両親が介護施設に入居する、他界してしまったなどという理由で実家が空き家になってしまったらどうすれば良いのか困ってしまいます。
自分が空き家に住んだり、建て替えたりできれば良いですが、すでに遠方に住んでいる場合や持ち家を所有していると難しいですよね。
しかし、どんな理由があっても空き家になった実家をそのまま放置することは絶対にやめましょう。
なぜなら空き家を放置するのは様々な危険を伴い、自分だけでなく近隣の住民に迷惑をかけることになるからです。
当記事を最後までご覧いただければ、空き家を放置する危険性だけでなく、そういった危険を回避するための対策までしっかり把握できます。
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空き家を放置する8つの危険やデメリット
空き家を放置すると様々な危険性を伴います。
所有者自身のみならず周辺住民にも迷惑がかかりトラブルになる可能性があるので、絶対に空き家を放置するのはやめましょう。
では具体的に空き家を放置するとどういったデメリットがあるのかを詳しく解説していきます。
資産価値が下がる
空き家は窓や玄関が閉め切られていることで換気がされず、湿気による老朽化が進行してしまいます。
そのため人が居住している家よりも空き家のほうが資産価値が下がりやすいのです。
放置した空き家を売却しようと思っても、家自体に価値がないと評価されれば希望していたよりも少ない金額で手放さなくてはならない可能性があります。
空き家は所有しているだけで固定資産税が発生するので、資産価値が下がれば維持費を支払うのが無駄に感じるはずです。
倒壊や破損で周囲に損害を与える
空き家の老朽化が進めば台風や地震などで倒壊する危険があります。
倒壊までは至らなくても窓ガラスや屋根瓦が破損して周囲に飛散してしまう可能性もあるでしょう。
もしも倒壊や破損で周囲の住宅・施設などに損害を与えてしまった場合、空き家の所有者が損害賠償責任を負うことになります。
また空き家の庭木が折れたり、外構のフェンスやブロック塀などが倒壊したりして周囲に被害を与えた場合も同様に損害賠償の対象となるので注意しましょう。
不審者が侵入・住みついて治安が悪化する
空き家を放置していれば不審者が侵入したり住みついたりする危険性もあります。
特に、草が生い茂っている、窓ガラスが割れているなど外から見ても管理がされていないことが明白なら不審者の標的になりやすいです。
また、空き家の外壁などに落書きをするような不届き物が出入りする危険もあるでしょう。
こういった不審者などが潜伏したり出入りしたりするということは、最悪の場合周辺の住民が犯罪の被害に合う可能性もあり治安の悪化につながってしまいます。
悪臭や害虫が発生する
空き家を放置し管理が行き届いていないことが分かれば、ごみの不法投棄をされる危険もあります。
そうなると悪臭や害虫の発生につながってしまい、周辺住民と大きなトラブルになりかねません。
今後一切、近所の方々とのお付き合いができなくなってしまうデメリットもあります。
放火や自然発火により火災が起こる
空き家は枯草や古紙などが散乱している状態も多く、放火の標的にされてしまう危険性が高いです。
また、自然発火による火災が起こってしまう可能性もあります。
放火が原因であっても空き家が出火元で隣接する住宅に延焼してしまうと、所有者の管理状況を問われ賠償責任を負うケースも出てきます。
一番の被害者であるにもかかわらず、犯罪行為を助長した加害者にもなり得るというわけです。
景観を損ねる
老朽化した空き家や、草木が生い茂った庭、いたずらで落書きをされた外壁などは景観を損ねてしまいます。
特に隣の家に住んでいる住民にとっては気持ちの良いものではないはずです。
空き家の管理は街の景観を保つためにも大切なのです。
固定資産税が最大6倍まで高くなる
不動産を所有していると必ず支払わなくてはならないのが固定資産税です。
通常、住居が建っていれば住宅用地特例の対象となり固定資産税の軽減措置がされるため、更地の状態と比べると最大で6分の1まで負担する税金が少なく済みます。
しかしこの軽減措置は空き家を解体するのを敬遠させ、空き家を増加させる原因の一つにもなっているため、空き家対策特別措置法で「特定
空家等」に認定された空き家は固定資産税の軽減措置の対象外とすることが決まりました。
そのため「特定空家等」に認定された空き家は、これまで支払っていた固定資産税の最大6倍もの金額を負担しなければなりません。
特定空家等に認定される状態とは
前述した「特定空家等」に認定されてしまうのはどういった空き家なのかをまとめました。
- 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
- 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
- 適切な管理が行われていないことにより景観を損なっている状態
- 周辺の生活環境の保全のために放置することが不適切な状態
これらはすべて空き家を放置することで起こる危険にも該当することが分かります。
つまり放置している空き家は「特定空家等」に認定される可能性が高いということです。
ただし一度認定されてしまったとしても、その要因となった不適切な箇所を改善すれば「特定空家等」から解除されることがあります。
強制解体される
空き家が倒壊など危険な状態にあるにもかかわらず所有者が放置したままにしておくと、自治体からの指導や勧告、命令といった手順がとられたのち最終的には自治体の行政代執行により強制解体・強制撤去されます。
この場合、解体費用は撤去費用は所有者に請求されることになります。
強制解体されたくないのであれば、無視せずにきちんと行政の指導に従いましょう。
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空き家を放置して起こる危険を回避する方法
空き家を放置すると様々な危険やデメリットがあることが分かりましたが、これから紹介する方法のいずれかを実行できれば、空き家を放置して起こる危険は回避できるので安心してください。
空き家を売却する
空き家を所有して今後も誰も住む予定がないのであれば、思い切って売却するのがおすすめです。
売却すればまとまったお金が手に入りますし、固定資産税も支払わなくて済むので金銭面でのメリットが大きいです。
なお、そのまま誰かが住めたりリフォームすれば十分なほど空き家の状態が良ければそのまま売りに出しても良いですが、状態が著しく悪い場合には所有者負担で解体することを条件にしなければなかなか買主が見つからない可能性があります。
空き家を活用する
空き家を手放したくないなら、上手に活用して家賃収入を得ることもできます。
たとえば誰かに貸したり、シェアハウスや民泊にするといった方法が挙げられます。
しかし空き家の状態が悪いのであれば大規模なリノベーションが必要になり、初期費用の負担が大きくのしかかります。
また、すぐに借り手が見つかるとは限らないので、空き家の立地なども考慮して活用できるかを判断しましょう。
空き家を解体する
空き家を手放したくない場合で、老朽化が進み誰かに貸すのは難しいのであれば解体することも検討しましょう。
解体しても土地は手放さずに済むので、将来子供や孫に譲ることもできます。
解体費用で約100万円~300万円は負担しなければならず、更地になると固定資産税が6倍になりますが、それでも空き家を放置して近隣の住宅へ迷惑をかけたり損害を与えたりするよりは良いのではないでしょうか。
可能であれば更地にした土地を駐車場として貸せば収入を得ることもできます。
空き家をきちんと管理する
空き家を手放したくないが解体をするのも悩むという場合には、空き家を放置せずきちんと管理・手入れするのがおすすめです。
そうすれば最初に述べた8つのデメリットや危険を伴うことなく空き家を維持することができます。
しかし、空き家が遠方にあるとこまめに手入れしに出向くのは難しいため、その場合には有料になるものの空き家の管理をしてくれる専門業者へ委託するのがおすすめです。
空き家の危険性まとめ
実家が空き家になってしまってもたくさんの思い出が詰まっていて、なかなか売却や解体といった方法に踏み切れないこともあるはずです。
しかし空き家を放置すると倒壊や不法侵入などたくさんのリスクを抱えることになります。
空き家を所有することになったのであれば、きちんと管理をして周辺の住宅や自治体に迷惑にならないよう気を付けなければなりません。
遠方に住んでいたり仕事が忙しくて管理が難しいと考えるなら、お金を払って業者に委託する、もしくは思い切って売却や解体をするようにしましょう。
空き家を放置しないで済むということは、自分だけでなく街の安全を守ることにもつながります。
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