「建売り住宅を購入しよう!」と思い立ったものの、何から始めればいいのか分からない人も多いでしょう。
建売り住宅は、建設工事と購入手続きを同時に進めることも多いため、購入スケジュールのパターンを把握しておくことは大切です。
そこで、建売り住宅を買いたいと思っている人に向けて基本的な流れを解説します。
【あわせて読みたい。こちらの記事もご覧ください】
建売り住宅購入の流れ①:物件を決める
建売り住宅を買うことになったら、まずは購入する物件を決めることから始めます。
物件の情報を収集する
最初に、インターネットで物件情報を見て、どのような物件があるのか、相場はどのくらいなのか、おおまかな傾向を把握しましょう。
検索サイトを活用すれば、条件を変えて物件を比較する、住みたいエリアで絞るなど、自分の興味に合わせて情報収集できるので便利ですよ。
ある程度の傾向が見えてきたら、実際に見学する物件を絞り込んでいきます。
建売りの場合、住宅が完成していることもありますが、多くの場合、完成前から販売を開始しています。
完成した状態で見学できることが少ないため、いろいろな視点から検討できるように、少なくとも5件は候補に挙げておきましょう。
不動産会社に依頼することも可能
不動産仲介会社に希望を伝えて、建売り住宅を探してもらうことも一案です。その場合のメリットは、細かい希望や不明点を、担当者に直接問合せられることです。
地域密着型の不動産仲介会社であれば、地元のネットワークを活用して、好条件の物件情報を出してくる可能性もあります。
不動産仲介会社に依頼する場合も、最終的に自分で判断しなければなりません。そのため、最善の判断ができるように、検索サイトなどを通じて相場を把握しておいたほうがいいでしょう。
建売り住宅購入の流れ②:見学会にて物件を絞る
ある程度、自分の希望に近い物件が絞られてきたら、実際に土地や住宅などを見学する流れになります。
複数の物件を見学して比較
住宅が工事前で、土地しかない段階の場合、モデルルームを見学する流れになります。
モデルルームは、住宅の仕様を把握できるものの、室内は魅力的に演出されていますので、やや現実離れしています。
「ここに住みたい!」と気分を高揚させる空間となっていますので、どんなにいい物件だったとしても、すぐに契約せずにクールダウンの時間を設けましょう。
工事中の場合は、図面を参考にしながら、現地で担当者に質問するかたちになります。ある程度完成していたら、実際に内部を見学できるかもしれません。
いずれにせよ、実際にそこで暮らすことを想像しながら、メリットとデメリットの両方を見極めることが大切です。
周囲の環境もチェックしよう
建売り住宅がどこまで完成しているかに関わらず、現地に行くことは大切です。なぜなら、実際に現地に行けば、周囲の環境が把握できるからです。
そこで暮らすことになったら、家のなかだけではなく、買い物、通勤、通学、通院など、あらゆることが絡んできます。
住宅そのものが完成していない段階でも、日常生活に欠かせない施設の場所や行き方をチェックしてみると、候補物件をさらに絞り込めるでしょう。
お子さまがいる家庭であれば、時間帯を変えて見に行けば周囲の治安を体感でき、安心感が高まります。
建売り住宅購入の流れ③:購入予約する
購入する建売り住宅をひとつに絞ったら、「購入予約」することで自分の意志を伝えます。
購入予約は先着順もしくは抽選
「購入予約」には、先着順と抽選の2パターンがあります。
先着順の場合、申し込んだ時点でほかに予約者がいなかったら予約が確定します。購入を前提とする予約のため、買いたい物件が定まったら、すぐに資金計画をチェックするようにしましょう。
抽選の場合、指定された登録期間のあいだに、希望者が一斉に申し込む流れになります。ひとつの建売り住宅に数人の希望者が集まったら、抽選にて当選した人が購入予約の権利を獲得します。
住宅ローン事前審査の申し込み
建売り住宅を購入するまでの流れで、盲点となりがちなのが、住宅ローンの事前審査の申し込みです。売買契約を結んだあと、住宅ローンの本審査に落ちてしまったら、資金を調達できなくなってしまいます。
そうなると、買主はもちろんのこと、売主にとっても大きな痛手となります。そこで、買主の支払い能力を前もって見極めるために、住宅ローンの事前審査を利用するのです。
なお、住宅ローンの本審査はひとつの金融機関に絞る必要がありますが、事前審査は複数に依頼できますので、情報収集を兼ねていくつかに出しておきましょう。
【あわせて読みたい。こちらの記事もご覧ください】
建売り住宅購入の流れ④:売買契約を結ぶ
住宅ローンの事前審査が無事に通過し、支払い能力が証明されたら、売買契約を結ぶ流れになります。
契約書と重要事項証明書を確認する
売買契約を結ぶとき、買主側が確認する書類が「契約書」と「重要事項説明書」です。
重要事項説明書には、物件の基本情報、法令上の制限、道路との関係、水道・電気・ガスなどの設備、住宅の仕様などが、細かく記されています。
宅地建物取引の資格保有者がその内容を説明し、不明点や相違点があったら、その場で確認する流れとなります。
重要事項説明書の情報量は多く、内容も専門的であるため、その場で把握することは困難です。そこで、事前にコピーをもらっておき、事前に読んでおくといいでしょう。
すべての疑問が解消されたら、正式に契約を結んだうえで売買価格の5%~10%ほどの手付金を支払います。
住宅ローンの本審査を申し込む
売買契約が無事に成立したら、住宅ローンを組む予定の人は、本審査に申し込みましょう。
金融会社やプランが具体的に決まっていれば、スムーズに申し込めますので、あらかじめ調べておくといいでしょう。
本審査の結果がでるまでの期間は、2週間程度のことが多いのですが、書類に不備などがあるとさらに時間がかかります。
そうなると、引き渡し日に残金を支払えなくなる恐れがありますので、余裕を持って提出書類を準備しておくと安心ですね。
建売り住宅購入の流れ⑤:物件の引き渡し
建売り住宅が買主のものになるのは、引き渡しが完了したあとになります。
引渡し前に最終チェック
建売り住宅が完成し、引き渡す時期が近付いたら、その前に竣工検査をします。
いわゆる最終チェックに相当するもので、不動産仲介会社や施工会社の担当者と一緒に、住宅に不具合がないかを点検します。
具体的には、床下や天井、ドアや窓の開閉、水回り、外壁などを丁寧にチェックします。見落としがないように、前もってチェックリストを作成しておくと、当日スムーズに点検できるでしょう。
万が一、何か問題が見つかったら、補修を依頼する必要があります。そこで、少なくとも引き渡し日の1週間以上前に日程調整しておくと安心です。
残金を決済する
建売り住宅に問題がなかったら、引き渡し日に残金を決済する流れとなります。ここで言う残金とは、住宅の販売価格から手付金を引いた金額。
引き渡しが完了する前のタイミングで、指定された口座に残金を振り込みます。手付金は手元資金で支払いますが、残金は住宅ローンを使って払うことも可能。
その場合、当日にさまざまな手続きが発生するため、金融機関に関係者が集まって一気に決済を進めます。
住宅ローンによる支払いができない状態にあったら、スケジュールや手続きに混乱が生じます。そのため、その日に決済ができるかどうか、前もって金融機関の担当者に確認するようにしましょう。
まとめ
残金の清算が終わったあと、不動産の登記手続きが完了したら、建売り住宅は晴れて買主のものとなります。
建売り住宅は、工事を進めながら売りに出されることが多いため、物件の良し悪しを判断するのが難しいことがあります。
そのため、情報収集を積極的に行い、複数の物件を比較しながら、最善の選択ができるように準備することが大切です。
【あわせて読みたい。こちらの記事もご覧ください】