解体工事にはある程度まとまった費用が必要です。
中にはそうした費用の工面が難しく、解体工事を行えないという人も多いのではないでしょうか?
しかし、特に空き家の場合、放置してしまうとさまざまな悪影響が生じます。
この記事では、解体工事に利用できるローン(解体ローン)について、基礎的な知識や実際に解体ローンを取り扱っている金融機関を紹介していきます。
解体工事の予定がある人、将来的に解体工事が必要になりそうな人はぜひ、いまのうちからチェックしておきましょう。
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解体ローンの種類と取り扱っている金融機関
さっそく、解体ローンの種類や取り扱っている金融機関をいくつか紹介します。
下記を見れば一目瞭然ですが、解体ローンのほとんどは「空き家」が対象になっています。
なお、ここに掲載している情報は2018年7月時点のものです。
各金融機関の解体ローンの内容や条件、金額などは変更になることがあります。最新情報は各金融機関のホームページ等でご確認ください。
東京ベイ信用金庫では、老朽化した建物を解体し更地にするための費用および諸費用に対して500万円まで融資してくれます。
金利は変動金利型で、東京ベイ信用金庫所定の金利(通常金利)が適用されます。
空き家の解体、改築、維持管理、相続資金といった幅広い使途に利用できる解体ローンの一種で、1,000万円まで融資を受けることができます。
金利は変動金利型で、固定金利型にすることはできません。
なお、スルガ銀行との取引状況によっては、金利の優遇を受けられるケースもあるようです。
川口信用金庫では、空き家を解体し更地にするための解体費用とそれに伴う諸費用に対し、500万円まで融資してくれます。
金利は川口信用金庫所定の利率で産出され、保証料率年0.68%または年0.54%が含まれます。
JA西東京では、空き家の解体費用および、借り入れにかかる諸費用に対して500万円まで融資してくれます。
金利は年2.60%の変動金利型で、取引状況に応じて最大年0.35%軽減されます。
神奈川県JAバンクでは空き家の解体費用および、借り入れにかかる諸費用に対して500万円まで融資してくれます。
金利は固定金利型、変動金利型から選ぶことができます。
筑波銀行では、空き家の解体、改築、改装、あるいは防犯・防災上の設備対策費用に対して、300万円まで融資してくれます。
金利は2.900%の固定金利型で、筑波銀行の営業区域内かつ、空き家関連施策に取り組んでいる自治体に当該空き家がある場合は、金利が0.0300%引き下げられます。
みちのく銀行では、空き家の解体、リフォーム等の資金として500万円まで融資してくれます。
金利は2.5%の変動金利型です。
上記はごく一例ですが、このように各金融機関はさまざまな解体ローンを販売しています。
また、たとえば広島県呉市のように「空き家解体ローン利子補給事業」を設けている自治体もあります。
戸建て空き家を解体する際に金融機関から借り入れた場合、その融資にかかる支払利子を最長5年間、2%に相当する利子を上限として助成してくれるというものです。
利子の助成を受けることができれば、家計的にもかなり助かるのではないでしょうか?
解体ローンと併せて、ぜひ自治体のこうした制度も確認しておきましょう。
空き家以外の解体に利用できるローンは?
前章で紹介した解体ローンは空き家に関するものでした。
では、空き家ではない建物の解体に利用できるローンはあるのでしょうか?
たとえば、銀行の例で言えば、幅広い使途に利用できるフリーローンがあります。
300万円までの融資が可能です。金利は変動金利型です。
300万円までの融資が可能です。金利は変動金利型、固定金利型から選ぶことができます。
ゆうちょ銀行はスルガ銀行のローンを媒介しています。
1,000万円までの融資が可能で、金利は固定金利型です。
解体に特化したローンではないものの、上記のようなフリーローンを活用することで空き家ではない建物の解体工事費用をまかなうことができます。
解体ローンの基礎知識を身につけよう
そもそも解体ローンとはどんな内容や仕組みなのか、住宅ローンとの違いは何かといった基礎知識も身につけておきましょう。
解体ローンの内容や仕組み
解体ローンとは、文字通り解体工事にかかる費用を対象としたローンです。
解体工事費用は一括あるいは着工前に半分、工事完了後に残り半分、といった形で支払うのが一般的になっています(中には分割支払いが可能な解体業者もあります)。
解体費用を工面できずに解体工事ができないという人も、解体ローンを利用することで解体工事費用まかなうことができます。
解体ローンの仕組みは一般的なローンとほとんど変わりません。融資を申し込み、審査を経て融資の可否が決まります。
解体ローンと住宅ローンとの違い
解体ローンと住宅ローンの違いは
- 解体ローンの方が融資を受けるための条件が低めに設定されていることが多い
- 解体ローンは担保や保証人が不要だったり金利が手頃だったりするケースが多い
といった点が大きいのではないでしょうか。
もちろん審査が必要だったり、商品や金融機関によっては解体ローンでも融資を受ける条件が厳しかったりするケースはありますが、住宅ローンと比較すると比較的利用しやすくなっていることが多いようです。
空き家は放置できない時代。解体ローンを活用して賢く解体しよう
少子高齢化や核家族化、そして地方の過疎化などが進み、空き家は今や大きな社会問題となっています。
空き家を放置してしまうと放火やゴミの不法投棄といった犯罪を招く恐れがあります。
また老朽化した建物が地震で倒壊したり、屋根材や壁材が強風で飛散したりして近隣住民や住宅に危害を与える恐れもあります。
このように、空き家は所有者だけでなく地域全体の問題になってきます。
また、平成27年5月26日に完全施行された「空き家等対策特別措置法」により、自治体から「特定空き家」に指定された空き家は、改善措置を講じなければ最終的には強制処分(解体など)の対象となります。
すでに空き家を抱えている人や、将来的に空き家を抱えそうな人は、できるだけ早いうちに、解体ローンやフリーローン、あるいは自治体の解体に関する補助金・助成金制度などを利用して、賢く解体してしまうことをおすすめします。
まとめ
この記事では、解体に利用できるローンの紹介と併せて、解体ローンの基礎的な部分を簡単に解説してきました。
空き家の解体が対象のローンが多い背景には、先ほど述べたような理由も深く関係しています。
なお、今回紹介した解体ローンはごく一部です。
現在ではさまざまな金融機関が解体に利用できるローンを販売しています。
まずは取引のある金融機関に問い合わせてみましょう。
空き家ではない住宅の解体にも、フリーローンが使えますので、空き家ではない住宅の解体の予定がある人は併せて検討してはいかがでしょうか。
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