都市部にあれば、安価で購入できる空き家は一定のニーズがあり、リフォームすれば賃貸物件としての需要も期待できます。
しかしながら田舎の空き家であると、費用をかけてリフォームしたとしても、買う人も借りる人も見つからない可能性も。
そこで、田舎にある空き家を上手に販売する方法やコツ、更地にすることのメリットや注意点を解説します。
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田舎の空き家の活用①:売却するなら?
空き家を長期にわたって所有していると、家屋の管理、周辺住民への対応、固定資産税の支払いなどの負担が発生。できるだけ好条件で現金化したいと思うのが本音でしょう。
空き家の相場の把握からスタート
どのような価格であっても、空き家をいちど売却したら、完全に手放すことになります。
そこで、売却がメリットとなるのかどうか、相場を調べて検討することから始めましょう。基本的に田舎にある空き家の価格は安く、100万円を切ることも少なくありません。
ただし最近は、テレワークによる就業形態が増加していることから、地方移住に対する関心が高まっており、地域によっては地価の上昇が報告されています。
査定は複数の不動産会社に依頼
田舎の空き家の価値は捉え方によって上下するため、不動産会社によって査定額に開きが出る傾向があります。
なかには、タダ同然で物件を買い取るために、必要以上に安く見積もる会社もあります。
地方移住の高まりから、以前よりも価格が上昇しているケースもありますので、必ず複数の不動産会社に見積もりを依頼しましょう。
田舎の空き家の活用②: 上手に売却するコツ
田舎にある空き家は、交通の便が悪く、近くに買い物施設がないことが多いため、基本的に好条件の売却が難しいと言われています。
自ら買い手を探すことで売却が早まる
そのため、不動産会社に頼るだけではなく、自らも積極的に買い手を探すことが、田舎の空き家を上手に売却するために欠かせません。
自分で買い手を探す場合、身近な需要を掘り起こすことが上手に売却するためのコツ。そこで、近隣に住んでいる住民に、空き家を手放す予定であることを伝えてみましょう。
田舎に住んでいる人は、家族構成の変化により建て増しする、複数の家屋を建てる、駐車場を拡張するなど、土地を広げて活用する傾向があります。
前向きに検討してもえるかもしれませんので、軽く話題にしてみてもいいと思いますよ。
立地によっては妥協することも大切
ただし、近隣住民に売却する場合、強気の価格で交渉できないことを、念頭に置いておいたほうがいいでしょう。
また、不動産会社を介して売りに出す、もしくは買い取ってもらう場合も、立地によっては十分な値がつかないことも。
空き家を所有している限り、家屋の管理や固定資産税の支払いが続き、かえってコストがかかってしまいます。
そのため、状況によっては早めに妥協することも、田舎の空き家を上手に売るためのコツと言えます。
田舎の空き家の活用③:売却方法は?
空き家を売りに出すとき、田舎にある物件に適した方法で売却活動をすることもポイントです。
田舎物件に強い不動産会社をチェック
田舎にある空き家の売買仲介を依頼するときは、その地域に強い不動産会社を選ぶことが鉄則。大手の不動産会社の大部分は、主に都市部の売却を得意としているため、その地域の需要に精通しているとは限りません。
むしろ、中小規模の地域密着型の不動産会社のほうが、豊富な販売ルートや顧客を抱えていることも。大手だからと安易に仲介を依頼すると、十分な販売活動をしてもらえず、売り時を逃してしまう可能性もあります。
田舎の物件は、テレワーク増加などの特需により好条件で取引できる可能性もありますので、その地域で実績がある不動産会社を見極めて依頼することが大切です。
空き家バンクを積極的に活用すべし
自治体が運営しているマッチングサイト「空き家バンク」を積極的に活用することも一案。空き家に興味がある人は、必ずと言っていいほどチェックしているサイトですので、購入希望者と出会える可能性がグッと高まります。
空き家バンクのサービスは、売り手と買い手を結び付けることに限定されているため、交渉や契約などは自らしなければならないことが注意点。
とはいえ、自治体が運営していることから、リフォーム費用の補助などのサポートの情報を得られることもありますので、併用することをおすすめします。
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田舎の空き家の活用④:賃貸で貸し出す
空き家を自分の希望通りの条件で売ることが難しい場合、賃貸物件として貸し出すという方法もあります。
お試し賃貸物件とする
田舎にある物件は、最初に借りる人があらわれたとしても、需要が多いわけではないため、継続的に入居者を維持することは困難。
そこで、田舎暮らしを体験できるお試し賃貸物件として提供する人が増えています。田舎暮らしに興味があるものの、適応できるのか心配する人も少なくありません。一定期間お試しで住むことができれば、安心して長期契約に切り替えることができます。
最終的に空き家を売りたいなら、賃貸で実際に住んでもらい、気に入ったら売買契約に進むというパターンも有。
ただし、賃貸とする場合も、地域によってニーズの有無がありますので、必ずしも軌道に乗るとは限りません。
シェアハウスとしての道も有
こちらもニーズが期待できる場合の選択肢ですが、シェアハウスとして賃貸するという方法もあります。
空き家をシェアハウスにするメリットは、いくつかの世帯が1つの家屋を共有するため、通常よりも多くの家賃収入を得られること。
退去者が出たとしても、他の入居者がいる限り完全に無収入とならないことも、シェアハウスならではの強みです。
注意点となるのが、複数の入居者が住むためのリフォームが必要になる、トラブル防止の配慮を要する、入居者を募集してくれる代理店が少ないということ。ある程度、自力で募集・運営できるタイプの人に適した活用方法と言えるでしょう。
田舎の空き家の活用⑤:解体して活用
空き家の状況によっては、解体して更地にしてしまったほうが、売れる可能性が高まることがあります。
更地にすると新築を建てやすくなる
買い手のなかには、新築住宅を建てる計画から、安価な空き家付きの物件を探しているケースが少なくありません。
とはいえ、家屋が残っている場合、どれだけ安く購入できたとしても、解体にかかる費用を自己負担することになります。
そのため、あらかじめ解体して更地にしておけば、興味を持つ人が増える可能性が高まります。田舎のなかでも、ファミリー層をターゲットにできそうな環境がある物件であれば、更地にしてから売り出すことも選択肢に入れられるでしょう。
更地にすると固定資産税がアップ
ただし、いちど更地にしてしまうと、住居用物件に適用される優遇措置が外されることがデメリット。更地にしたまま買い手が長らく見つからないと、増額された固定資産税を支払い続けることになります。
また、安くマイホームを手に入れたいことから、空き家があったほうが良かったと言われることも。
そのため、更地にしたほうがいいのか、家屋を残したほうがいいのか、ニーズを見極めて判断することが大切になります。
まとめ
田舎にある空き家を売るのは難しいと、あきらめたまま放置していると、特需などによる思いがけない売り時を逃してしまうことも。
空き家バンクを始め、田舎の物件を売り出す方法は多様化しています。
そのため、条件によっては解体することも含めて、さまざまな選択肢を視野に入れておくことが大切です。
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