「解体屋って何が面白いの?」現役解体屋が語る魅力とは?

解体屋を目指している皆様へ

皆様は「解体屋」って聞くとどの様なイメージをお持ちですか?

コワイ人が多い感じ…  ぶっきらぼうな感じ… 強力な男たちの職場…

私も解体業界の人間ですが、正直言ってあまりクリーンなイメージは無いかも知れませんね。

でも、実際に解体業界に身を置く者としては、解体屋さんってすごく心優しくて真面目な人が多いと感じます。

いい意味で言うと「頑固・硬派」、悪い意味で言うと「不器用」なのかもしれません。

今回は、そんな解体業として働く職人さん達から聞き取り調査した「解体屋の魅力」をお伝えしたいと思います。

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 解体屋ってどんな仕事なの?

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解体屋さんの仕事…それは字のごとく「建物などの構造物を解体(壊す)」仕事です。

皆さんは、建物を建てる現場を見たことがあっても、壊している現場を見たことって少ないのではないでしょうか?

あまり目立つような仕事ではありませんし、大きな建物になると周りを全部囲っているから中は見えませんしね。

でも、解体現場って見ていると面白いんですよ。

壊し方にも色々あって、人力のみで解体するケースもあれば、普段は見る事の出来ない超大型の重機を操って解体するケースもあります。

また、構造物を解体するだけでなく、解体工事によって発生した「産業廃棄物」を適正に処分する事も仕事の一環です。

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解体屋って何が面白いの?

解体屋の魅力?

それはひとえに「ストレス発散」でしょうか。

まあ、これは私の個人的な意見ですが・・・

個人によって違うとは思いますが「ある物を綺麗に無くす」という作業が何とも言えない快感だったりします。

それと、建設の様に「物を作り上げる」という喜びや感動も分かりますが、そこに辿り着くまでには想像もつかない様なストレスとプレッシャーが長期にわたってかかります。

しかし、解体工事は作り上げるのではなく、解体して無くしてしまう工事なので、それほどの精密さは求められません。

例えば、同じ建設業で言う土木工事などは数センチ間違えて施工すると、橋が掛からなかったり、道路が違う方向に向いたりと、大変な事になってしまいますし、建築物ならわずか数ミリ単位で作り上げていく世界です。

それに比べて解体工事は、ミリとかセンチなどの単位は基本的に関係ありません。

とにかく、工期内に安全で効率よく作業を進める事が第一条件です。

構造物を作り上げる際に起こる「施工ミス」とは皆無なのです。

解体は楽な仕事なの?

とは言え、NOリスク、NOプレッシャー、の楽な仕事なのか?言えばそんな事はありませんよ。

解体工事も壊し方を一歩間違えれば重大事故にもつながる常に危険と隣り合わせの仕事なのです。

ですから、解体現場に携わる職人たちは常に神経を尖らせながら仕事に就いています。

その中で楽しみを見出している訳です。

解体現場は楽しい!

解体現場を一度体験してみて下さい。と言っても難しいと思いますが、結構面白いですよ。

物をバンバン壊すことなんて中々出来ませんよね?

例えば、住宅の解体だったら、部屋の壁を思い切りバールなどで壊していくと、悩みなんか吹っ切れますよ!

壁一枚、ドーンって一気に倒すとこれまた快感です。

それに、重機に乗って解体する時は、機械の力で一気にバリバリッと壊れて行きますので、神の力を持ったような錯覚に陥ります。

大工さんが3~4か月かけて作り上げた家がほんの3~4日で壊れてしまうのですから。

解体は短期決戦!

短期決戦で勝負が早いのも良いですね。

建設工事の場合、同じ現場に数か月、長ければ数年かかる事も多いですけど、解体現場はその1/10位で完了しますので、次々と違う現場を楽しむ事が出来るのです。

そういう意味で「飽き」が来ませんね。

特殊な解体現場はやりがいがある

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また、特殊な解体現場の場合に携われた時なんかはもっとやりがいがあるかも知れません。

例えば、高層ビルの解体とか、大型店舗の解体、造船の解体にガスタンクの解体なども特殊ですね。

高層ビルなどは、地上から解体する場合と階上(屋上)から解体する場合があるのですが、地上から解体する「超大型解体機」なんて乗ってみたら世界観が変わるかも知れません。

地上65mまで届く世界最大の機械なんかもあります。(ビルの高さにして21階相当だそうです)

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正直そこまで届いても運転席から見えるのかな?と思う位高い所まで届いて解体出来る重機もあるのです。

こういった、特殊な機械に乗れるのも解体業の醍醐味化かと思います。

『俺の父ちゃん、ここのビル作ったんだぜ』というのもカッコいいですが『俺の父ちゃん、ここに50年前からあった高層タワー壊したんだぜ』と言うのも最高にクールだと思いませんか?

解体屋は人間性が良い!

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そしてやはり一番は、そこに集まる人たちの人間性が良い事だと思います。

冒頭、申しました通り解体屋は“少し怖い”といったイメージがあるかも知れませんが、そんな事は全然なくて、私が知っている限り、皆さん本当にまじめで親切な方が多いです。

かといって固くて偏屈という事もありません。

人間性豊かで、本当に面白い人達ばかりですので、一緒に働いていても飽きる事はありません。

やはり「仕事は楽しく、一生懸命に頑張れる」事が一番ではないでしょうか?

そういった部分での楽しさ、面白さが解体屋にはあると思っています。

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実録!解体屋で良かった事・悪かった事

それではここから、実際に解体業界で働いている職人さんたちに聞いた「良かった事・悪かった事」をご紹介したいと思います。

解体屋で悪かった事

仕事がキツイ(体力的に)

機械を投入するまでは全て人力による内部解体作業なので、体力を使う仕事です。

設備を取り外したり、壁などを壊したりする作業自体はそれほど大変ではないのですが、解体した廃材をトラックまで運搬する作業が一番疲れますね。

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汚くなる、汚れる

ホコリなどが多く出るので作業服はどうしても汚れてしまいます。

内部での作業ならまだいいのですが、機械解体になり外作業となると泥や雨などで汚れますし、夏などは汗をかくので着替えが必須ですね。

夏は暑く、冬は寒い(外仕事なので)

解体業界に限らず、建設業界全般に言える事ですね。

一番いい季節はやはり春ですね。暑くもなく、寒くもなく、外にいると最高の気分になります。

イメージがあまり良くない(気がする…)

建設業界全般に言えると思いますが、昔は3K(キツイ・キタナイ・キケン)などと言われ、あまり好まれる仕事では無いかも知れません。

それに「解体」というと何だかダークなイメージが付き物かも知れません。

仕事の視野が広がらない(携わる業種が少ないため)

解体現場はどちらかと言うと単一業種で動く現場です。

ですので、他業種とのかかわりがあまりないため、どうしても考えや視野が広がりにくくなりがちです。

色々な世界や業種、動き方がある事を自ら勉強する必要があるかも知れません。

重機や車両の運転が苦手だとキツイ

重機や車両の運転が仕事の中心となってきます。

運転が嫌いまたは苦手という方は大変かと思います。

解体屋で良かった事

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仕事が楽しい

これが一番!何よりだと思います。

建物を解体する仕事は本当にキツイですが楽しいですよ!

常に新しい現場に行ける

解体現場は基本的に短期です。なので、次々と色んな場所、現場に行けるので景色が変わり新しい発見があります。

給料も良い方だと思う

これは会社によって違うので、一概に全ての解体屋さんの給料が良いとは言えませんが、私の知っている会社さんは良い方だと思います。

他業種と比べてみた場合ですが、同じくくりに入る建設業界でいえば、同年代の現場職(技術者ではない職種)でみると、1~2割高い給料をもらえるのではないでしょうか。

休日は普通にあり、残業もあまりない

休日は普通の会社と同じように取れると思います。

また、残業もさほど無いのではないでしょうか。自分の時間、家族との時間はしっかり取れる業界だと思います。

ストレスが無い(少ない)

作り上げる緻密さ、材料の手配、間違える心配などのストレスはありません。

まったくゼロか?というと語弊があるかも知れませんが、かなり少ないとは思います。

現場内での事故や、近隣への配慮さえしっかりやっていれば順当に進む仕事です。

人間関係でのストレスなどは会社によって違いますが、仕事自体のストレス度合いえば少ない方だと思います。

良い仲間が増える

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解体屋さんは皆気さくで、裏表がなく、人間性豊かな方が多いと思います。

キャラが濃い方もいらっしゃいますが、面白い人が多いのではないでしょうか。

楽しく、いい仲間が増えると思います。

忙しい(仕事が沢山ある)

暇な時ほど人間をダメにするものはありません。

仕事は程ほどに忙しい方が良いのです。

ハッキリって解体屋さんは忙しいです。

暇な時期は地域によって違うでしょうが、冬期間とか春先とか位ではないでしょうか。

おもいっきり仕事が出来ますよ。

特殊な重機や車両を操作できる

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解体工事は特殊な機械を使用する事が多いです。

重機好きにはたまらない業種だと思います。

いちばん多く活躍するのがパワーショベル系ですね。俗にいう「ユンボ」ってやつです。

土木現場では、この重機で穴を掘ったり、土を動かしたりという作業がメインですが、解体現場では腕先に様々なアタッチメントを取り付けて、建物を解体して行きます。

木造なら、ツカミと言われるフォーク型のタイプ、鉄骨ならカッターと言われる切断型のタイプ、コンクリート造ならクラッシャーと言われる圧砕型のタイプなどその構造物の種類によって様々なアタッチメントを使用します。

また、超ロング型の重機もあり、通常の建設現場ではお目にかかれない特殊な機械を扱えることが解体屋の特権ですね。

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これからの解体業界は?

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今後、解体業界はどうなっていくのでしょうか?

いくら解体の仕事が楽しいと言っても、仕事そのものが無くなってしまっては話になりません。

でも、ご安心ください!

これから解体案件は益々増加する傾向にあり、さらに忙しくなる業界だと言われています。

まずは、2020年に開催される「東京オリンピック」

東京オリンピック開催に向け急ピッチでインフラ整備が進んでおります。

当然、古い建物は解体され新しい建物へと生まれ変わって行きます。

ですから特に首都圏では解体工事がとても忙しくなり、追いつかない状況が予想されます。

さらに、東京オリンピックだけではありません。

戦後70年を迎えた日本。

高度成長期にバンバン建てられた構造物や建造物は、すでに50年近く経過しています。

老朽化が進み、建物そのものが危険になっています。

それら数えきれないほどの建物の解体処分が必須になって来ています。

「解体業界はこれからが本番」といっても過言ではないかも知れません。

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解体業界の将来は明るい!

いかがでしたでしょうか?

解体業界に働く者の本音が少しでも分かっていただけたでしょうか?

冒頭にも申しました通り、解体業のイメージからか決して人気の高い業種ではない事は事実だと思います。

しかし、働いている方々の実際の声にもある様に、大変ながらもやりがいを感じ、楽しく仕事をしている事が分かります。

解体業界は先行きの明るい業界です。

これからも、今以上に解体業界のイメージアップに貢献して行きたいと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士