神奈川県の空き家解体補助金や助成金をご紹介

神奈川県は全国でも有数の空き家が多いエリアです。

空き家はさまざまな問題の要因となることが多く、適正な維持管理が求められます。

今回は、神奈川県の空き家事情を詳しく解説するとともに、神奈川県や各市町村が実施している対策、補助金・助成金制度などをご紹介していきます。

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神奈川県の空き家に関する補助金・助成金制度をご紹介

深刻な空き家問題を抱える神奈川県ですが、もちろん県をはじめ各市町村はさまざまな空き家対策を講じています。

ここでは、そのうち空き家に関連する補助金・助成金制度をいくつかご紹介します。

神奈川県の各市町村が実施している空き家関連の補助金・助成金制度

厚木市「空き家対策補助金」

厚木市では、「老朽空き家解体工事補助金」および「要耐震改修空き家取得事業補助金」を設け、空き家対策を行っています。

前者は1年以上空き家になっている戸建て住宅で、昭和56年5月31日以前に建築されたといった各条件を満たした場合、解体工事費用に対して50万円を上限に、2分の1まで補助してくれるというものです。

後者は旧耐震基準の空き家を購入し、新耐震基準に改修して居住した人を対象に、要した改修工事費用に対して最大70万円を補助してくれるというものです。

愛川町「空き家改修費補助制度」

愛川町が設置している空き家バンク(※空き家バンクの詳しい説明については後述します)に登録されている空き家を改修する際に利用できる補助金制度です。

愛川町が定めている要件を満たした場合、改修工事に要した費用に対して20万円を上限に、2分の1まで補助してくれるというものです。

二宮町「住宅リフォーム等助成制度」

二宮町には、空き家のリフォームに関する助成金制度があります。

町税等の滞納がないこと、補助金交付後5年以上町内に居住することといった条件を満たし、かつ二宮町が定めるリフォーム対象工事を行った場合、リフォームに要した工事費用に対して最大10万円を助成してくれます。

藤沢市「空き家利活用事業補助制度」

藤沢市内にある一戸建ての空き家で、かつ1年以上居住者や使用者がいない空き家に対する改修費用などの初期費用を補助する制度です。

藤沢市が定める要件を満たした場合、改修等に要した工事費用に対して100万円を上限に、3分の2まで補助してくれます。

横須賀市「空き家解体補助制度」

横須賀市では、空き家の解体に関する補助金制度を設けています。市が調査などを実施し、周囲に悪影響を与えるおそれがある危険な「老朽空き家」と認定された空き家が対象です。

要件を満たした場合、解体工事に要した費用に対して35万円を上限に、2分の1まで補助してくれるというものです。

上記は一例ですが、このように神奈川県の各市町村は空き家に関するさまざまな補助金・助成金制度を設けています。

現在空き家を抱えており、解体や改修を検討している人は、まずは管轄の自治体に問い合わせてみると良いでしょう。

なお、上記の情報はすべて2018年6月時点のものです。補助金・助成金制度の内容が変更になったり、中止になったりする場合がありますので、最新情報は管轄の自治体のホームページでチェックしてください。

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神奈川県で空き家関連の補助金・助成金制度を利用する際の注意点

神奈川県で空き家関連の補助金・助成金制度を利用する場合、気をつけなければならない点がいくつかあります。

まず、条件が市町村ごとに違いますので、事前によく確認しておくことが大切です。

市町村税の未納があると受けられないケース、所有権以外の権利が設定されていると受けられないケース、権利者全員の同意がなければ受けられないケース、特定空き家に指定されていないと受けられないケースなどさまざまです。

また、空き家関連の補助金・助成金制度のほとんどは、改修や解体の工事着工前に申請する必要があります。工事の途中や、すでに着工の準備が進んでいる場合、受けられないおそれがありますので注意しましょう。

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神奈川県の空き家数と空き家問題とは?

それでは、神奈川県の空き家事情に迫っていきましょう。

神奈川県の空き家数はどれくらい?

総務省統計局が5年ごとに実施している「平成25年住宅・土地統計調査」では次のような調査結果が報告されています。

  • 神奈川県の空き家数の推移(カッコ内は住宅総数に対する空き家率)
    平成10年 34.9万戸(10.2%)
    平成15年 39.2万戸(10.4%)
    平成20年 42.9万戸(10.5%)
    平成25年 48.7万戸(11.2%)

神奈川県では、15年の間に空き家が約1万4,000戸増加していることがわかります。

空き家率で見てみると、全47都道府県中42位と、かなり低い空き家率であることが分かります。

ところが、神奈川県は住宅総数が453.1万戸あります。

これは、東京都と大阪府に次いで全国第3位の多さです。

神奈川県は「空き家率全国第42位」を強調していますが、住宅総数が多いため空き家数そのものは非常に多いのが現状です。

神奈川県の平成25年の48.7万戸という空き家数は、東京都81.7万戸、大阪府67.8万戸に次いで全国第3位です。

全国の空き家数が約820万戸ですから、神奈川県はそのうちの約5.9%を占めていることになります。

神奈川県の人口と世帯数の推移も見てみましょう。

  • 平成10年 約834万人(約320万世帯)
  • 平成15年 約864万人(約349万世帯)
  • 平成20年 約891万人(約373万世帯)
  • 平成25年 約907万人(約391万世帯)

このように、空き家が増加する一方で人口は年々増加しています。

人口が増加していますので、世帯数も比例して伸びています(あるいは核家族化が進んだり、単身世帯が増えたりしたことや、外国人が増えたことも影響しているでしょう)。

なお、平成30年5月1日時点の神奈川県の人口は約918万人です。ここ5年で約11万人増加していることになります。

本来、人口が減少することによって世帯数も減り、空き家が増加すると考えられるのが自然ですが、神奈川県では、人口が増えているにも関わらず、空き家数も増えているという現象が見られます。

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  1. 所有者不明の空き家はどうなるのか?
  2. 新潟の空き家対策をご紹介
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神奈川県ではどんな空き家問題が?

神奈川県の空き家の内訳は、多い順に「賃貸用または売却用の住宅(約32.9万戸)」「その他の住宅(13.3万戸)」そして「二次的住宅(2.5万戸)」です。

「賃貸用または売却用の住宅」は、入居者や買い手が見つからず、空き家状態になっていることを意味します。目的がしっかりしていることもあり、多くはきちんと維持管理されていることでしょう。

また「二次的住宅」は、別荘などのことです。箱根や葉山といった別荘地も多いため、結果として「二次的住宅」が存在するのはある程度仕方のないことです。

神奈川県の空き家で問題なのは「その他の住宅」です。戸数こそ「賃貸用または売却用の住宅」の半数以下ですが、増加率はここ10年間で1.54倍と、同1.20倍の「賃貸用または売却用の住宅」を超えているのです。

「その他の住宅」とはそれ以外の空き家になっている住宅のことで、出張、入院、転勤といった理由で居住者が長期不在になっている住宅、建て替えのために空き家になっている住宅などを指します。

所有者不明の空き家もここに含まれます。

こうした住宅は、賃貸用や売却用として活用する予定の住宅と比べて、適正に維持管理されていないことが多く、それにより次のような問題が生じてきます。

  • 住宅の急速な老朽化および設備の陳腐化

壁材や屋根材が傷み、台風で飛散して周辺の住宅や住民に危害を与えてしまうおそれがあります。

また地震によって倒壊しガス漏れや漏水したり、前の道路を塞いでしまうことで避難や緊急車両の通行の妨げになったりします。

  • 犯罪の温床になりやすい

手入れがされておらず雑草や樹木が伸び放題なうえ夜でも暗い敷地は、放火、ゴミの不法投棄、違法薬物の取引、未成年者の喫煙などさまざまな犯罪の温床になってしまうおそれがあります。

  • 衛生上の問題も出てくる

害虫の大量発生、棲みついた野良猫や野良犬の糞尿、死骸、生ゴミの不法投棄、さらにはそれらの腐敗臭などによって周辺の衛生環境が著しく悪化してしまうおそれがあります。

このように「その他の空き家」が増えることで、空き家周辺の住民や生活環境にさまざまな悪影響をもたらします。今はまだ大きな問題になっているケースが少ないかもしれませんが、神奈川県は今後、人口が減少に転じると予測されています。

それはつまり、空き家が急速に増加する可能性を示唆しています。高齢者世帯も多いため、死亡によって空き家が増えていくことも考えられます。

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神奈川県の空き家対策

続いて、神奈川県や各市町村が実施している空き家対策をいくつかご紹介します。

空き家を活用した支援

横浜市が実施している空き家を活用した支援が「ヨコハマ・りぶいん」です。

世帯月収で補助金率が決まるタイプと、世帯月収と築年数に応じて補助金率が決まるタイプといったように世代やライフステージ別にさまざまな支援プランが用意されています。

たとえば、子育て世帯や高齢者世帯は最大4万円の家賃補助を最大6年間、ファミリー世帯は最大17.5%の家賃補助を最長20年間、受けることができます。

空き家バンク

空き家バンクとは、空き家の所有者で利活用に困っている人と、空き家を探している人とをマッチングさせるシステムで、全国で多くの自治体が設置し運営しています。

神奈川県でも

など、いくつかの市町村が空き家バンクを設置しています。

小田原市では20件程度の空き家が登録されていますが、そのほとんどは賃貸で、売却用に登録されている空き家はほとんどありません。

また、愛川町では38件の空き家が登録されており、すでに33件が成約済みです。

かなり有効に空き家バンクが活用されていると言えるでしょう。

横須賀市では「子育てファミリー層」「駅周辺」「一芸住宅」に分類されており、トータル53件の空き家が登録されています。

神奈川県では、このほかにも空き家バンクを活用している市町村があります。

国土交通省から事業委託を受けて全国版の空き家バンクを開設した「株式会社LIFULL(ライフル)」「アットホーム株式会社」の空き家バンクに登録されていますので、気になる人はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?

民泊に活用する動きも

近年、良くも悪くもなにかと話題を振りまいている民泊サービスですが、神奈川県では民泊サービスに空き家を活用する動きも出ています。

空き家の所有者が直接、民泊サービスに活用するケースもありますが、一方では空き家バンクなどで空き家を探し、借り受けて民泊サービスを運営するケースもあります。

特に観光地が多い神奈川県においては、もしかすると民泊サービスへの活用がひとつの大きな効果を生むかもしれません。

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神奈川県の取り組み

もちろん、神奈川県の空き家問題は各市町村だけの問題ではありません。

県も「空家等対策計画(モデル計画)」を策定し、空き家対策を行う市町村を支援しています。

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神奈川県は空き家対策制度が充実している

今回は、神奈川県の空き家数、空き家問題、そして神奈川県や各市町村が実施している空き家対策、さらには空き家関連の補助金・助成金制度などをご紹介してきました。

神奈川県の空き家は確かに神奈川県全体の問題はありますが、もっとも重要になるのは実質的に実施主体となる市町村です。

その点、空き家バンクの活用状況を見てみると、東京都と比べてもかなり有効に活用できているように思えます。

今後は、市町村同士の連携をさらに深め、空き家問題に対する情報交換や技術支援が活発になってくると良いのではないでしょうか。

また、現在神奈川県内に空き家を所有していて、利活用に困っていたり、解体費用の工面が難しかったりする人もいることでしょう。

つい放置してしまいがちですが、「空家等対策特別措置法」に規定された特定空き家に指定されてしまうとあとが大変です。

改善への指導・助言

勧告(この時点で固定資産税の優遇措置対象から除外されます)

命令(猶予期間内に改善が完了しない場合50万円の過料が課されることがあります)

行政代執行(自治体が解体などを強制的に実施し、その費用を所有者に請求します)

このように、放置できない状況になってきています。

適正に維持管理することが難しい場合は、できるだけ早く空き家バンクを活用したり、自治体に相談したりすることをおすすめします。

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