ふるさと納税と空き家の関連性とは?
「空き家の草刈り」「空き家管理」「墓地の点検・清掃」「スマホゲーム」「ご当地ヒーロー」「ヘラクレスオオカブトムシ」…これ、なんだと思いますか?
一見なんの関係もないものばかりですが、実はすべて「ふるさと納税」のお礼なんです。
一般にふるさと納税のお礼といえば肉、米、野菜などの食品や商品券、その地域の特産品などでしたが、今ではこんなにバラエティに富んだお礼が用意されています。
この中でも特に注目したいのが「空き家」関連のお礼です。
ふるさと納税って?
ふるさと納税は、「納税」という名前がついていますが、実際には「自分が好きな地域(都道府県・市区町村)を選んで「寄付」をすることです。
「自分が生まれ育ったふるさと」以外にも「自分の意思で応援したい自治体」を選んで寄付することもできます。
ふるさと納税によって寄附をすると「税金の控除」が受けられたり、、地自体によって種類は異なりますが「お礼の品」などをもらえることがあります。
ふるさと納税にはメリットがある
ふるさと納税をすることで、いくつかのメリットがあります。
寄付は「気持ち」ですのでメリット目的という方は少ないかもしれませんが、知っておいて損はないでしょう。
好きなお礼の品がもらえる
各自治体がそれぞれバラエティに富んだお礼の品を用意しています。
肉・米・野菜・果物・魚・エビ・カニなどの食材のほか電化製品・旅行・イベントチケット・雑貨・美容・ファッション・地域の特産品・感謝状など実に様々です。
自分が好きな「お礼の品」を用意している自治体を選ぶことでその品をもらうことができます。
税金が控除される
ふるさと納税では、原則として自己負担額の2,000円を除いた全額が住民生の控除の対象となります。
例えば世帯収入が600万円だとすると6万5,000円の税金を納めなければならないところ、ふるさと納税で6万5,000円を寄付することで自己負担額2,000円を差し引いた6万3,000円が税金から控除されることになります。
ただし、全額控除される寄付金額は世帯収入や家族構成などによって変わってきますので、詳しくは、総務省ふるさと納税のしくみ税金の控除についてをご覧ください。
好きな地域や使用目的を選べる
旅行で訪れた想い入れのある街、自分が応援したいと思う使い道への寄付を募集している自治体、もちろん生まれ育った地元など、全国の自治体から選ぶことができます。
ふるさと納税をするには?
とはいえ一つ一つの自治体を一から探すのは非常に時間と労力がかかってしまうもの。
そこで全国の自治体のふるさと納税のお礼の品などを掲載しているサービスを使用すると良いでしょう。
例えば総務省のホームページでは「自治体を探す」ことができますし、株式会社トラストバンクが運営する「ふるさとチョイス」では「地域」のほか「お礼の品」「使用目的」「ランキング」など様々なジャンルから探し出すこともできます。
(1)まずはふるさと納税をしたい自治体を選び納税をする
(2)自治体から確定申告に必要な「寄付を証明する書類」が発行される
(3)翌年の3月15日までに上記の書類を添えて確定申告をする
(4)所得税から控除される
(5)さらにふるさと納税を行った翌年度分の住民税が減税される
といった流れになります。
なお確定申告が不要な給与所得者等で、ふるさと納税をした自治体の数が5団体以内の場合「ふるさと納税ワンストップ特例」を申請することができます。
ふるさと納税ワンストップ特例では所得税からの控除は行われず、ふるさと納税を行った翌年度分の住民税の減税という形で控除されます。
詳しくはこちらをご覧ください。
空き家を抱えている人は必見!ふるさと納税のめずらしいお礼って?
冒頭でも少し触れましたが、各自治体が実に様々なお礼の品を用意しています。
その中でも、昨今の空き家問題に対する対策の一環として行われている「空き家の草刈り」「空き家の管理」といったお礼に注目してみましょう。
兵庫県神戸市
2017年度から、ふるさと納税のお礼として「空き家・空き地の草刈り」を追加することを決定しました。
寄付額3万円につき寄付者が所有している神戸市内の空き家・空き地の草刈り委託費用のうち1万円を補助するというものです。
委託先は市シルバー人材センターとのことで、一般的には1日1万3,000円/人の委託料が目安とのことですので、自己負担金が3,000円程度で済むということになります。
三重県伊賀市
伊賀市も同様に寄付額10万円以上で「大人用袴式本格的忍者衣装(黒)」という忍者の里ならではのお礼のほか、寄付額1万円以上で「墓地清掃・花立て」「空き家の空気の入れ替え・掃除・草刈り」というお礼を用意しています。
徳島県
2017年1月から、寄付額5万円以上で寄付者が県内に所有する空き家を年に1回点検して報告するというお礼を始めています。
福岡県岡垣町
寄付額7万円以上で敷地の雑草の状況、ポスト、近所の変化を外部から確認するとともに空気の入れ替え、簡単な清掃、水道の通水などを行ってくれます。
富山県氷見市
寄付額3万円以上で月に1回建物の外部確認(外壁・屋根・窓ガラス等)、郵便物の管理、近所や自治体あるいは行政等からの苦情や連絡事項の報告などを行ってくれます。
香川県東かがわ市
寄付額5万円以上で契約時に1回、3ヶ月後に1回玄関周りの簡易清掃、近隣訪問、災害後の巡回、ポスト整理、庭木のチェック、建物外部チェック、権利関係のチェック、室内通風、通水、簡易清掃、雨漏りのチェックなどを行ってくれます。
鹿児島県さつま町
寄付額8万円以上で空き家敷地内の草刈りと持ち出し処分、敷地内のゴミ拾いを行い、作業前後を写真に収めて報告してくれます。
福井県勝山市
寄付額1万円以上2万円未満で1回、2万円以上で2回、不法投棄物がないか、外壁のひび割れや雨どいの損傷がないか、庭木や雑草の状態はどうか、ポストの状況はどうかなどを確認し写真に収めて報告をしてくれます。
一例ではありますが、このように空き家関連のお礼はどんどん増えています。
ふるさと納税も多種多様
「ふるさと納税が空き家に適用される」なんて面白い取り組みですよね。
昨今の空き家問題に対して自治体が動き出したと捉えることができます。
確かに、国や自治体がいくら「空き家問題」を訴えたところで、遠方に住んでいるなどの理由でなかなか所有者が空き家を管理するのが難しいという現実もあるかも知れません。
本来、所有者がきちんと管理しなければならないものではありますが、このようなサービスは雇用対策にもなっているという側面もあります。
もし空き家を抱えていて、管理が難しいという方はぜひ、こういったサービスを利用してみてはいかがでしょうか?
空き家や敷地の現状が分かるだけでも、動くきっかけになるかも知れません。