千葉県内で建物の解体工事を行うとき、気になるのが費用です。
解体費用はさまざまな条件によって大きく異なりますが、ここでは一般的な費用の相場をご紹介するとともに、解体工事に活用できる各自治体が行っている補助金制度などをご紹介していきます。
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千葉県内の解体費用の相場
まずは建物の種類別に、千葉県内の解体費用の相場を見てみましょう。
木造住宅
千葉県内の木造の解体費用の相場は、坪あたり2万5,000円~3万5,000円程度と言われています。
例)松戸市
木造平屋建て23坪 67万円(坪あたり2万9,130円)程度
例)袖ケ浦市
木造2階建て45坪 172万円(坪あたり3万8,222円)程度
例)柏市
木造2階建て37坪 130万円(坪あたり3万5,135円)程度
鉄筋コンクリート造
千葉県内の鉄筋コンクリート造(RC造)の解体費用の相場は、坪あたり4万円~6万円程度と言われています。
例)千葉市
鉄筋コンクリート造3階建て73坪 389万円(坪あたり5万3,287円)程度
例)千葉市
鉄筋コンクリート造5階建て135坪 580万円(坪あたり4万3,000円)程度
例)野田市
鉄筋コンクリート造2階建て27坪 150万円(坪あたり5万5,555円)程度
鉄骨造
千葉県内の鉄骨造(S造)の解体費用の相場は、坪あたり3万円~3万5,000円程度と言われています。
例)市川市
鉄骨造2階建て38坪 115万円(坪あたり3万263円)程度
例)船橋市
鉄骨造3階建て52坪 181万円(坪あたり3万4,807円)程度
例)君津市
鉄骨造2階建て37坪 130万円(坪あたり3万5,135円)程度
小屋、倉庫
千葉県内の小屋や倉庫などの解体費用の相場は、坪あたり3万円~5万9,000円程度と言われています。
例)木更津市
プレハブ小屋2階建て26坪 82万円(坪あたり3万1,538円)程度
例)成田市
小屋8坪 28万円(坪あたり3万5,000円)程度
例)千葉市
大型倉庫122坪 565万円(坪あたり4万6,311円)程度
千葉県内の建物の種類別解体費用の相場はこのようになります。
しかしながら、解体費用は同じような建物であっても、さまざまな条件によって大きく変わってきますので、覚えておく必要があります。
たとえば、同じ木造2階建て100坪の住宅であっても、次のような場合は解体費用が相場よりも高くなる可能性があります。
狭い場所で重機が入れない
現場前の道路が狭いなどで重機が入れないため、解体は人力による手壊しがメインになるというケースです。
人力では時間と労力が大きくなりますので、その分費用が膨らむ可能性があります。
また、廃棄物を運搬するトラックなども入れないとなると、その廃棄物を運ぶのも人力になる可能性があり、その場合も時間や手間がかかりますので解体費用が高くなる可能性があります。
隣接する建築物との距離が近い
狭小地にも通じることですが、隣接する建築物との距離が近い場合、重機で解体できなかったり、より入念な養生が必要になったりするため解体費用が膨らむ可能性があります。
付帯工事が発生する
カーポートやブロック塀の撤去、浄化槽など地中埋設物の撤去といった付帯工事が生じる場合は、解体費用が相場よりも高くなる可能性があります。
特に地中埋設物は現地調査の時点では発見できませんので、追加費用になることがほとんどです。
勝手に撤去されて追加費用を請求された、ということのないよう「解体工事中に地中埋設物が発見された場合はどうするか」を事前に取り決めてトラブルを未然に防ぎましょう。
そのほかにも、解体する建物の床面積が小さいほど単価は高くなる傾向にあったり、アスベスト含有建材を使用している場合は解体費用が高くなったりなど、さまざまな条件によって大きく変わってきます。
上記の相場はひとつの目安として捉えていただき、まずは解体業者に現地調査を依頼して見積もりを取り寄せましょう。
千葉県内の解体補助金制度
続いて、千葉県内の各自治体が行っている解体に関する補助金制度をご紹介します。
なお、ここでご紹介する補助金制度は2018年4月時点のものになります。
補助金制度の要件や内容等は変更になる可能性がありますので、最新情報は各自治体のホームページ等でご確認ください。
千葉市
千葉市では2018年4月現在、解体に関する補助金制度を確認することができませんでしたが、千葉市住宅供給公社が空き家管理支援を行っており、その中で空き家の解体後、駐車場として活用する場合に限り、解体費用の補助を行っています。
「建物を解体したいが、解体後の活用方法を決めかねている」という所有者で、千葉市住宅供給公社が活用可能と判断した場合に限りますが、10万円の解体費用を補助し、なおかつ5年間、千葉市住宅供給公社が駐車場事業を行うというものです。
木更津市
木更津市では、市が別途実施している木造住宅耐震診断事業により「1.0未満」の診断結果だった住宅の耐震改修または除却(解体)を行う場合に、その費用の一部を補助してくれる木造住宅耐震改修事業を行っています。
建築年度は特に指定がなく、木更津市内に本店、支店、営業所を開設している解体業者が解体する場合に限り、解体工事費×3分の1の額を、1,000未満切り捨てで20万円を上限に補助してくれるというものです。
ただし、耐震基準が変わった昭和56年6月1日以降に建てられた住宅については10万円が上限となります。
また、解体に関する直接的な補助金制度ではありませんが、がけ地近接危険住宅移転事業においては
- 災害危険区域内または高さ2m以上で角度30度を超えるがけ地に近接している住宅
- 昭和47年以前に建築された住宅で、その後増改築を行っていない住宅
に該当する場合、移転費用を補助してくれます。
袖ヶ浦市
袖ケ浦市では、対象が一般住宅ではありませんが、区等集会施設建設補助金制度において自治会活動の推進を図るため、区等で行う集会施設の建設に関する経費に補助金を交付しています。
解体工事に要する経費のうち30万円を上限に2分の1まで補助してくれるというものです。
市原市
市原市では2018年4月現在、解体に関する補助金制度について確認することができませんでした。
長柄町
長柄町では2018年4月現在、解体に関する補助金制度について確認することができませんでした。
浦安市
浦安市では2018年4月現在、解体に関する補助金制度について確認することができませんでした。
習志野市
習志野市では2018年4月現在、解体に関する補助金制度について確認することができませんでした。
四街道市
四街道市では2018年4月現在、解体に関する補助金制度について確認することができませんでした。
市川市
市川市では市川市耐震改修助成制度(pdfファイルが開きます)を設け、その中の一環として建築物の耐震改修の促進に関する法律</a>の第2条第2項に規定されている耐震改修を行う際、補助金を交付するとしています。
同法で規定されている耐震改修には、建物の一部の除却(解体)も含まれています。
建物すべてを解体する場合とは異なりますが、耐震改修のため一部だけ解体したい場合は利用できる可能性があります。
補助対象となる木造住宅は
- 市川市内に現存する建築物であること
- 人の住居の用に供する建築物であること
- 建築基準法に規定する主要構造部が木材であること
- 在来工法によって建築された建築物であること
- 昭和56年5月31日以前に着工された建築物であること
- 一戸建ての建築物又は併用住宅(居住の用に供する部分の延べ床面積の占める割合が2分の1を超えるもの)であること
- 地上階数が2以下であること
- 市川市が行う木造住宅耐震診断補助金の交付を受けて行われた耐震診断により1.0未満の評価を受けた建築物であること
- 建築基準法第6条第1項に規定する建築基準関係規定に違反していないこと
上記の要件を満たしている必要があります。
耐震改修工事・工事監理費補助として、耐震改修工事施工者および工事監理者に支払う額の合計(住宅の床面積1平米に32,600円を乗じた額を上限とし、1,000円未満は切り捨て)に、100分の23を乗じた額を補助してくれるというものです(上限は40万円)。
また、耐震改修に伴うリフォーム工事費補助金として、リフォーム工事施工者に支払う額の合計に100分の23を乗じた額を、23万円を上限に補助してくれます(1,000円未満は切り捨て)。
ただし、建築物の耐震改修の促進に関する法律に規定する「一部の解体」について、市川市がどこまで補助の対象としているかは明記されていませんので、詳しくは事前に問い合わせて確認しましょう。
市川市では、このほかにも危険コンクリートブロック塀等除去(解体)事業補助金を設けています。
建築基準法第42条の道路又は第43条但し書きの基準に適合する道に面し、市川市職員が事前調査で倒壊等の危険があると判定したブロック塀等で、かつ土地または建物の販売を目的として行うものでないことなどが条件となります。
1mあたり1万円を限度(上限20万円)に、危険ブロック塀等の除去(解体)にかかる費用を補助してくれるというものです。
松戸市
松戸市では2018年4月現在、解体に関する補助金制度について確認することができませんでした。
柏市
柏市では2018年4月現在、解体に関する補助金制度について確認することができませんでした。
船橋市
船橋市では2018年4月現在、解体に関する補助金制度について確認することができませんでした。
君津市
君津市では2018年4月現在、解体に関する補助金制度について確認することができませんでした。
茂原市
茂原市では2018年4月現在、解体に関する補助金制度について確認することができませんでした。
佐倉市
佐倉市では、建物の解体に関する補助金ではありませんが、危険コンクリートブロック塀等の除却(解体)及び緑化推進補助事業を立ち上げており、危険コンクリートブロック塀等の解体や生け垣への転換工事に助成金を交付しています。
- 通学路に面したコンクリートブロック塀等で危険な状態にあるもの
- 災害時の避難路に面したコンクリートブロック等で危険な状態にあるもの
- 上記2項に準ずるもの
いすれかに該当するコンクリートブロック塀、擁壁の除却(解体)、樹木の移植などにかかる費用のうち、佐倉市が算定した額の2分の1を、10万円を上限に助成してくれるというものです。
なお、除却(解体)工事のみでも対象となります。
すべてではありませんが、千葉県内の各自治体の解体に関する補助金制度の現状はこのようなものでした。
2011年の東日本大震災では液状化などが大きな問題となった千葉県は、解体費用よりも耐震改修に力を入れているというのが現状です。
耐震診断、耐震改修(リフォーム含む)等の費用を補助または助成してくれる自治体は非常に多かったのですが、一方で解体に関する補助金制度を設けている自治体は少ない印象があります。
しかしながら、市川市の例のように耐震改修に「一部の除却(解体)」を含むケースもあります。
全部解体は本質が異なりますが、耐震改修のための一部解体ならもしかすると補助金を受けることができるかもしれません。
都道府県または地方ごとに「空き家が問題になっている」「耐震性が問題になっている」など状況が大きく異なりますので、その特性に適した補助や助成制度を設けていると言えるでしょう。
なお、ここでご紹介したのは2018年4月時点での情報です。
今後解体に関する新たな補助金制度が創設される可能性もありますので、解体を希望する場合、まずは自治体に問い合わせてみることをおすすめします。
千葉県も解体補助金は充実
今回は千葉県内の一般的な解体費用の相場と、各自治体の解体に関する補助金制度の現状についてご紹介してきました。
解体費用はさまざまな条件で大きく変わってくること、各自治体の解体に関する補助金制度は内容や要件が変更になったり、新たに創設されたりする可能性があることを押さえておきましょう。
また、たとえ「解体に関する補助金」との表記がなくても、一部解体などが認められる可能性もあります。
解体が必要になったら、まずは管轄の自治体に問い合わせて確認しましょう。
なお、補助金を受けるためには市税に未納がない、解体工事着工前(契約前)であるなどの要件を設けている自治体がほとんどです。
補助金をあてにしていたら要件を満たしておらず受け取れなかった、ということのないよう、要件についても事前にきちんと確認しておきましょう。
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