空き家活用の救世主になるか?
ここ数年、日本の古民家が見直され始め、リノベーションをすることで居住用としたり、賃貸物件としたり、あるいは宿泊施設などに改築したりなど様々な利活用がなされています。
今回は古民家の魅力を再確認するとともに、最新のリノベーション事例や、古民家の探し方などをご紹介して行きます。
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古民家は魅力の宝庫!
古き良き日本の象徴とも言える古民家。
茅葺き屋根に軒下や納屋があったおじいちゃん、おばあちゃんの家、夏休みに遊びに行って縁側に腰かけてスイカを食べたりセミの声を聴いたり庭で線香花火をしたり…そんな思い出がある方も多いのではないでしょうか。
今思い返しても「懐かしさ」や「素朴さ」など情緒がたっぷり詰まった古民家ですが、いつの頃からか姿を消し、西洋風の一般家屋やマンション、アパートなどが林立するようになりました。
もちろん時代の流れですので仕方ない部分はありますが、旅先などで古民家を見かけたとき、ふと安心感を抱いたり感銘を受けたりすることもあります。
今、改めて見直されている古民家は実は私たちにとって魅力の宝庫であったことに気づかされるものです。
こんなにある!古民家の魅力
- 高いデザイン性
長い間使用されてきた存在感抜群の太い柱や梁などがあるだけで、他にはないオリジナリティ溢れた空間を演出することができます。
部材は経年により独特の色合いや質感を醸し出しており、またむき出しの木に触れることでその温もりを存分に感じることができます。
古民家ならではと言えば他にも土間であったり、縁側であったり、吹き抜けであったり、あるいは歴史ある重厚な家具や建具、ふすま、障子、格子などあらゆる部分にオリジナルのデザイン性を感じることができます。
- 夏場は涼しい
古民家が建てられていた時代は、現代のように空調が整った時代ではありませんでした。
そのため日本の家屋は「夏をもって旨となすべし」と言われていました。
これは”冬の寒さは何とか乗り越えることはできるが、夏の暑さはどうしようもないため、住まいは夏の暑さ対策を中心に作るべきである”という考え方です。
多くの古民家はその通り風が建物全体を巡りやすい構造になっていますので、夏を快適に過ごすことができます。
- 材料の強度が高い
古い=弱っていると捉えがちですが、古民家の部材として使用されている樹齢100年のヒノキなどは、伐採されてからさらに100年を経過した時点で最も強度が高くなり、その強度は200年~300年変わらず、なんと強度が落ち始めるまで1200年もかかると言われています。
ケヤキも同様に強度が落ちるのは800年を経過してからと言われています。
このように古民家には強度の高い部材がふんだんに使われていることが多いのです。
100年、200年前に建てられた古民家なら、もしかすると最も強度が高い時期に当たる可能性もあるのです。
- 資源保護につながる
リノベーションをすることによって、柱や梁、その他の部材を再使用することになりますので環境にやさしく資源の保護にも貢献できます。
- 人にやさしい住まい
古民家に使われる部材には、シックハウス症候群やアトピー、アレルギーなどの原因となる物質が含まれていません。
またマンションなどのように完全密閉ではありませんので結露なども起こりにくくカビの発生率なども大きく抑えられます。
- 固定資産税の軽減
固定資産税とは、一般に「築後の年数」によって税額が決定します。
そのため古民家を取り壊して建て直すよりもリノベーションした方が節税効果が見込めるということになります。
ただし、増築をした場合はその家屋の評価が見直されますので、自治体によっては固定資産税が上がる可能性もあります。
逆に古民家のデメリットは?
- 断熱性が低い
夏場は快適に過ごせる古民家が多いのですが、冬の寒さ対策までは行き届いていないケースが多いようです。
リノベーションをする際には冬場の寒さを想定した断熱対策を行いましょう。
冬の寒さが厳しい地域でなければ、掘りごたつや薪ストーブなどを設置することで、捉え方によってはこれも一つの古民家の風情として楽しめるかも知れません。
- 傷みが激しい可能性がある
古民家の多くはしっかりと建てられていますが、現代のような耐震基準はありませんでしたので、もし心配な方はリノベーションの際に耐震化の工事も計算しておくと良いでしょう。
見た目には問題がなくても、目に見えない部分で損傷が激しかったり、シロアリに侵食されていたりというケースもあります。
- 実は意外と費用がかかる
古民家には希少性が高い部材が使われていることも少なくありませんので、特に部材にこだわってリノベーションをしたいという場合は思っていた以上に費用がかかるケースがあります。
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古民家リノベーションにかかる費用は?
その古民家がどんな状態なのか、どの程度のリノベーションを目的とするのかなどによって費用は大きく異なります。
一般的な相場としては300万円~500万円、柱や梁、設備などにもこだわると1,000万円~2,000万円を超えるケースもあるようです。
古民家リノベーションの最新事例をご紹介!
株式会社OKUTAによる「LOHAS.studio」が施工した古民家リノベーションの一例をご紹介します。
続いて「住友林業ホームテック株式会社」による古民家リノベーションの事例です。
次に「パナソニックリフォーム株式会社」による古民家リノベーションの事例です。
最後に「LOOF」が古民家を宿泊施設にリノベーションした例をご紹介します。
いかがでしょうか?
このように住居のみならずセカンドハウスや宿泊施設として実際にたくさんの古民家リノベーションが行われているのです。
築300年の古民家でさえこんなに快適に生まれ変わってしまうというのですから驚きですね。
古民家を探し方は?
もし古民家をリノベーションして住居にしたい、賃貸物件として貸し出したい、宿泊施設などに改築したいという場合に押さえておきたい、古民家の探し方をご紹介します。
(1)ネットで探す
まだどこに住みたいか決めかねている方、とりあえずどんな古民家の空き家があるのか見てみたい方などはネットで情報収集をするのがいちばん手っ取り早い方法です。
(2)地元の不動産業者に相談する
ある程度、どこに住むかが決まっている場合で遠方に住んでいるという方は、まずは地元の不動産業者に相談をしてみてはいかがでしょうか。
目ぼしい古民家が見つかれば実際に足を運んで見てみるという流れになりますが、地元密着の不動産業者は意外とネットなどには載らない情報を持っていることも少なくありません。
(3)その他の方法
例えば「日本民家再生協会」は不定期にイベントを実施していますので、そこに参加してみるのも一つの方法です。
もし住みたい地域に親戚などがいる場合は人づてにリアルな情報を収集するのも良いでしょう。
また、解体屋さんに聞くのも一つの手だと思います。
解体業者さんには古民家解体の依頼が結構多く来たりしています。
「古民家を譲ってほしいのですが…」と言った相談を持ちかけたらきっと乗ってくれると思いますよ。
日本古来の建造物を大事にしよう
古民家リノベーションにはある程度の費用が必要となります。
予想しているよりも部材の調達に費用がかかってしまったり、見えない部分を修理するための費用がかさんでしまったという声も少なくありません。
じっくりと見極めることと、リノベーションしやすい古民家を探すこと、費用にはある程度余裕を持っておくことが大切です。
古民家を蘇らせることで快適な暮らしを得るとともに、資源や環境保護にも貢献したいものですね。
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