ブロック塀の解体方法と費用について解説

ブロック塀の解体撤去依頼が非常に増えています

近年大きな地震等が頻発している日本各地では、ブロック塀の危険性がひそかに問題視されています。

崩れやすくなっているケースでは少しの揺れなどでも一気に倒壊してしまうリスクもあり、通行人や車両などに危害を加えてしまったり、緊急車両や避難者の経路を塞いでしまったりする可能性も考えられます。

そのため撤去に踏み切る方も増えてきたようですが、いざ撤去しようと思った時、その解体費用はいくらくらいかかるのでしょうか?

解体方法や補助金の情報なども交えながら解説します。

【こちらの記事もご覧ください】

お問い合わせ

ブロック塀の解体方法

ブロック塀とは主にコンクリートブロックで造られた塀のことを指します。

住宅やマンション、駐車場などに多用されていますので皆さんもよく目にすることと思います。

一般的に用いられるブロックは「120mm×190mm×390mm」または「150mm×190mm×390mm」のC種と呼ばれるもので、L型・T型・I型の基礎の上にモルタルを流し込みながらブロックを一つ一つ積み上げて行きます。

ブロック塀というとコンクリートブロックのイメージが根強く残っていますが、現在では住宅様式の欧米化に伴ってレンガを用いる住宅やマンションなども数多く存在しますし、ハウスメーカー各社は「化粧ブロック」として独自に色や形、溝や穴など様々なデザインを施したブロックを開発し販売しています。

居住者の趣味や住宅のイメージ、街並みなどに合わせて最適なブロックを選べるようになっているのです。

そんなブロック塀の解体方法には重機などを用いて取り壊す「機械解体」と、ハンマーや電動工具などを用いて取り壊す「人力解体」があります。

敷地面積が広いなど比較的工事の規模が大きくなる場合には機械解体で行うことが多いようですが、重機の運搬費用等も発生しますので人力解体に比べると比較的高額になります。

DIY(自分で)でブロック塀の解体・撤去は可能?

小規模のブロック塀の撤去なら業者に依頼せずに自分でも行えるのでは?と思う方も多いと思います。

自分で撤去する時に用意したい物としては…

  • ヘルメット
  • 作業着
  • 安全靴
  • 防塵マスク
  • 保護メガネ

といった身の回りのもの、撤去作業時には…

  • ディスクグラインダ(刃はダイヤモンドホイールまたは金属切断用砥石)
  • ハンマー(大・小)
  • 電動ハンマー(準備が可能であれば)
  • ハツリ用のタガネ

など、そしてガラ袋に散水ホースなどです。

ブロックの目地には鉄筋とモルタルが詰まっており、また上面にも鉄筋が入っていることが多いため側面からハンマーで軽く叩いて徐々に壊していくのが一般的でしょう(鉄筋はディスクグラインダで切断します)。

ただ、かなり粉塵が舞うことや、勢い良く叩きすぎると破片が大きく飛散してしまいますので、自分はもちろん、第三者や物などに当たらないように注意しながら行いましょう。

*水をかけながら叩くことで粉塵が舞うのを低減できます。

また、もし基礎も解体する場合は通常のハンマーではかなり難航することになります。

レンタル工具店などでコンクリートハンマーを借りて撤去すると良いでしょう。

解体で発生したコンクリートガラはきちんと集積し、許可を得ている廃棄物処理業者などに依頼するか、事前に各自治体に処分方法を問い合わせておきましょう。

スポンサーリンク

ブロック塀の解体撤去費用と単価

DIYではなく解体業者などに解体・撤去を依頼した場合、撤去費用はどれくらいになるのでしょうか?

一般的には1平米(1.0㎡)10,000円~20,000円程度が相場と言われています(廃材処分費等含む)

ホームセンターなどで市販されているブロックであれば縦に5段、横に3列程度でおよそ1平米になりますので解体したい部分の参考にしてみてください。

なお、ブロック塀の解体費用は…

  • どこに設置されているのか(道路側か建物側か等)
  • 隣接する建物や敷地などとの距離は十分か
  • 敷地内に作業スペースを確保できるか(重機を用いる場合などは特に)
  • 規模はどの程度か(機械解体か人力解体か等)

などによって相場と大きく異なるケースも少なくありません。正確な見積りについては、解体業者などに問い合わせてみましょう。

【解体業者専用】集客支援システム

・なぜ、地方の解体屋さんが3ヶ月先まで予約でいっぱいなのか?
・下請けではなく、お客さんから直接依頼がくるウェブの仕組みとは?
・地元の興味のあるお客さんだけに会社を知ってもらう方法
・解体屋さんを経営して40年で分かった経営安定の秘訣

>>今すぐチェックする

ブロック塀解体撤去に補助金ってあるの?

自治体によってはブロック塀の解体に関する補助金を設けているところがあります。

一例ですが、いくつかご紹介します。

神奈川県相模原市

「危険なブロック塀などの撤去費の一部補助」という制度を設けています。

「ブロック塀点検表」により危険性があると認められたブロックのうち

  • 道路等に沿って設置され、かつ高さが1mを超えるもの
  • 擁壁等の上に設置され、擁壁等との高さの合計が1mを超えるもの、かつブロック塀等の高さが60cmを超えるもの

というブロック塀等が対象です。

基本的な補助額は10万円を限度として補助対象経費の2分の1まで(重点地区や通学路沿いでは限度額15万円として4分の3まで)を補助してくれます。

 

静岡県沼津市

「ブロック塀の撤去および改善をするための補助金」という制度を設けています。

点検の結果不適合と判断されると

  • 撤去…限度額10万円(対象経費の2分の1まで)
  • 改善…限度額25万円(対象経費の2分の1まで)/限度額なし

など工事の種別によっていくつかの補助制度を受けることができます。

千葉市川市

「危険コンクリートブロック塀等除去事業補助金」という制度を設けています。

職員による事前調査で危険であると判定されたブロックの撤去に関して、20万円を限度額として1平米あたり1万円まで補助してくれるというものです。

また、除去した後に生垣を設置する場合、公益財団法人市川市花と緑のまちづくり財団による「生垣助成制度(1平米あたり上限1万5千円)」を併せて受けることができます。

東京都小平市

「ブロック塀等の改善事業に対する補助制度」という制度を設けています。

  • 対象となる道路に面していること
  • 基礎を除き高さが1m以上であること
  • 撤去後に塀を新設する工事を行うこと
  • 新設する塀は倒壊防止策が十分に講じられていること

などの要件を満たす必要がありますが、「撤去費用の9割」と「塀の長さ1mあたり6千円を乗じた額」の少ない方が12万円を上限として支給されます。

また、撤去後に塀を新設する場合は「設置にかかる費用」と「塀の長さ1mあたり3万円を乗じた額」を比較して少ない方の5割が、30万円を上限として支給されます。

高知県高知市

「ブロック塀等耐震対策事業」という制度を設けています(「耐震対策」の中に撤去も含まれています)。

高知市が用意した塀の危険性点検表をもちいたチェックによって「危険性の高いコンクリートブロック塀等」と判定され、かつ「緊急輸送路または避難路」に面しているブロック塀等に対して、次のいずれかの安全対策を行う場合に対象となります。

  • ブロック塀の撤去(新しく安全なフェンスや生垣を造るのみの工事は対象外)
  • 安全な塀への改修工事(撤去後再度ブロック塀を造る工事は対象外)

なお、上限額は20万5千円となります。

このように、自治体によって上限額や要件、工事の種類などが変わります。

また、申請期間や支給されるタイミングなどにも違いがありますので、詳しくは自治体に確認してみましょう。

スポンサーリンク

放置は危険!まずは自治体に問い合わせてみよう

過去の地震などの影響によってブロック塀がダメージを受け、倒壊などの危険性があるものが増えていると言われています。

それらのブロック塀を放置してしまうことで自身や家族はもちろん、第三者や物にも危険が及ぶ可能性や、道路を塞いでしまうことで緊急時の避難や救助車両の通行の妨げとなってしまう可能性もあります。

心配な方はぜひ一度、自治体に問い合わせて調査を依頼してみてはいかがでしょうか?

【こちらの記事もご覧ください】

  1. 解体見積り書の正しい見方を解説
  2. 家の建て替えにかかる費用
  3. 庭石を処分する方法や掛かる費用はどれくらい?

記事の一覧はこちらから

【解体事業者向けサービス】営業不要で空き家解体の集客・受注システム

冊子
  • 個人のお客様で数ヶ月先まで予約を埋める方法
  • 営業しないでお客さんが集まるネットの使い方
  • 地元のお客さんを効率的に来店してもらう方法
  • 素人がホームページで集客する3つのステップ

ABOUTこの記事をかいた人

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士