解体後の更地を売るポイントを解説
土地を売りたいと考えた時に、建物を残したまま売りに出すケースと、建物を解体して更地にした状態で売りに出すケースが考えられます。
今回は後者の「建物を解体した後の土地」を売るケースについて、どうすれば売りやすくなるのかということを考えてみようと思います。
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建物を解体して土地を売ることのメリットやデメリット
「土地の売買」はそう頻繁に行われるものではありませんので、知識が少ないという方も多いことと思います。
またインターネット上などに掲載されている情報量自体も多くありませんので、迷ってしまうケースも見られます。
まずは建物を解体して土地を売ることのメリットやデメリットについて把握しておきましょう。
建物を解体して土地を売るメリット
建物が残っている場合、一般的にそれは「古家付き」などとして売りに出されます。
この古家がなくなることで売り手が得られるメリットとしてはまず「土地の印象が良くなる」ということが挙げられます。
古家があると必ずしも印象が悪いということではありませんが、特に古い建物で住宅としてあまり利用価値がない場合などは更地にしてしまった方が印象が良くなるというものです。
次に「瑕疵担保責任」が発生しなくなるという点が挙げられます。
瑕疵担保責任とは、万が一売却した古家に”通常の取引において注意を払っていたとしても気がつかなかった欠陥”などがあった場合、売り手が買い手に対して負う責任のことです。
古家の売買にはこうした瑕疵担保責任がどうしても付いて回りますが、古家を解体して土地だけを売る場合は排除されますのでメリットと言えます。
他にも古家の売買にかかる様々な手続きなども排除されますので売り手・買い手双方にとって手続きが楽になるということもメリットと言えます。
古家を残した状態だと空き家の管理が必要になったり放火などのリスクもゼロではありませんが、そういったものも排除されますのでやはりメリットと言えるでしょう。
・古家にまつわるトラブル等のリスクを排除できる
・建物がない方が買い手の印象が良くなる傾向にある
建物を解体して土地を売るデメリット
次にデメリットについて見てみましょう。
建物を解体して更地にすると、固定資産税の優遇措置対象から除外されますので、最大で6倍に跳ね上がります。
同様に都市計画税も最大で3倍になります(倍というよりも元に戻ったという捉え方の方が近いです)。
解体後すぐさま希望に合致する買い手が見つかれば万々歳ですが、なかなか見つからなかった場合はこれらの固定資産税や都市計画税を払い続けることになります。
また、解体にかかった費用は土地の売却価格に上乗せすることはできますが、当然先に支払わなければなりません。
解体費用1坪3万円、木造2階建て家屋50坪と仮定するとおよそ150万円の解体費用が発生することになりますので、デメリットと捉えることができるかも知れません。
・先に費用が必要になる
・売れない期間が長くなるだけ負担が大きくなる
建物を解体して土地を売りに出す場合、一般的にはこのようなメリット・デメリットが考えられます。
解体後の土地を少しでも売りやすくしたい!どんなことが大切?
せっかく建物を解体しても買い手が見つからず、優遇措置の対象から外れた固定資産税を負担し続けることは非常時間が経てば経つほど大きな負担となってしまいます。
理想は「できるだけ早く」「できるだけ高値で」売れることですが、そのためにはどのようなことが大切になってくるのでしょうか。
最も大切なのは「整地」
更地と似た言葉で整地という言葉がありますが、この両者、似ているようで本質が全く異なります。
更地とは、建物などが存在していない土地、つまり空き地のことを指します。
たとえ土地の上に雑草が生い茂っていても建物がなければそれは更地と呼ばれます(農業利用が目的の土地とは区別されています)。
一方の整地とは「整」の文字からも分かるように建築あるいは農耕などに適するように平らに均してある土地のことを指します。
更地の場合、土地の購入後の運用方法が見えにくく、また見た目であまり良い印象を与えません。
しかし、きちんと整地してあることで土地の購入後の運用がイメージしやすく、見た目の上でも好印象を与えることができます。
解体後の土地を少しでも売りやすくするには、この整地がとても重要になってきます。
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整地ってどうすれば良いの?整地に関わる注意点なども知りたい!
整地は建物を解体した後にその解体業者が行うことが基本です。
解体費用に含まれていることが多い粗整地
解体工事中に発生したコンクリートガラやゴミなどを除去し、重機で地面を固める作業です。
この粗整地は解体工事費用に含まれていることも多く、整地には大きな費用はかけられないがある程度は整えたいという方に向いています。
完全な整地というよりも最低限度の整地という捉え方の方が良いでしょう。
ただしこの粗整地がしっかり出来ていなければ、そもそも地中埋没物などが残ってしまう可能性がありますので、逆に言えば最も重要と言えるかも知れません。
悪質な業者もいる
一般的な解体工事では、建物の解体を行ったあとに地中埋没物の撤去作業があります。
浄化槽・便槽・解体時に残された廃材などがその対象となります。
ずさんな解体業者に依頼をしてしまった場合、これらがきちんと撤去されていなかったり、建物の基礎部分すらも完全に除去されていないといったケースもあります。
そればかりか、解体工事中に発生した廃材をそのまま地中に埋めてしまうという非常に悪質な業者もいるようです。
土地の売却後に買い手が新築しようとしたらこれらの地中埋没物が発見された、などといった場合、売り手が責任を問われます。
これも「瑕疵担保責任」の一つです。
撤去費用は売り手が全額負担することになる他、土地そのものの価値・価格も下がってしまいます。
解体業者選びに気をつける
悪質な解体業者を選ばないことがポイントになってくるのですが、そのためには【極端に安い見積もりを出してくる業者】に注意しましょう。
他社の見積もりよりも50万円、100万円も安い業者や、他社の見積もりを見て大きく値下げをする業者など安価で解体工事を請け負う業者はこういったずさんな整地や不法投棄などの可能性が高くなります。
不法投棄はそれを行った業者のみならず、施主も法的責任を問われますので注意しましょう。
さらにキレイに見せたい場合はどんな方法がある?
粗整地や整地が完了した後に、さらに売りやすくするために「もっとキレイに見せたい!」という方もいるかも知れません。
そんな場合は真砂土(まさつち・まさど)などの化粧砂が良いでしょう。
真砂土
化粧砂の中でも最もメジャーなのが真砂土ですので、見れば「あ、これか」と分かる方も多いと思います。
真砂土は花崗岩が風化してできた砂で、特に西日本では採取量が多く、中には解体工事完了後に無料で提供してくれる解体業者もあるようです。
砕 石
砂利よりもゴツゴツしていて角も立っているため雑草が生えるのを防ぐ目的で使用されることが多いのがこの砕石です。
砕石を撒いておけばそのまま駐車場としても使用できます。
傾斜なども確認
売りに出したい土地がゆるやかな傾斜になっていたりすると、買い手がつきにくくなると言われています。
盛り土などを使って地面を平らにしておくことも忘れないようにしましょう。
土地(更地)も商品という感覚で
解体後の土地は「できるだけ早く」「できるだけ高値で」売りたいものです。
まずは建物を解体して売りに出すことのメリット・デメリットを把握します。
リスクも踏まえた上でOKであれば解体、そして解体後はきちんと整地や化粧砂で仕上げるという手順が最も売れやすい一般的な流れと言えそうです。
土地の売却を考えている方はぜひ参考にしてみてください。