにも、家財道具がある場合は事前に処分しておくことをおすすめします。
- 自治体の不用品回収に依頼する
- リサイクルショップに買い取ってもらう
- 不用品回収業者に引き取ってもらう
- フリマアプリなどに出品する
- 近所に欲しい人がいたら譲る
などがありますので、利用しやすい方法を考えておきましょう。
なお、解体業者が処分してくれるものもありますので、見積りの際に確認してもらうのも良いでしょう。
家を処分したい場合は「早め」に動くことが大切
今回は家を処分する方法について解説してきました。
不動産業者に売却を依頼する場合、いつ、どのタイミングで買い手が見つかるか分かりません。売りに出している間の固定資産税などの負担も考え、できるだけ早めに動き出すことが大切になってきます。
相続前の家については相続放棄もありますが、すべての財産の相続を放棄しなければならないという点は忘れないように注意しましょう。
また、空き家は放置したままにできない状況になってきています。
今は住んでいても将来的に空き家になってしまう可能性がある場合は、その処分方法について今のうちから考えておくことが大切です。
家を処分したい場合は「早め」に動くことが肝心、ということですね。
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