合葬墓や永代供養墓が全国で急増中!合葬する際の注意点を解説

共同墓が人気の理由

ここ10年、合葬墓や永代供養墓の設立が全国で増えています。そこにはどのような理由があるのでしょうか?

合葬をするメリットや注意点などと併せて解説をします。

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お墓参りに関する意識調査

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もしかすると回答された方もいるかも知れませんが、今年1月16日~26日の10日間、Yahoo!ニュースでは「お墓参りに関する意識調査」が行われました。

合計176,123票が投票され、結果は次の通りです。

1年に2回以上:56.7%(99,776票)

1年に1回程度:22.8%(40,096票)

数年に1回程度:11.1%(19,536票)

10年に1回程度:2.1%(3,701票)

10年以上していない:7.3%(13,014票)

出典:Yahoo!ニュース墓参り、している?

お墓参りをする人が減っている、墓じまいをする人が増えているというニュースを何度も目にして来ましたので、この調査結果を見た時には「意外とみんなお墓参りに行っているなぁ」という印象でした。

しかし、投票した方の年齢層で最も多かったのが50代で28.3%、次いで60代の27.8%、40代の22.3%と続き、70代は9.8%、30代は8.2%となっていますので、この年齢層の投票からすると上記の調査結果はなんとなく納得できます。

ただ、30代の投票率が8.2%、20代に至っては実に2.8%と、いずれも1桁台ですので、そもそも「お墓参りに対する意識・興味」がないため回答していないとも受け取れるのではないでしょうか。

どうしても現実はこの調査結果よりも深刻になっていると考えざるを得ません。

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合葬墓や永代供養墓が増えている!?

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さて本題ですが、近年、合葬墓や永代供養墓が急増していると言われています。

永代供養墓は昭和60年、滋賀県大津市にある比叡山延暦寺大霊園に建てられた「久遠墓」が始まりと言われています。

これには「子どもがおらず墓守がいなくなる」あるいは「自分が他界してから子どもに負担をかけたくない」という考え方を持つ人が増えたという背景があります。

その後、新潟県新潟市に建てられた「安穏廟」や東京都豊島区に建てられた「もやいの碑」などが登場して一気に広がりました。

現在では全国に1,000ヶ所を超える永代供養墓があるとも言われています。

近年話題になった合葬墓・永代供養墓を少しだけご紹介します。

静岡県下田市

静岡県の中でももともと人口が少ない部類の都市でしたが、近年さらに人口の減少が著しく、昭和51年に32,152人だった人口が平成29年6月1日の時点では22,464人にまで減少しています。

あるお寺の住職は、この人口の減少を直視し「将来的に家の墓を維持して行くことは現実的に不可能に近い」と考え「体力のあるうちに永代供養墓を整備した」と語っています。

福岡県福岡市

市民からの「将来的に子どもらに迷惑をかけたくない」「継承者がいない」「暮石などが高額すぎる」という声が強くなり、今年4月、2019年度の着工を目標に合葬墓の設立に向けた検討を開始しました。

「実際に利用するかどうかは未定」という市民が44.2%と多いものの、「利用したい(35.1%)」人は「利用したくない(18.1%)」人を大きく上回っており、明らかに合葬墓に対するニーズが高まっていることが分かります。

長野県塩尻市

「合葬墓を求める市民が増えている」ということで、合葬墓の建設を進めています。

2014年に実施した調査では市の霊園を希望する2,200世帯のうち、31%にあたる約700世帯が「合葬墓などの共同埋葬墓地を希望する」としています。

多くが「人口が減って来て維持が困難」「子どもに迷惑や負担をかけたくない」「継承者がいない」といった理由によるものですが、都市部ではまた少し違った理由で合葬が増えています。

東京都

東京都では、都立霊園が1971年以来ほとんど増えていないにも関わらず、募集数が拡大しています。

都立霊園は民間の霊園よりも割安なため、これまでは急増する利用者の受け皿として大いに利用されてきました。

ところが人口の集中や高齢化が進んだ現在では需要と供給のバランスが崩れ、供給量が追いつかなくなってきたのです。

かと言ってすでに400平方メートルを超える敷地をさらに広げる余裕もなく、解決策として合葬墓が増えて来たというのです。

東京都東村山市にある都立小平霊園では「樹林墓地」と呼ばれる合葬墓があるのですが、500の募集枠に対して、申し込みが8,000を超えたとも言われています。

このように、合葬墓や永代供養墓などが増えている理由は様々ですが、共通していることは

・高齢化

・人口の減少 

の2点であることが分かります。

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合葬墓にはどんなメリットがあるの?

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ひとまずここでは「合葬墓=永代供養墓」として話を進めて行きますが、どのようなメリットがあるのか見てみましょう。

値段が安い

一般的なお墓の建設にはトータルで200万円前後かかると言われていますが、他の遺骨と一緒に納めることでスペース等を節約できること、個人名の墓石を作る必要がないことなどから、50万円~100万円ほどで利用できると言われています。

追加の費用がかからない

一度納めてしまえば、お寺や霊園が継続的に供養や維持管理をしてくれますので、その後費用がかかることがありません。

墓守がいなくても安心

子供がいなくて自分が他界した後に継承者がいなくなってしまうという場合でも、お寺や霊園が管理をしてくれますので安心です。

無縁墓や無縁仏のリスクがない

お寺や霊園が存続している以上、無縁墓や無縁仏となるリスクがありません。

合葬墓にはこのようなメリットがあると言えます。

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合葬墓のデメリットや注意点は?

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しかし、逆にデメリットや、注意すべき点などもありますので覚えておきましょう。

遺骨を取り出すことが困難

一度合葬墓に納骨してしまうと、遺骨を取り出すことができないことがほとんどです。

もし後から改葬をしたいと思ってもできなくなってしまう可能性があります。

故人の供養ができない

特定の故人のお墓ではありませんので、お墓参りをすることはできますが”合葬墓に納められている遺骨全体へのお参り”という形になってしまいます。

無縁墓や無縁仏のリスクはゼロではない

お寺や霊園が存続し続けてくれれば問題はありませんが、もしお寺を閉めてしまったり、倒産などによって霊園がなくなってしまったら、合葬墓に納められた遺骨を供養したり維持管理をする人がいなくなってしまいます。

他人との合葬に抵抗感がある人も

生きている間に全く何の関わりもなかった他人と同じお墓に入ることに対して、もしかすると故人は強い抵抗感を抱くかも知れません。

もちろん他界しているので分かりませんが、存命の親族の中にもそのような価値観の方がいないとも限りません。

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共同墓の利用は慎重に検討してください

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「継承者がいないから」「子どもに負担をかけたくないから」という理由で簡単に合葬墓や永代供養墓を選ばずに、「遺骨が取り出せなくなる可能性がある」「他人と一緒のお墓である」「永久に供養してくれるとは限らない」などのリスクを把握するとともに、遺族や縁者の理解を得るなど、まずはじっくりと検討してから決めることが大切です。

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ABOUTこの記事をかいた人

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士