いざ解体業者を探そうと思ったとき「どうやって探せば良いの?」「どんな業者が優良なの?」と迷ってしまうと思います。
この記事では、栃木県で優良な解体業者を探す方法をはじめ、施主として知っておきたい知識、解体業者を探す際の注意点について解説しています。
解体工事の予定がある人、将来的に解体工事が必要になるかもしれない人はぜひ、参考にしてください。
- 近所の人や、知人、親族など解体工事を経験したことがあり、知っている解体業者がいる
- 過去または現在進行形で解体業者と何らかの関わりがあり、ある程度絞り込むことができる
といった人もいますが、ほとんどの人は一から解体業者を探すことになります。
期間に余裕があってじっくり探せる人もいれば、忙しくてなかなかじっくり探す時間が取れない人もいます。
あるいは、一から探すといった手間が面倒に感じる人もいるかもしれません。
そこでまずは、優良な解体業者を効率的に探す方法を紹介します。
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栃木県で優良な解体業者を効率的に探す方法は?
栃木県で優良な解体業者を効率的に探す方法としておすすめなのは「栃木県解体工事業協会」の会員になっている解体業者から絞り込む方法です。
解体工事業の健全な発展と地域社会への貢献を目的として設立された栃木県解体工事業協会は、解体業者や、解体工事業に関わるさまざまな事業者で結成されている団体です。
会員となっている解体業者は、建設業許可や産業廃棄物収集運搬業許可といったように、優良な解体業者の基本的な判断基準となる許可を取得しています。
- じっくり探す時間がない
- 手っ取り早く探したい
といった人は、栃木県解体工事業協会から探すと良いでしょう。
優良な解体業者かどうかを見分ける5つのポイント
「手っ取り早い探し方」として思い浮かぶのは、ネット検索です。
「栃木県 解体業者」で検索すれば、多数の解体業者がヒットします。
しかし、ネットで探す場合、その解体業者が優良かどうかは自分で判断しなければなりません。
そこで、続いては優良な解体業者かどうかを見分ける際のポイントを解説します。
解体工事業登録や建設業許可を済ませている
解体工事業を営むために必要なのが「解体工事業登録」または「建設業許可」です。いずれかがなければ、解体工事を受注したり施工したりすることはできません。
もちろん、ほとんどの解体業者は解体工事業登録または建設業許可を済ませています。
しかし、無登録・無許可で営業している悪徳業者がいないとは言い切れません。
自分で探す場合、こうした基本的な情報を知らないと、誤って違法に営業している業者に依頼してしまうリスクもゼロではありません。
第一段階として、解体工事業登録や建設業許可を済ませているか、解体業者のホームページにアクセスし、会社概要や企業情報といったページで確認しましょう。
なお、ホームページに情報が掲載されていない場合、次の方法で解体工事業登録または建設業許可を済ませているか確認することができます。
- 解体工事業登録の調べ方
栃木県のホームページ「解体工事業の登録について」には、解体工事業登録業者名簿が掲載されています(pdfファイルで開きます)。
新規登録、あるいは登録の取り消しといった最新の情報が反映されるまで多少のタイムラグはありますが、ほぼ最新情報が掲載されていますので、参考になるでしょう。
- 建設業許可の調べ方
栃木県のホームページ「建設業栃木県知事許可業者一覧について」では、建設業許可業者名簿が掲載されています(こちらはExcelファイルで開きます)。
やはり最新情報が反映されるまでには多少のタイムラグがありますが、高い頻度で更新されているため、参考になるでしょう。
もし建設業栃木県知事許可業者一覧に掲載されていない場合、国土交通大臣の許可を得ている業者の可能性もあります。
国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」では、商号または名称、あるいは許可番号といった方法から調べることができます。
経営実績や施工事例が豊富
経営実績(年数)があり、施工事例も豊富といった業者は、それだけで信頼性が高いと言えます。
過去にトラブルを起こしたり不正行為を働いたりした業者は、営業停止や解体工事業登録または建設業許可の取り消しといった処分を受けている確率が高くなります。
そうなれば、信頼を失い、経営を続けていくことは困難です。
経営年数が長いとうことは、過去にそうしたトラブルもなく、健全に経営している業者と言えるでしょう。
また、施工事例の多さは、経験が豊富であることの証です。これまで、質の良い解体工事を続けてきた業者と言えます。
施主側に知識がなくても、解体工事について色々とアドバイスしてくれたり、効率よく解体工事を勧めてくれたりするといったメリットも考えられます。
問い合わせ時の対応が良い
問い合わせたときの対応や印象が良い、約束した時間に連絡をくれる、といった部分がしっかりしている業者は、優良な解体業者の条件の一つです。
高圧的な態度で接客されたり、約束の時間になっても連絡がこなかったりすると、「この業者に依頼しても大丈夫だろうか?」と不安になってしまいます。
解体工事は一生に何度も経験するものではありませんし、自分で探すとなれば知らないことだらけで不安が大きいものです。
しっかりと対応してくれる業者であれば、安心感や信頼感につながっていきます。
- 実際に会った時の担当者の印象が良い
見積もりを出してもらう際は、現地調査を実施します。
このとき、担当者の見た目の印象や話し方、表情、どこまで細かく調査してくれるかといったことをチェックしておきましょう。
振動や騒音、粉塵の飛散に対するクレーム、作業員や工事車両に対するクレームといったように、解体工事にはさまざまな近隣トラブルのリスクが伴います。
万が一トラブルが発生した際、迅速かつ誠実な対応をすることが、トラブルを最小限に止めるためにも重要です。
担当者の印象や対応を見ておくのは、トラブルの際にきちんと対応してもらえそうかどうかを見る意味もあります。
現地調査のほか、工事前の挨拶回りや説明会のときも近隣住民に丁寧に接してくれているか、とったことも確認しておきましょう。
見積書は金額が明確かつ項目がきちんと分けられている
見積書は金額が明確であり、工事内容が項目ごとに細かく分けられているのが理想です。
工事費用の総額だけではなく、どの工事にいくらかかるのか、とった点も目を通しておきましょう。
また、依頼したはずの工事内容が項目に含まれていない、または、内容や金額が不明な項目がある、といった場合はその場で確認しましょう。
- 過去に処分を受けた業者を調べることもできる
もっとしっかり解体業者について調べたいと思った人は、国土交通省の「建設業者の不正行為等に関する情報交換コラボレーションシステム」を利用してみてはいかがでしょうか。
このシステムでは、過去に営業停止や許可取り消しといった処分を受けたことがある建設業者を探すことができます(ただし、検索できるのは処分を受けた日から5年間までです)。
過去に処分を受けても、改善されて優良な解体業者として再スタートしているかもしれません。
また、疑っているような気持ちになってしまうかもしれません。
しかし、本当に安心したうえで解体工事を依頼したいという場合は、利用してみるのも良いでしょう。
施主が身につけておきたい解体工事に関する6つの知識
解体工事は解体業者にお任せする、というのはもちろん間違いではありませんが、施主として身につけておきたい知識もあります。
施主が直接的に関わるため、ぜひ押さえておきたいという知識もあれば、不要なトラブルを避けるために知っておきたい知識もあります。
ここでは、そうしたポイントを6つに絞って解説します。
施主が関係する解体工事前後の届出
解体工事前後にはさまざまな届出が必要になります。その中で、施主が直接関わってくるのが
- 建設リサイクル法に基づく届出
- ライフラインの停止
- 建物滅失登記
といった届出や申請です。
- 建設リサイクル法に基づく届出
床面積80平米以上の建物を解体する際、着工の7日前までに栃木県知事に申請します。
届出の義務は施主にありますが、解体業者が申請代行してくれるケースがほとんどです。
しかし、必ずしも代行してくれるわけではありませんので、打ち合わせの際に「建設リサイクル法の届出は代行してもらえるか」を確認しておくと安心です。
うっかり忘れてしまうと解体工事が行えませんので、覚えておきましょう。
詳しくは国土交通省のサイトに掲載されています。
国土交通省「建設リサイクル法第10条の届出について」(pdfファイルが開きます)
- ライフラインの停止
電気、ガス、電話、インターネットといったライフラインを停止します。
それぞれの契約会社に連絡し、適切なタイミングで停止しましょう。
水道は、解体工事中の粉塵の飛散防止、清掃、アスベスト含有健在の解体といったケースで必要になることがあります。停止する前に、解体業者に確認しておきましょう。
- 建物滅失登記
その土地の上から建物が存在しなくなったことを証明するための登記です。解体工事完了後、1ヶ月以内に法務局で登記を済ませます。
登記を忘れてしまうと、最大で10万円の過料が科せられることがあるほか、存在しない建物に対して固定資産税が発生してしまうため、必ず行いましょう。
登記を申請するには次の方法があります。
法務局に出向いて申請
ア. 「建物の登記簿謄本」を取り、登記内容を確認する
イ. 「建物滅失登記申請書」を作成する
ウ. 「建物取毀(とりこわし)証明書」を添付して提出する
エ. 「登記完了証」を受け取る
「建物滅失登記申請書」は法務局で手に入ります。また、「建物取毀証明書」は解体業者が発行してくれます。
その他に、「解体業者の登記簿謄本等と印鑑証明書」が必要になりますので、解体業者に依頼して取り寄せてもらいましょう。
申請用紙の様式については、法務局のホームページで確認できます。
オンライン申請
以下のサイトでは、オンライン申請が可能です。法務局に出向く時間がない人や、オンライン申請に慣れている人はこちらを利用しましょう。
土地家屋調査士に依頼
専門家に任せてしまいたいという人は、土地家屋調査士に依頼することもできます。
代行費用は4万円程度が相場となっています。
忙しい人、面倒な手続きが苦手な人、オンラインが苦手な人は土地家屋調査士への依頼も検討しましょう。
なお、法務局にて建物滅失登記が完了すると、法務局から役所へと通知が届くのが一般的です。
そのため、施主(あるいは土地の所有者、相続人)が特別なことをしなくても、翌年1月1日から建物に対する固定資産税が発生しなくなるのが通常です。
しかし、稀に請求が続くことがあります。
その場合は、役所に確認し、建物滅失登記が済んでいることを伝えましょう。
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廃棄物の流れを知ることも大切
産業廃棄物の流れを知っておくことは、施主として非常に大切です。
社会問題になっている産業廃棄物の不法投棄といった不適正処理に対しては、厳しい罰則が設けられています。
特に不法投棄においては、それを行った業者のみならず、施主も罰せられる恐れがあります(未遂の場合も含まれます)。
解体業者は
- 産業廃棄物収集運搬業許可を得ている(自社で産業廃棄物を運べる)業者
- 産業廃棄物収集運搬業許可を得ていない(別の専門業者に委託する)業者
に分かれます。
前者の場合、自社で収集運搬できますので、透明性があります。さらに、自社で処分場を保有している業者であれば、より安心です。
そのうえ、別の専門業者に委託する際の中間マージンが必要ありませんので、解体工事費用を抑えることにもつながります。
一方、後者の場合、解体業者の手元を離れた産業廃棄物が、次にどこへ行き、どのように処分されるのかが不透明です。
そこで施主として知っておきたいのが、「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」の存在です。
マニフェストは、産業廃棄物を輩出する事業者、つまり解体工事を依頼した解体業者が作成し、管理する義務があります。
解体工事で輩出した産業廃棄物が、いつ、どこへ、どの業者によって運ばれ、どの処分場で最終処理されたのか、といった一連の流れが分かるものです。
5年間、保管されることになっていますので、解体工事完了後に何かしらの問題が発覚した場合でも重要な証拠となります。
打ち合わせの際に「マニフェストを発行してもらえるのか」「写しをもらっても良いか」を確認しておきましょう。
解体費用は施工条件によって変わる
解体費用は、たとえまったく同じ床面積、木造2階建てといった条件でも、次のようなケースでは大きく差が出ることがあります。
- 浄化槽といった地中埋設物の撤去工事が付帯する
- 倉庫やカーポート、物置などの撤去工事が付帯する
- ブロック塀や庭木、庭石の撤去工事が付帯する
- 重機が入れないため手壊しによる解体が中心になる
- アスベスト含有建材の解体工事が発生する
などです。
これは、施主としてぜひ知っておきたいポイントです。
解体費用が高くなってしまうケースを知っておかないと
「ほとんど同じような構造の隣の家が80万円だったのに、うちは120万円かかった。ぼったくりではないか」
と感じるなどし、不要なトラブルに発展してしまう恐れもあります。
「高いかな?」と感じたら、まずは高くなりそうな付帯工事などが含まれていないか見直してみましょう。
相見積もりは大切
見積もりは2社程度から取るのが一般的です。
1社だけでは、その金額や記載されている内容が適正かどか、判断が難しくなります。
また、担当者の対応の違いを知ることもできます。
ただし、4社〜5社など多すぎると、逆に判断基準が分かりにくくなってしまいます。
現地調査の日時調整、打ち合わせなどの時間の都合をつけるのも大変になるので、2社程度がベストでしょう。
栃木県が行っている補助金・助成金制度
栃木県には、解体工事に利用できる補助金や助成金を交付してくれる市町村があります。
こうした制度を利用できれば、実質的に解体費用を抑えることになります。
交付を受けるための条件は市町村ごとに異なりますので、まずは一度、管轄の市町村に確認してみることをおすすめします。
なお、以下の記事では、栃木県内の市町村が実施している解体工事に関する補助金・助成金制度の一部を紹介しています。
栃木県内の解体費用の相場と併せて、ぜひ参考にしてみてください。
解体工事に必要な登録や許可も知っておこう
解体工事業を営むには「解体工事業登録」「建設業許可」が必要といいました。
この2つは具体的にどう違うのか、基礎的な知識を身につけておきましょう。
解体工事業登録
工事金額500万円未満の解体工事を請け負う際に必要です。
本社や営業所が栃木県にあり、解体工事の現場も栃木県の管轄内という場合は、栃木県知事に登録を申請します。
本社や営業所が栃木県にあり、茨城県や新潟県といった栃木県の管轄外で解体工事を施工する場合は、それぞれの県知事に登録を申請します。
建設業許可
工事金額500万円を超える解体工事を請け負う際に必要です(500万円以下の工事も請け負えます)。
本社や営業所が栃木県にある場合は、栃木県知事に申請します。
一方、複数の都道府県に営業所がある場合や、栃木県の管轄外で解体工事を施工する場合は、国土交通大臣に許可を申請します。
※これまで、「土木工事業」「建築工事業」「とび・土工工事業」といった建設業許可があれば、解体工事を請け負うことが可能でした。
しかし、平成28年6月1日から「解体工事業」の建設業許可が新設され、それ以来、500万円以上の解体工事を請け負うには「解体工事業」の許可が必要になっています。
ただし、経過措置として、平成28年6月1日以前に「とび・土工工事業」の許可を受けている業者は、平成31年5月31日まで解体工事を請け負うことができます。
建設業許可は、解体工事業登録と比べて請け負える工事の幅が広いことや、許可を得るための条件が厳しいことなどから、社会的な信頼性が高い許可です。
なお、「建設業許可」を受けた場合、「解体工事業登録」は不要となるため、登録を取り消すことになります。
栃木県で解体業者を探す際に注意したい3つのポイント
ここまで、栃木県で優良な解体業者を探す方法と、施主として身につけておきたい知識を解説してきました。
最後は、栃木県で解体業者を探す際に注意したい3つのポイントを解説します。
1.無登録・無許可業者への依頼は絶対にやめよう
当然ですが、解体工事業登録、建設業許可を済ませていない業者に依頼することは絶対に避けましょう。
判断がつかない場合は、1章で紹介したシステムや栃木県のホームページから確認しましょう。
2.見積もりが曖昧、または極端な値下げをしてくる業者は慎重に
他社の見積もりを見たり聞いたりしたうえで、極端な値下げをしてくる業者は注意しましょう。
値下げした分、どこかで利益を確保する必要があります。
その際、不法投棄といった不適切処理や手抜き工事を働く恐れがあるためです。
前述したように、不法投棄は施主も罰せられることがありますので、十分に注意が必要です。
3.便利な一括見積りサイトだがデメリットもある
簡単な情報を入力するだけで、複数の解体業者に一括見積もりを依頼できる便利なサイトも登場しています。
時間がない人や、探すのが面倒な人はつい利用してしまうかもしれません。
しかし、仲介業者を挟むということは、中間マージンが発生しているということを知っておきましょう。
この場合、中間マージンは一括見積もりサイトを通して依頼を受けた解体業者が、サイトの運営会社に支払うのが一般的です。
しかし、その中間マージンが、知らずのうちに解体費用に含まれていることもあります。
本来、解体業者が支払うべきものを施主が負担し、かつ解体費用がその分高くなってしまうのです。
便利な反面、こうしたデメリットが考えられることも覚えておきましょう。
なお、一括見積もりサイトに限らず、工務店やハウスメーカーを介した場合も同じことが考えらえます。
たとえ仲介を挟んでも、解体工事を施工するのは解体業者です。
仲介業者を挟むことで、中間マージンが発生するだけでなく、意思疎通がうまくいかないケースもあります。
- 依頼していたはずの工事が含まれていなかった
- 庭木は残しておいてほしいと言ったのに撤去されてしまった
といったリスクもゼロではありません。
解体工事は、プロである解体業者に直接、依頼しましょう。
まとめ
解体工事は人生の中で一度経験するかしないかの貴重な工事です。
施主の知識、近隣住民の理解や協力、そして解体業者の質の良い工事があって初めて、みんなが納得のいく解体工事が行えます。
優良な解体業者を探すためにも、次のポイントを押さえておきましょう。
- 解体工事業登録または建設業許可を済ませている
- 経営実績があり、施工事例も豊富
- 担当者の対応や印象が良く、意思疎通も図れる
- 見積書がしっかりしている
また、施主として最低限、押さえておきたい解体工事に関する知識も紹介しました。
知っているのと知らないのとではトラブルを招くリスクに大きな差が出てきます。
特に産業廃棄物の流れは社会問題にも直結する大切なポイントです。
ぜひこの機会に身につけておきましょう。
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