解体見積り書の正しい見方を解説

解体見積り書の内訳とは

解体工事の見積書ってご覧になったことはありますか?

解体工事なんて、しょっちゅう依頼する事は無いでしょうから、見積書を見たことはもちろん、見たって何の事が記載されているのか分からないことの方が多いかと思います。

普段から気に掛ける事でもないでしょうけど、もしも解体工事をしなければならなくなった時に備えて参考にして頂けたらと思います。

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解体工事の見積書は分かりづらい!?

次の見積書をご覧ください。

30坪の家を解体するとした場合の見積書です。

名称 規格・寸法 数量 単位 単価 金額 適用
建屋解体工事 母 屋 
解体・撤去工事 30坪 木造住宅2F 1.0 611,500
設備撤去費用 電気・電話・ガス・水道 1.0 50,000 50,000
工事費 661,500
諸経費 重機運搬・手続き等 1.0 80,000
小計 741,500
▲値引き -1,500
工事費計 740,000
消費税  8.0 59,200
工事費合計 799,200

30坪の家解体見積り 内訳書

名称 規格・寸法 数量 単位 単価 金額 適用
建屋解体工事 母 屋
建屋解体(内部) 木造2F 人力作業 30.0 2,700 94,500
建屋解体(外部) 木造2F 機械作業 30.0 3,900 136,500
基礎撤去 基礎・土間コン撤去 5.0 11,500 57,500
小 計 288,500
発生材収集運搬
収集運搬 4t深DT 8.0 10,000 80,000
小 計 80,000
廃材処分費 
処分費 木くず 9.0 12,000 108,000
処分費 廃プラスチック類 0.5 65,000 32,500
処分費 廃石膏ボード 1.0 40,000 40,000
処分費 ガラス陶磁器類 1.5 29,000 43,500
処分費 鉄くず類 1.0 -5,000 -5,000
処分費 コンクリート殻 12.0 2,000 24,000
小 計 243,000
合 計         611,500 

いかがですか?

内容の意味分かりますか?

他の業種も一緒でしょうけど、特に専門性の高い仕事ですと内訳が分かりづらいですよね。

またどれが適正な価格かも分からないので、結局一番安い所に依頼する、といった判断基準になってしまいがちなのです。

ですが、それだと価格だけの判断なので工事内容が希望通りなのかが分かりません。

ここまでやってくれるだろう、と思っていたのに実は見積りに入っていなかった為にやっていない、なんて事も結構ある事です。

そこまでやるなら追加料金が発生します。なんて言われたらショックですよね。

ですので、価格だけの判断ではなく見積書の内容もしっかり確認して、間違いのない解体工事を行って頂くためにも、事項からをしっかりとご確認ください。

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解体見積書の内訳を解説

解体工事の内訳は大きく分けると以下の項目になります。

仮設工事費

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工事に入る前に必要な事前準備の費用です。

工事を行う際には必要ですが、完了すると撤去する事をいいます。

例えば、搬入路が狭かったり、舗装されていない、または舗装のひび割れ防止などのために設置する「敷鉄板」などがこの仮設費にあたります。

地盤が悪い工事用通路には「敷鉄板」が必要になります。

また、解体した破片が近隣へ飛ばない様に設置する「飛散養生シート」もこれにあたります。

近隣と近い建物だと「飛散養生シート」を設置する事が常識となります。

こういった、事前に行う作業を「仮設工事費」といいます。

解体工事費

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こちらがメインの建物を壊すための工事費用になります。

解体工事をさらに分けると「内部解体」「外部解体」に分けられます。

内部解体は、建物自体を機械で解体する前に、建物内部の造作物を撤去する作業です。これは主に全て人力での作業となります。

続いて外部解体ですが、こちらは躯体そのものを機械(重機)によって壊していく作業となります。

また、基礎部分も分けて表示される業者さんもいらっしゃいます。

廃材運搬費

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解体によって出た建築材料を「廃材」といいます。

正式には「産業廃棄物」となりますが、この廃材を所定の処分場まで運搬する費用の事です。

運搬するのは、廃材運搬専用のダンプトラックとなります。

見かけたことがあるかと思いますが、通常のダンプより荷台(背)の高いダンプトラックがこれにあたります。

廃材処分費

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廃材は適正に処分しなければなりません。

適当に捨ててしまうと俗にいう「不法投棄」となります。

ですので、許可をもっている「産業廃棄物処分場」にて適正に処分する必要があります。

そこで廃材を処分する費用となります。

また、内部の残物「家財道具類」が残っていた場合にも同様に処分する費用が発生します。

設備撤去費

電気、電話、ガス、水道などのライフラインの撤去費用です。

電気は地元の電力会社で、電話はNTTで、だいたい無償で撤去してくれます。

外構撤去費

住宅などの建物以外の解体、撤去のことです。

例えば、ブロック塀やカーポート、庭石撤去などもこれに当たります。

会社経費

解体業者の会社経費です。

利益的な要素も含まれていますし、営業経費などもこれに該当します。

具体的に、何の費用?というより、経費として一括りにされているケースが多いです。

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解体物件の種類別、解体見積りの詳細

では、具体的に建物構造によって、見積り内容はどの様に変わってくるのでしょうか?

物件の種類別に見て行きましょう。

各、物件ごとに説明ページがありますので、リンク先をご覧ください。

木造家屋

鉄筋コンクリート造

倉庫、土蔵

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良い見積り・悪い見積り

それでは、良い見積りと悪い見積りとはどこが違うのでしょうか?

悪い見積もりとは…

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一言でいえば、工事内容の詳細が記載されていない見積もりです。

よくあるパターンが「解体工事 1式」だけ、だったり「解体工事 35坪 〇〇円」だけで終わっている様な見積書です。

項目が解体工事だけの内容で、その他の事が記載されていない場合、例えば内部残物の処分費用や外構の撤去関係が記載されていない場合などは、含まれているのかが分かりません。

トータル金額が同じだとしても、内容がよく分からなければ不安ですよね。

良い見積りとは…

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上記とは逆に、詳細がしっかり記載されている見積書ですね。

お客様と打合せした内容、そしてご希望の内容がちゃんと書かれているかが重要となります。

細かい部分をいうと「神棚や仏壇」の撤去処分まで記載されている見積書もあります。

また、見積書だけでなく一緒に「工事内容説明」「サービス一覧」なども記載されている書面があれば、なお一層丁寧であると言えます。

基本的に、解体工事を依頼するお客様は素人で、解体については何も分からない事の方が多いはずです。

その素人なお客様にも分かりやすく作られている事が、良い見積書だと言えると思います。

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解体見積り、ここを見比べよう

まずは全体の総額ですね。

解体工事は家の新築工事などと違って、形状や使用材料などによって金額が変動するものではありません。

全て解体し更地にしていくら、という工事ですので基本的には大きな金額差は生じない工種となります。

しかしながら、上記で説明したように、外構部分での撤去が入っていたり、飛散養生などが入っていなかったりで金額差が生じてきます。

総額を見比べたら、次は中身をよく見て下さい。

やるべき工種が入っているか、要望通りの工種が記載されているかをご確認ください。

より詳細で、分かりやすくい見積りかを見比べて頂きたいと思います。

それと同時に、見積書の見易さだけでなく、その内容を営業マンがしっかりと説明してくれるか?が大きなポイントとなります。

やはり、お客様は解体工事に関しては素人なわけですから、いくら分かりやすい見積りと言えども不明な用語やこれは何?といった内容はあるはずです。

見積書の内容だけで判断するのではなく、担当営業マンが親切丁寧に説明してくれるかをしっかり見極めて下さい。

それが、その会社全体の姿勢です。

分かりやすい見積書、そして信頼できる営業マンであれば問題はまずないかと思いますよ。

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解体見積りは良く見てください

解体工事で後悔はしてほしくはありません。

その為にも、最初の入り口である見積書の選び方についてご説明させていただきました。

ここを、しっかり選ぶか、間違えるかでその後に大きな影響が出てしまいます。

解体工事で失敗しない為にも、まずは正しい入り口をお選び下さい。

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ABOUTこの記事をかいた人

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士