各自治体の空き家バンクってどんなサービスなの?メリットやデメリットも交えて解説!

実は20年以上も前から運用が開始されたにも関わらず、ようやくここ数年になって注目されるようになってきたのが、自治体が運営する「空き家バンク」です。

この記事では、空き家バンクがどんなサービスなのかといった基礎知識から実際の利用方法、空き家バンクのメリット・デメリットなどをまとめています。

処分に困っている空き家の所有者や、移住先で空き家を探したい人などはぜひ、参考にしてください!

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自治体による空き家バンクとは?

空き家バンクの基礎知識

空き家バンクとは、各自治体が独自に運営している「空き家版・マッチングサービス」です(自治体から委託を受けた団体や企業などが運営しているケースもあります)。

例えば、解体費用を捻出できず空き家の処分に困っている所有者や、まだまだ使えるから誰かに使ってほしいと思っている所有者など、さまざまな理由で空き家バンクに登録する人が増えています。

空き家が存在する住所を管轄する自治体の空き家バンクに登録し、ホームページ上で情報公開することで「借り手」「買い手」などを募集します。

一方、空き家を「借りたい」「買いたい」と思っている人は、空き家バンクに希望の物件が登録されているか探し出し、見つかれば交渉を経て契約に至るという訳です。

冒頭でもお伝えしたように、20年以上も前から存在していた制度にも関わらず、ようやく近年になって注目されるようになってきました。

空き家バンクの重要性

大きな社会問題になっているため、関心がある人も多いと思いますが、日本は「人口減少」に加えて「地方の都市部への人口流出」が大きな問題となっています。

人口が減り、かつ高齢者が増えた田舎において消費活動に陰りが出るなどすると、街自体が活気を失います。

閉店する店が増えたり、バスや電車といった交通機関も廃線したり、といった影響も出てきます。

その結果、不便さを感じた若者や働き盛り世代が都市部に流出してしまうなど、負の連鎖が続きます。

街としても税収が減りますので、人口流出にはなんとか歯止めをかけたいところですが、現実的に困っている自治体すべてが思うように改善していけるわけではありません。

人口の絶対数を増やすことが重要ですが、それも今すぐなんとかなる問題ではありません。

また空き家は、放置すれば放火や倒壊、ゴミの不法投棄などさまざまな危険性をはらんでいるため、空き家が増え続けることは街の治安や景観といった面でも大きな影響を与えることになります。

「街の活気を取り戻したい」「税収をこれ以上減らせない」「人口の減少を食い止めたい」「危険性がともなう空き家を何とか減らしたい」など、さまざまな理由で空き家バンクの存在意義は非常に大きなものです。

しかし、まだまだ全国的に「知名度が低い」こと、実際に「利用している人の数が少ない」こと、加えて「すべての自治体が空き家バンクを運営しているわけではない」ことなど、多くの問題を抱えています。

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「空き家バンクに登録したい」「空き家バンクで家を探したい」ときは?

空き家バンクへの登録方法

空き家バンクの利用者は大きく「空き家を処分したい」所有者と「空き家を必要としている」人とに分かれます。

まずはそのうち、空き家を処分したい所有者が登録する方法を紹介します。

自治体や運営している団体ごとに違いがあるため、詳細は直接確認していただくことになりますが、基本的な流れは次の通りです。

※登録申請

登録申請書に必要事項を記入し、申請を行います。

その際、空き家の情報がわかる資料、複数の所有者がいる場合は同意書と委任状、不動産業者とも契約している場合はその契約書の写しなどが必要になることがあるので、事前に必要書類を確認しておきましょう。

※審査

自治体などによる審査があります。

「著しく倒壊などの危険がある」といった空き家や「所有者の同意を得られていない空き家」などは登録できない可能性があります。

また、所有者が「税金を滞納している」などの場合、もしかすると登録できない可能性もあるため、要件についても事前に確認しておきましょう。

審査が通れば登録となります。あとは情報公開を待ち「借り手」「買い手」が見つかるのを待つことになります。

空き家バンクで家を探す方法

次に空き家の探し方です。といっても、こちらは簡単です。

居住する自治体がすでに決まっている場合は「自治体名」+「空き家バンク」などで検索すればヒットするでしょう。

「空き家バンク」を運営していない自治体でも、ホームページ上に空き家情報を公開していることがありますので、問い合わせてみても良いかもしれません。

もし移住したい自治体が決まっていない、どんな空き家があるのか見てから決めたい、または候補の自治体が複数あるといった場合は、全国の自治体の空き家バンクに登録されている空き家を一元的に検索できるサイトが便利です。

平成29年10月31日に国土交通省より発表された資料によりますと、現在のところ「全国版空き家・空き地バンク」は公募によって選定された2事業者(株式会社LIFULL、アットホーム株式会社)が運営しているとのことです。

株式会社LIFULL

アットホーム株式会社

上記サイトから、全国の空き家バンクとそこに登録されている空き家情報をチェックすることができます。

気に入った物件があれば、そのまま問い合わせることもできます。

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空き家バンクで空き家を探すメリット・デメリットは?

空き家バンクで空き家を探すメリット

空き家バンクを使って空き家を探すとき、メリットとしてまず挙げられるのが「格安物件がほとんど」ということです。

移住を促進することが大きな目的の一つですから、相場よりも大幅に安くなっている物件が多いです。

それに、所有者との直接交渉となれば、仲介手数料なども不要のため、コストを抑えることが可能です。

また「空き家バンクに登録されている空き家を購入(賃借)してその自治体に移住してくる」という場合に利用できる補助金制度を設けている自治体も少なくありません。

家族構成やその他の条件によって適用の可否が分かれますが、購入や改修などの費用に充てることができます。

空き家バンクで空き家を探すデメリット

一方、空き家バンクで空き家を探す際のデメリットとしては「登録されている物件が少ない」ことや「実際に物件を見に行くのが難しいケースもある」ということです。

前述したように、まだまだ空き家バンクに登録されている物件は少ないことや、運営している自治体も少ないことから、希望する空き家に巡り会えるかどうかは、何とも言えないところです。

加えて、都市部に住んでいる人は、地方まで物件を見に行かなければならないといった費用や時間の負担が生じます。

また、所有者と直接交渉となるケースが多いため、うまくまとまらなかったり、行き違いが生じたりする可能性があるのもデメリット(リスク)になってきます。

交渉に自信がない人は、宅建業者などが仲介に入っている物件を選ぶことをおすすめします。

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空き家バンクまとめ

今回は、自治体が運営する空き家バンクの基礎知識や利用方法、メリット・デメリットなどを解説してきました。

不動産業者では取り扱っていない物件も少なくないため、思わぬ掘り出し物が眠っている可能性もゼロではありません。

空き家を探している人はもちろん、どんな空き家があるのか興味があるという人も、まずは空き家バンクを覗いてみてはいかがでしょうか?

また、すでに空き家を所有していて処分に困っている、将来的に空き家を抱えることになるが活用方法が見出せない、といった人はぜひ、空き家バンクの利用も検討しましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士