遠方にあるお墓の墓じまいはどうすれば良いの?

地元にあるお墓はどうすればいいの?

2014年頃から「墓じまい」をする人が急増しています。

そこには様々な背景がありますが、特に遠方にお墓があるという人の場合、どのように墓じまいをすれば良いのでしょうか?

墓じまいの費用の相場や必要な手続きなどと併せて解説をいたします。

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墓じまいとは?

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先祖代々受け継がれてきたお墓を解体し、更地にもどしてお寺や霊園、あるいは墓地の管理者に借りていた区画をお返しすることを「墓じまい」と呼んでいます。

「廃墓」などと呼ばれることもありますが、一般的には「墓じまい」が広く浸透しています。

墓じまいをする背景には個人個人の様々な事情がありますが、その中でも多いのが次のような理由からです。

(1)檀家としての経済的負担が大きい

「檀家」とはある特定のお寺に属することですが、日本の法律では許可を得た墓地にしか埋葬することができませんので、お寺の檀家になるか霊園を選ぶことになります。

入檀料として10万円~30万円、維持費などで年間に5千円~2万円、行事などでのお布施が3千円~1万円、その他、供養に15万円~50万円、1周忌・3周忌などの法要に3万円~10万円、月命日の読経などに5千円~1万円など、お墓を適切に維持・管理して行くためにはある程度の費用が必要になります。

なお、この相場は特に決められたものではありませんので、お寺によって金額が異なります。

これらの負担が大きいため、お墓を維持できなくなり、墓じまいをするというのが一つめの理由です。

(2)後継者がいない

「子供がおらず、自身も高齢となりお墓参りをする体力などがなくなってきた」あるいは「子供はいるが遠く離れて暮らしているため、引き継いでも適切な管理をしてもらえない可能性が高い」「お墓を管理する重荷を子供たちに背負わせたくない」などの理由から、墓じまいをする人も少なくありません。

また、これまでは毎年のように夏休みに田舎に帰って墓参りをしていた人も多かったのですが、近年「墓ばなれ」とも呼べるお墓に対する意識や優先順位の低下が顕著に見られるようになりました。

こういった価値観や意識の変化も影響しているものと思われます。

ほかにも「菩提寺や霊園などとの関係が悪化してしまった」「宗教上の理由からお墓の維持が難しい」などの理由で墓じまいをするケースもあります。

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墓じまいをしないとどうなる?

墓じまいをせずに後継者がいなくなってしまった場合、あるいは檀家へ管理・維持費などの費用が支払えなくなってしまった場合、そのほとんどは「放置」されることになります。

長い間放置されたお墓は「無縁墓」となり、やがて撤去されてしまいます。

この場合の「撤去」とは棄てるというよりも、他の無縁墓のお骨とともに合葬されるというのが一般的です。

お墓の維持・管理にはコストが発生しますので、この措置は仕方がないものですが、いきなり行う訳ではありません。

多くの場合「お墓に立て札を立てておき、1年間連絡がなかった場合」や「5年間維持費や管理費を滞納している場合」などに最終手段として行われます。

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遠方であってもやっぱりお墓に行くべき

お墓は生まれ育った地元にあるが、自分は仕事などの関係で都市部に住んでいるといった場合、なかなかお墓参りなどにも行けなくなってしまうものです。

しかし、どんな事情があるにせよ体が元気で動けるのであれば、たとえ遠方であっても時間を作って墓じまいに行くべきでしょう。

無縁墓になってしまっては故人も浮ばれませんし、自分の気持ちも整理がつかないままになってしまいます。

もし今の時点で将来的に管理が難しくなると思う場合は、できるだけ早いうちに墓じまいをすることも検討してみてください。

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墓じまいにはきちんとした手続きや流れがある!

墓じまいは勝手に行えるものではありません。

必要な手続きや流れがありますので覚えておきましょう。

(1)墓じまいをした後のお骨の行き先を決める

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墓じまいをするとお墓が無くなりますので、お骨の行き先も無くなります。

今住んでいるところの近くにある「公営墓地などへの改葬合祀」や「散骨」あるいは「菩提寺での永代供養ののち合葬」などを選択するケースが多いようです。

他には「納骨堂」に移したり、自宅などに置いておく「手元供養」などもあります。

特に永代供養と散骨は、お骨を永久処分できますし、そこ後の管理費や維持費なども発生しませんので経済面や心の負担が軽くなります。

(2)親族間で話をまとめておく

実は意外と多いのが親族間でのトラブルです。

故人に対する想い入れの違いや物事に対する価値観・考え方の違いなどによってトラブルになってしまうケースがとても多いと言われています。

いきなり「墓じまいをします」と伝えるよりもまずは「墓じまいをしようと思っている」という相談といった形で親族に連絡をしてみると良いでしょう。

(3)お寺や霊園などの管理者に墓じまいを伝える

墓じまいをすることで「離壇」することになるのですが、当然、檀家が減ればお寺や霊園などはその分の収入源が無くなりますので、快く引き受けてもらえないこともあるようです。

ただし実際にはそういったトラブルの話などはあまり聞きませんので、必ずしも揉めるということではないと思われますが、やはり親族間と同様にいきなりではなく「実は墓じまいを検討している」ということと「理由」を明確にして相談といった形で伝えるようにすると良いでしょう。

(4)改葬許可の申請を行う

親族間、お寺や霊園の管理者との話もまとまり、お骨の行き先も決まったら、管轄の自治体に出向いて「改葬許可」の申請の手続きをします。

改葬とは、引越しのことですので、特にお寺や霊園、あるいは納骨堂に移す場合は必要です。散骨や手元供養の場合、基本的には必要はありませんが、お寺や霊園の管理者が「改葬許可が必要」というケースもあります。

その場合は同じように申請を行い、改葬の理由としては「手元供養をするため」としておきましょう(散骨では許可がおりないケースもあるため)。

(5)墓石を撤去する業者を決める

一般的には暮石店、石材店などに依頼することになると思いますが、中には解体業者が解体・撤去を行うこともあります。

お寺や霊園と提携している業者もありますので、まずは確認をしてみると良いでしょう。

自分で業者を探す場合、どの業者が適切か、あるいは費用の相場はいくらかなど判断が難しいことがありますので、その場合は業者の実績を調べたり、数社から見積もりを取るなどして決めるようにしましょう。

業者が決まったらお墓を撤去し、更地に戻してお寺や霊園の管理者に返還すれば完了です。

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墓石処分費用、離壇料…墓じまいにかかる費用相場を知っておこう

墓じまいをするのにいくらくらい費用がかかるものなのかも、墓じまいの準備を始める上で知っておくことが大切です。

  • 墓石処分費用の相場

業者やお墓の場所、重機が入れるかどうかなど様々な条件によって異なりますが、一般的には

1㎡(1.0m×1.0m)まで…10万円~15万円

2㎡(1.0m×2.0m)…15万円~20万円

3㎡(1.5m×2.0m)…20万円~25万円

このあたりが相場になってくると言われています。

  • 離檀料

檀家を離れる際には、ほぼ全てのケースで「離壇料」というお布施を請求されることになります。

これは特に金額が決められているものではありませんが、今までお世話になったお礼や感謝の意味も込められています。

一般的には3万円~10万円程度が相場であると言われていますが、お寺や霊園の大きさ、付き合いの深さなどによっても違ってくるようです。

  • その他の費用

魂抜き・閉眼供養…2万円~5万円

納骨堂…3万円~5万円

改葬先での建墓…3万円~5万円

改葬先への納骨…5万円~15万円

その他諸費用

これらをトータルすると安く済んでも30万円程度、少し高めで50万円程度、中には100万円を超えてしまうこともあると言われています。

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無縁墓にしてしまうよりは墓じまい

墓じまいには親族間の理解、お寺や霊園の管理者の理解、数十万円単位の出費など時間的・金銭的な負担が非常に大きいものではあります。

しかし、放置したまま無縁墓にしてしまうよりは墓じまいをした方が気持ちの面でもスッキリしますし、またお寺や霊園などの管理者にも迷惑となりません。

特に親族間の話し合いには時間を要するケースが多いと言われていますので、将来的に少しでも不安を感じているようであればできるだけ早く、墓じまいを検討することをお勧めします。

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墓じまいはご先祖を敬う事でもある

墓を撤去する、処分する事をイメージすると、何だかバチ当たりの様な感覚があるかもしれません。

お墓というのはご先祖様が眠っておられる大事な場所です。それを、解体するとか処分してしまうというのは確かに気が引ける行為かと思います。

しかし、遠方に住んでいる事でまったくお墓参りに行けず、管理も手つかずの場合はどうでしょうか?

お墓の周りは草だらけ、お供えの花も枯れて墓石には苔が生え、汚くなっている。

これでは、ご先祖様を敬っている状態とはとても言えません。

であれば、自分の住んでいる近くのお寺や永代墓地に移した方が良いのではないでしょうか?

時折りお墓参りにも行けるし、管理も行き届きます。その方がよほどご先祖様にとっては嬉しい事なのではないでしょうか?

「墓じまい」はお墓の処分ではなく、ご先祖様を敬い感謝の気持ちを忘れない大事な行為だと思って頂けたら宜しいのではないかと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士