解体業者はネットで簡単に検索できるものの、その業者が優良かどうかを見分けるには、どういった点に着目すれば良いのでしょうか?
この記事では、そんな疑問にお答えするべく、岐阜県で優良な解体業者を探すときのポイントを紹介しています。
すでに解体工事の予定がある人も、今後解体工事が必要になるかもしれないという人も
- 優良な解体業者かどうかを見分けるポイントは?
- 施主として知っておきたい解体に関する知識は?
- 解体業者を探す際の注意点は?
こうした疑問を解消し、ぜひ優良な解体業者を見つけてください。
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岐阜県で優良な解体業者を上手に探す方法は?
解体工事には多額の費用がかかります。どうせ依頼するなら、優良な解体業者に依頼して、納得のいく工事を施工してもらいたいものです。
知人や親族、近所の人が解体工事をした、といったように、実際に見たり口コミで聞いたりして情報を得ている、あるいは、解体業者を知っていて繋がりがある、といった人は見つけやすいかもしれません。
しかし、そうした情報源がなく、解体業者とのつながりもない場合、ゼロから探すことになります。
そこで、まずは自分が依頼しようと思っている解体業者が優良かどうかを見分けるための、5つのポイントを押さえておきましょう。
岐阜県で優良な解体業者を見分ける5つのポイント
ネットで検索するなどして自分が見つけた解体業者が、優良かどうかを見分けるためのキーワードは次の5つです。
- 「期待工事業登録」または「建設業許可」
- 経営実績と施工事例
- 問い合わせたときの対応や印象
- 現地調査や打ち合わせの際の担当者の対応や印象・意思疎通
- 見積書の内容
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
1.「解体工事業登録」または「建設業許可」
解体工事業を営むためになくてはならないのが「解体工事業登録」または「建設業許可」です。
「建設業許可」は「解体工事業登録」と比べて
- 請け負える工事の幅が広く金額も大きい
- 許可を取得するための条件が厳しい
といった面から、社会的信頼性が高い許可となっています。
現在経営しているほとんどの解体業者は、「解体工事業登録」「建設業許可」いずれかを済ませ、健全に経営しています。
そのため、無登録や無許可の解体業者に出会うことは滅多にありませんが、最低限必要な部分として、施主としても知っておきましょう。
「解体工事業登録」または「建設業許可」の確認方法
自分が見つけた解体業者が「解体工事業登録」または「建設業許可」を受けているかどうかは、次のような方法で調べることができます。
解体業者のホームページ
解体業者のホームページにアクセスし、企業概要、会社案内といったページをチェックしましょう。
ただし、登録や許可の情報を掲載することは義務ではありませんので、中にはホームページで確認できない業者もいます。その場合は次のいずれかで確認できます。
岐阜県のホームページ
岐阜県のホームページ「解体工事業登録簿の閲覧」では、岐阜県知事に解体工事業登録を済ませている業者の名簿が確認できます。
また、「建設業許可の広場:建設業者提出書類の閲覧」のページでは、建設業許可業者名簿を確認することができます。
国土交通省のホームページ
建設業許可は、国土交通省のホームページ「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」を使って調べることもできます。商号または名称、あるいは許可番号といった方法から調べましょう。
2.経営実績と施工事例
経営実績と施工事例は、その解体業者の質を見分ける大きなポイントです。
長年経営している実績がある業者は「健全に経営してきた=周囲からの信頼がある」業者と言い換えることができます。
過去に何らかの不正をしたり、トラブルを起こしたりしたことがある業者は、営業停止や資格の取り消しといった処分を受けていることがあります。そうなれば、当然ながら経営は厳しくなります。
経営年数が長いということは、トラブルを起こしたり不正を働いたりした過去がない、優良な業者と言えるでしょう。
同じように施工事例が豊富な業者も、「受注数が多い=周囲からの信頼が高い」業者と言えます。
豊富な経験から効率よく作業を進めてくれたり、ときにアドバイスしてくれたりすることもあります。
ホームページに施工事例が掲載されていれば、自分が解体を依頼する建物と似たような事例を探し、費用や期間といった参考にもできます。
3.問い合わせたときの対応や印象
問い合わせた時の対応や印象は、自分が「この解体業者に依頼したい」と思えるかどうかを決める大切なポイントです。
- 分からないことを解決してくれる
- 丁寧な対応で不安を取り除いてくれる
- 困ったことや不明な点は遠慮なく相談できる
こうしたことは、信頼関係にもつながります。
解体工事は一時的ですが、納得のいく解体工事を施工してもらうためには、施主と解体業者の信頼関係が非常に重要になってきます。
4.打ち合わせの際の担当者の対応や印象・意思疎通
解体工事にまつわるトラブルで多いのは…
- 騒音、振動、粉塵の飛散などに対するクレーム
- 作業員の振る舞いや工事車両(路駐等)に関するクレーム
- 事前の説明や挨拶が不十分だったことによる解体工事自体へのクレーム
こうしたものです。
クレームが入った際に重要なのが、トラブルを最小限に抑えるために、迅速かつ誠実に対応することです。
もし担当者の対応が遅かったり、高圧的・ぶっきらぼうな対応をしたりすると、トラブルがこじれてしまうことが考えられます。
見た目の印象や言葉遣いなども含め、現地調査や打ち合わせの際、担当者がどんな人かも見ておきましょう。
また、自分が依頼したい工事内容を正確に把握してくれているか、それに対して的確な意見をもらえるかといった意思の疎通も大切です。
意思の疎通がうまくいかないと、「依頼したはずの庭石の撤去が含まれていなかった」「砂利整地をお願いしていたのに粗整地しか含まれていなかった」といったように、解体工事が始まってからトラブルになることがあります。
5.見積書の内容
優良な解体業者の見積書は、工事の内容や、工事ひとつひとつの金額(単価)および総額などが細かく、かつ明確に記載されています。
「解体工事一式100万円」といったざっくりしすぎた見積書は、どんな工事が含まれているのか、どの工事にいくらかかるのかが分かりません。
解体工事が始まってから、さまざまな理由で追加費用を請求されるリスクが生じるため、注意しましょう。
過去に処分を受けた業者かどうかも調べられる
自分で探した業者が、過去にトラブルを起こしたり処分を受けたりしていないか気になる場合は、国土交通省のホームページで検索することができます。
「建設業者の不正行為等に関する情報交換コラボレーションシステム」
検索できるのはその業者が処分を受けた日から5年間となります。
施主が身につけておきたい解体工事に関する知識
施主が知っておくことで、不要なトラブルを回避したり、解体工事がスムーズに進んだりすることがあります。
解体工事前後の届出
解体工事の前後には、施主が直接関わる届出があります。
提出を忘れてしまうと解体工事が行えなかったり、ペナルティが課せられたりするものがあるため、ぜひ覚えておきましょう。
建設リサイクル法に基づく届出
床面積の合計が80平米以上の建物を解体する場合、建設リサイクル法に基づく届出が必要です。
着工の7日前までに、岐阜県知事に申請します。
届出を忘れると、解体工事を着工できません。
工期がずれ込むなど、双方にデメリットが生じます。
また、多くの場合、解体業者が代行してくれますが、必ずしも代行してくれるとは限りません。
基本的には施主に届出の義務があるので、忘れないようにしましょう。
打ち合わせの際などに「建設リサイクル法の届出は代行してもらえるか」確認しておくと安心です。
なお、代行してもらう場合、施主の委任状が必要になります。
詳しくは、国土交通省ホームページ「建設リサイクル法第10条の届出について」(pdfファイルが開きます)を確認してください。
ライフラインの停止
電気、ガス、電話、インターネットなどライフラインを停止します。
各契約会社に連絡し、着工日までの最適なタイミングで停止してもらいます。
ただし、水道に関しては解体業者に確認してからにしましょう。
解体工事中に粉塵の飛散を防止するために散水したり、清掃に使用したりします。
また、アスベスト含有建材がある場合は、解体の際にアスベストの飛散防止のために水を使うことがあります。
建物滅失登記
解体工事が完了してから1ヶ月以内に、法務局に登記を申請します。
「その土地の上に建物が存在しなくなった」ことを証明するためのもので、施主(その土地の所有者や相続人)に申請の義務があります。
登記を怠ると最大10万円の過料が科せられます。
また、すでに存在しない建物に対する固定資産税も支払わなければならなくなるため、うっかり忘れることのないよう注意しましょう。
建物滅失登記の申請方法は次のいずれかです。
法務局に出向く
ア. 「建物の登記簿謄本」を取り、登記内容を確認する
イ. 「建物滅失登記申請書」を作成する
ウ. 「建物取毀(とりこわし)証明書」を添付して提出する
エ. 「登記完了証」を受け取る
「建物滅失登記申請書」は法務局で手に入ります。
「建物取毀証明書」は解体業者が発行してくれます。
なお、申請には「解体業者の登記簿謄本等と印鑑証明書」も必要になります。
解体業者に「建物滅失登記で必要」である旨を伝え、取り寄せてもらいましょう。
申請用紙の様式については、次のページで確認できます。
オンライン申請
登記ねっと 供託ねっと「登記・供託オンライン申請システム」
上記サイトで、オンライン申請もできます。
忙しい人やオンラインに慣れている人は利用すると良いでしょう。
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土地家屋調査士に依頼
建物滅失登記は、土地家屋調査士に代行を依頼することができます。
ただし、代行費用は4万円程度が相場となっています。
自分で申請した場合は数千円程度で済みますので、費用を含めて依頼するかどうか検討しましょう。
【固定資産税について】
建物滅失登記が完了すると、法務局から役所に「その土地の上に建物が存在しなくなった」旨の通知が届きます。
そのため、通常は施主(その土地の所有者や相続人)が特別な手続き等を踏まなくても、翌年1月1日からの建物に対する固定資産税は発生しなくなるのが通常です。
しかし、稀に請求が続くこともあるようです。
原因は分かりませんが、なんらかの不備があったと考えるのが自然です。
もし請求が続いても慌てず、まずは役所に確認し、建物滅失登記が済んでいることを伝えましょう。
廃棄物の流れを知ろう
解体工事では、大量の廃棄物が排出されます。廃棄物の流れを施主が把握しておくことは非常に重要です。
運んでいる途中で不法投棄といった不適正処理をされてしまった場合、施主も罰則の対象になることがあるためです。
特に不法投棄に関する罰則は厳しく、未遂であっても罰則が適用されることもあるため、覚えておきましょう。
解体工事で排出された廃棄物は、
収集運搬→中間処理→収集運搬→最終処分
という流れで処理されていきます。
解体業者が自ら産業廃棄物を収集運搬できるケース
「産業廃棄物収集運搬業許可」を持っている解体業者なら、自社で産業廃棄物を収集運搬することができます。
そのため、廃棄物の流れに透明性があります。
さらに、自社で廃棄物の処分場を保有している場合もあります。
中間処理または最終処分まで任せられるため、より透明性が高くて安心です。
別の収集運搬業者や処理・処分業者に委託しない分、費用を安くできるメリットもあります。
別の専門業者に委託するケース
「産業廃棄物収集運搬業許可」を持っておらず、別の専門会社に収集運搬および処理・処分を委託する業者も多いです。
廃棄物がいったん別の専門業者の手に渡ると、その後「どの業者によって、どのように運ばれ、どこで処分されたのか」が不透明になりがちです。
このようなケースでは、廃棄物の排出事業者(つまり解体業者)に、産業廃棄物管理票(マニフェスト)の発行が義務付けられています。
解体業者が排出した廃棄物が、いつ、どの業者によって、どのように運ばれ、どこで処分されたのかという一連の流れが記載されており、5年間、保管することになっています。
後から廃棄物に関する何かしらのトラブルが発生した際、大切な証拠となります。
廃棄物の収集運搬や処理・処分を別の専門業者に依頼する場合、マニフェストを発行してもらえるかどうかの確認と併せて、マニフェストの写しをもらえるよう、お願いしておきましょう。
解体費用の考え方
解体費用は、さまざまな条件によって大きく変わってきます。
これを知らないと、
「ほぼ同じような構造や面積だった隣のお宅は150万円だったのに、どうしてうちは200万円なの?ぼったくりでは?」
などと余計な疑念や不満を抱き、解体業者とトラブルに発展してしまうかもしれません。
たとえば
- 床面積80平米
- 木造2階建て
という条件が全く同じ2軒の戸建て住宅でも、次のようなケースで解体工事費用が大きく異なります。
- 浄化槽の解体や撤去が発生する
- カーポートや物置の撤去、ブロック塀の解体が付帯する
- 庭木や庭石の撤去が付帯する
- アスベスト含有建材の解体が必要
- 土地を駐車場にするため土間コンクリートやアスファルト舗装を行う
このように、付帯工事が発生したり、特殊な作業が必要になる工事が必要になったりするケースで解体費用が高くなります。
相見積もりをとる
見積もりは1社ではなく2社程度から取るのが一般的です。
これを相(あい)見積もりと言います。
- 解体費用総額を比較する
- 含まれる工事内容を比較する
- それぞれの工事にいくらかかるのか比較する
といったように、細かい部分までしっかり目を通し、比較しましょう。
2社から見積もりを取れば、現地調査の際のスタッフの対応も比較することもできます。
逆に多すぎると判断基準が増えて迷ってしまったり、現地調査や打ち合わせの時間を調整する時間が難しかったり、断りの連絡が大変だったりと負担が増えてしまうため2社程度にとどめると良いでしょう。
岐阜県の解体に関する補助金・助成金制度
岐阜県内の各市町村の中には、解体工事に利用できる補助金・助成金制度を設けているところがあります。
要件を満たし交付を受けられれば、実質的に解体工事費用を抑えることにもなります。
補助金や助成金制度があるかどうか、交付を受けるための要件、上限金額、受け取るタイミングなどは自治体ごとに異なります。
まずは解体する建物の土地を管轄する自治体のホームページなどで確認しましょう。
「解体工事業登録」と「建設業許可」の基礎知識も知っておこう
解体工事業を営む際に必要となる「解体工事業登録」や「建設業許可」についての基本的な部分も、知っておくと安心です。
「解体工事業登録」
工事費用500万円未満の解体工事を請け負う場合、「解体工事業登録」が必要です。
一般的な戸建て住宅の解体は、この登録が済んでいればほとんど施工することができます。
- 岐阜県内に本社や営業所があり、岐阜県が管轄する地域で解体工事を施工する場合は岐阜県知事に登録を申請します。
- 岐阜県内に本社や営業所があり、愛知県や長野県といった岐阜県の管轄外の地域で解体工事を施工する場合は、それぞれの都道府県知事に登録を申請します。
「建設業許可」
工事金額500万円を超える解体工事を請け負う場合、「建設業許可」が必要です。
当然、500万円未満の解体工事も請け負えますので、「建設業許可」を取得すれば「解体工事業登録」が必要なくなり、登録は抹消することになります。
- 岐阜県内に本社や営業所がある場合は岐阜県知事に許可を申請します。
- 複数の都道府県に営業所がある場合や、岐阜県の管轄外の地域で解体工事を施工する場合は、国土交通大臣に許可を申請します。
建設業許可は「土木一式工事」「建築一式工事」のほか、27の専門工事の合計29種類に分類されています。
平成28年5月31日までは、そのうち「土木工事業」「建築工事業」「とび・土工工事業」といった建設業許可があれば、解体工事を請け負うことが可能でした。
平成28年6月1日からは、「解体工事業」の建設業許可が新設され、それ以降、500万円を超える解体工事を請け負うには、「解体工事業」の許可が必要というルールに変わっています。
ただし、平成28年6月1日以前に「とび・土工工事業」の許可を受けている業者は、平成31年5月31日までは解体工事を請け負うことができる、という経過措置が取られています。
岐阜県で解体業者を探す際に注意したいポイントは?
無登録・無許可業者への依頼は絶対にやめよう
当然ですが、「解体工事業登録」「建設業許可」いずれも済ませていない無登録・無許可の業者は違法営業です。
こうした業者への依頼は絶対に避けましょう。
見積もりの内容が不明確、極端な値下げをしてくる業者は慎重に
見積もりを見ても工事内容が曖昧だったり、金額がざっくりしていたりする業者は注意しましょう。
あとから理由をつけて高額な追加費用を請求されてしまうことがあります。
また、他社の見積もりを見た後で、極端な値下げをしてくる業者も慎重に判断する必要があります(そもそも他社の見積もりは教えない方が良いでしょう)。
値下げした分の利益を確保するため、廃棄物の不法投棄や手抜き工事を働くことも考えられるためです。
特に不法投棄は、前述のように罰則が厳しいうえ、施主が罰せられる恐れもあります。
一括見積もりサイトは便利な反面デメリットも
解体業者を探す時間がない、じっくり探すのが面倒、という人にとって「一括見積もりサイト」はたいへん便利なサイトです。
簡単な情報を入力するだけで、複数の解体業者に一括で見積もりを依頼できるためです。
しかし、一括見積もりサイトを通して依頼を受けた解体業者は、斡旋者(つまりサイトの運営会社)に対し、中間マージンを支払うのが一般的です。
この中間マージンを解体費用に上乗せし、請求されることが考えられます。
素人が見ても、どこにいくらの中間マージンが含まれているかなんて分かりません。
知らないうちに、解体業者が支払う中間マージンを負担させられてしまうというわけです。
一括見積もりサイトは便利な反面、こうしたデメリットがあることも覚えておきましょう。
なお、ハウスメーカーや工務店などを通して解体業者に依頼した場合も同じです。
仲介を挟むということは中間マージンがどこかで発生していることになります。
どの方法で解体業者を選ぶにせよ、最終的に解体工事を施工するのは解体業者です。
最初から、解体業者に直接依頼する方が、費用も抑えられるのでおすすめです。
まとめ
岐阜県で優良な解体業者を見分けるポイント、施主として知っておきたい解体の知識、解体業者を探す際の注意点などを紹介してきました。
ネットを使えば簡単に検索できますが、その業者が優良かどうかはまた別問題になってきます。
しかし、経営の実績や施工事例、担当者の対応など見るべきポイントを押さえておけば、優良な解体業者に出会える確率は高くなります。
解体業者を探すのは大変かもしれませんが、一世一代の大切な工事ですから、自分が安心して工事を依頼できる業者を見つけることが重要です。
今回紹介したポイントや注意点を踏まえて、ぜひ信頼できる解体業者を探してください。
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