雪害も適用される火災保険、どこまで適用されるのか?

意外と多い火災保険の適用範囲

火災保険は、その名称から「火災以外には適用されない」と思ってしまう方も多いようですが、実は様々な災害や事故に対しての補償が認められている、とても幅広い「損害保険」です。

今回は、火災保険の補償範囲や適用とならない例、注意が必要なポイントなどについて詳しく解説をいたします。

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まずは保険の対象となるものについて知っておこう

火災保険には住宅用と事業用がありますが、ここでは住宅用、つまり個人の自宅で火災保険に加入するという前提でご紹介します。

なお、ここでご紹介する保険の対象物は、その全てが自動で対象となる訳ではなく、被保険者になる人が契約時にその保険会社の規約に則って保険証への記入などの手続きを行う必要があるものもありますので、契約前に確認をするようにしてください。

A:建物が保険の対象になっている場合

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家屋・門・塀・物置・車庫・畳・建具・電気・ガス・冷暖房設備およびそれらの付属建物・従物・付属物など

B:家財が保険の対象になっている場合

タンス・ベッドなどの家具や衣類など日常的に使用するもの。

30万円以上の貴金属・宝石・書画・骨董など

通貨・印紙・切手・証書・稿本・図案・設計書など

建物のみしか保険の対象にしていなかった場合、災害で家財が被害を被った場合でも補償の対象となりませんのでご注意ください。

それでは、次に補償範囲をご紹介します。

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火災保険の補償範囲はこんなにある!

具体的にどのような災害や事故に対して補償してくれる保険なのかご紹介します。

なお、保険会社によって内容は異なりますので、ここでは一般的に言われているものをご紹介しています。

1:火災・爆発・落雷

これは火災保険のベースとなる補償です。ほとんどの保険会社はこの3点を補償内容に含めています。

1-1 火災

失火、放火、もらい火などによって自宅が火事になった場合に補償されるものです。

昨年、新潟県糸魚川市で起きた大規模火災のように燃え移って来た火事に対しても自分で加入している火災保険で補償を受けることになります。

1-2 爆発

ガス漏れに気づかずにガスコンロに火をつけてしまって爆発した、スプレー缶が破裂して自宅などが損傷した、といった場合に補償してくれるものです。

1-3 落雷

自宅に雷が落ちて屋根や壁が損傷した、パソコンなどの電化製品が壊れた、自宅が燃えてしまった、といった場合に補償してくれるものです。

なお、パソコンなどは家財を含む火災保険に加入していなければ補償されませんので覚えておきましょう。

2:風災・雪災・雹災

実は火災保険の使用割合のおよそ60%程度はこの風災・雪災・雹災によるものと言われています。

2-1 風災

台風、暴風、竜巻などによって屋根瓦が飛んでしまった、車庫が損傷を受けた、外から飛来してきた物体が壁を壊してしまった、といった場合に補償してくれるものです。

2-2 雪災

豪雪地域にお住いの方はよくご存知だと思いますが、雪の重みで物置が倒壊した、自宅が歪んだ、あるいは裏山で発生した雪崩によって自宅が損傷したなどといった場合に補償してくれるものです。

2-3 雹災

雹によって窓ガラスが割れた、屋根に穴が開いた、太陽光パネルが割れた、などといった場合に補償してくれるものです。

なお「雹(ひょう)」は直径5mm以上の大きさのものを指し、5mm未満は「霰(あられ)」となりますので覚えておきましょう。

3:水災(洪水や土砂崩れ等)

津波による損害は含まれませんが、大雨や洪水、ゲリラ豪雨などに起因する災害に対しても補償されます。

3-1 洪水

台風や大雨などで洪水が起こり床上浸水した、家屋や家財などが流されたなどといった場合に補償してくれるものです。

3-2 土砂崩れ

豪雨によって土砂崩れが発生し、土石流で自宅が損傷したなどといった場合に補償してくれるものです。

4:その他の補償範囲

自然災害以外の事故などについても幅広く補償しています。

4-1 水漏れ

水災とは異なり、水道管・排水管などの故障や破損などによって室内が水浸しになった、家財が壊れたなどといった場合に補償してくれるものです。

4-2 衝突

例えば自宅に車が突っ込んできて塀が損傷した、ボールが飛んできて窓が割れたなど、予期せぬ外部からの事故で自宅が損害を受けた時に補償してくれるものです。

4-3 盗難

強盗や窃盗、空き巣などによって自宅や家財が盗難被害にあった、損傷を受けたなどといった場合に補償してくれるものです。

4-4 不慮の破損や汚損

日常生活の中で、誤って自宅や家財を破損・汚損してしまった場合などに補償してくれるものです。

4-5 集団行為

デモや暴動などの集団行為によって自宅や家財が損害を受けた場合に補償してくれるものです。

このように、火災保険の補償範囲は幅広いものとなります。

一つずつ契約が必要なもの、セットになっているものなど保険会社によって商品内容が異なりますので、不要なものは省いて適正な保険料を保つためにも、事前にしっかりと確認をすることが大切です。

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「類焼損害補償特約」って何?

もし自宅で起きた火事によって隣家に損害を与えてしまった場合、基本的には失火責任法という法律によって「重大な過失」がなければ、隣家の損害を補償する義務は負いません。

しかし、多くの火災保険会社は「類焼損害補償特約(類焼特約)」を用意しています。

もしこれに加入していれば、隣家が受けた損害も補償することができます。

一般的には、年間1千円~2千円程度の掛け金で1億円程度まで補償ができるという特約が多いようです。

自宅で起きた火事で近隣に迷惑をかけてしまうのは、失火以外では補償の義務はないとは言え、心理的には穏やかではありません。

できれば加入しておくことをお勧めします。

なお、先の糸魚川市の大規模火災でも「誰が補償するのか?」が問題にりました。

出火原因は中華料理店の店主が鍋に火をつけたまま離れてしまったことと考えられていますので、この場合は「重大な過失」となりますが、店主が類焼特約を結んでいない場合はもちろん、結んでいたとしてもあまりにも規模が大きすぎるため、補償は厳しいという見方が強いようです。

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火災保険が適用にならない4つの例

火災保険は補償範囲が広く、とてもありがたい保険ではありますが、その「原因」によっては適用とならないケースがあります。

経年劣化

火災保険は災害や事故に対して補償をしてくれるものですので、自然に劣化したケースには適用されません。

被保険者の重大な過失

寝タバコ、鍋を火にかけたまま離れた、暖房器具の消し忘れなどによって失火した場合には重大な過失と認められ、保険が適用にならないケースがほとんどです。

地震・津波・噴火

地震や津波、噴火などによる損害はあまりにも規模が大きいため、莫大な補償金が必要となり、保険会社の支払い能力を超えてしまいます。

これらに対する保険は「地震保険」でしか補償されません。

子供の火遊び

ケースによっては支払われる可能性もありますが、基本的には「親の監督不行き届き=重大な過失」と認められ、適用外となってしまう可能性が大きいと思っておきましょう。

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要注意!「火災保険を使った無料工事」は本当に可能!?

「火災保険を使えば屋根の修理が無料で行える」「火災保険でリフォームを賄える」と言った触れ込みで営業をかけている業者がいます。

本当にそのようなことが可能なのでしょうか?

確かに、上記でご紹介した火災・爆発・落雷・風災・雪災・雹災・水災など火災保険が適用されるケースにおいて損傷した場合、当然ながらその保険金で修理をすることは可能です。

ですが、経年劣化などによる損傷は保険の適用外です。

それを知らずに工事を依頼してしまった場合、あとから「申請代行料」「法外な工事料」などを請求してくる悪徳業者も中にはいるとのことで、日本損害保険協会が注意喚起を行っています。

被害にあわないためにも、火災保険の契約内容を再度確認しておくこと、適用になるケースと適用にならないケースをしっかり把握しておくこと、そのような業者と契約をする前に加入している火災保険会社に確認をすることなど、慎重さが求められます。

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必要に応じて契約内容の見直しを

火災保険は非常に重要な保険の一つですが、内容を正確に把握していない人は意外と多いものです。

古い契約内容だった場合、災害にあった時に補償されると思っていたものが補償対象外だったと分かって後悔したり、不要なものを契約していて余分な掛け金を支払っていたり、というケースも少なくありません。

災害や事故はいつ起こるか分かりませんので、ぜひ一度契約内容を見直してみましょう。

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火災保険の加入確認を

火災は本当に怖いものですし、嫌な事です。

火の用心は当然の事ですが、もし火災に合ってしまった場合の事を考えて「火災保険」にはしっかりと加入して頂きたいと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士