古民家再生!現代のリノベーションとは?

空き家もリサイクルの時代

古民家リノベーションという言葉を聞いたことがありますか?

昨今、古民家が見直され、ひそかにブームになりつつある古民家再生方法の一つです。

どのようにリノベーションされ、どのような使われ方をしているのでしょうか?

古民家リノベーションの魅力やメリットやデメリットとともに解説をいたします。

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古民家リノベーションとは?なぜ今、見直されているの?

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古民家リノベーションとは文字どおり、古民家をリノベーションして再生させることです。

『夏休みに行ったおじいちゃん、おばあちゃんの家、あるいは親戚の家』をイメージしてみてください。

縁側でスイカを食べながらセミの鳴き声に夏を感じたり、かくれんぼで軒下や納屋に入ったり、太くて立派な柱や梁(はり)に感動したり、茅葺き屋根を珍しがったり。

今ではほとんど見かけることがなくなってしまったものばかりですが、古民家にはこのように「昔ながらの日本独特の住まいの味わいの良さ」があるのです。

その良さを感じながら快適に暮らしたいと考える方が今、増えているのです。

特に近年、インターネットの普及によって「場所に縛られない働き方」をする人も増えています。

そういった人の中には、都市部の喧騒から逃れて静かな環境を選びたいという考え方の人もいますし、あるいは日本の古き良き伝統を残しつつ次世代に継承して行くために古民家を守って行きたいという人もいます。

確かに、古民家に残されている立派な木材は、今ではとても希少価値があるものが多く、お金を出したからと言って手に入るものばかりではありません。

昨今、「木の良さ」が改めて見直されていることもあり、そういったところに価値を感じる人もいるでしょう。

このように今、古民家が見直す動きが活発化し、実際に様々なリノベーションが行われています。

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リフォームとリノベーションの違いは?

リノベーションと似た言葉でリフォームがあります。

二つの言葉の使い方は曖昧になってきている部分もありますが、具体的にどう違うのか少し解説をいたします。

リフォーム

リフォームは、英語にすると「reform」で「改心する・改正する」という意味になりますが、広義では「作り直す」というニュアンスを含んでいます。

建物に当てはめると、「老朽化した建物を新築の状態に戻すこと」となり、マンションやアパートの例で考えると分かりやすいと思いますが、入居していた人が退居すると、次の入居者のために原状回復をして元の状態に戻すことを指します。

「汚損した壁紙の張り替え」のように「マイナス状態からゼロ状態に戻す」「劣化した機能を回復させる」という意味合いが本来の使い方としては正しいのですが、日本ではそれらの意味のほか、「キッチン設備の変更」や「改築・改装」などによって、「元よりも良い状態にする」という意味合いが含まれることが多いようです。

リノベーション

リノベーションは、英語にすると「renovation」で「修正・革新・刷新」といった意味になります。

リフォームよりも大規模な工事を行うことで新築時よりも性能や価値を向上させる目的で行われます。

リフォームと異なる点は「マイナス状態をゼロ状態に」というよりは「マイナス状態をプラス状態に」「ゼロの状態をプラス状態に」という点です。

耐久性や耐震性を高める補修工事をしたり、家族が増えたことで仕切りをなくして広いリビングに作り変えるなど、「デザイン性の高いものに改良する」「間取りや設備などの住環境を大きく変える」といったことが含まれます。

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古民家をリノベーションした後はどんな使われ方をしているの?

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例えば、山梨県笛吹市芦川町中芦川に「澤乃家(さわのいえ)」と「坂乃家(さかのいえ)」という2つの古民家宿を運営しています。

詳しくはホームページを参照していただいた方が分かりやすいと思いますが、古民家をリノベーションし、一棟を丸々貸し出す古民家宿として新たなスタートを切りました。

20代~30代の女性がターゲットとのことで、水回りは特に気を配っているほか、Wi-Fi完備、AppleTVやプロジェクターを導入するなど、周りになにもない田舎でも快適に過ごせるような工夫が随所に施されています。

それでいて料金は施設使用料20,000円+サービス料6,500円/人(夕食付き)+消費税というリーズナブルな料金になっています。

最大10人まで宿泊が可能とのことですので、友達との旅行やデート以外にグループでも利用することができます。

ほかにも、カフェやレンタルスペース、シェアオフィスなどに活用するケースも多いようです。

住居以外にもさまざまな活用方法があるのが古民家リノベーションです。

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古民家リノベーションのメリットとデメリット

古民家のリノベーションに興味がある人は、次のメリットやデメリットについても把握しておいた方が良いでしょう。

古民家リフォームのメリット

太くて立派な木材は大変貴重なものですので、簡単には手に入りません。

古民家ではそのような木材が使用されていることが多く、希少価値を生み出しています。

これも立派なメリットと言えますが、ほかにも次のようなメリットが考えられます。

《木材の強度が高い》

古民家は「古い」という先入観がありますので、どうしても建物そのものの強度が低いと思われがちです。

確かに実際に古民家の柱や梁に使用されている木材は樹齢100年クラスのヒノキやケヤキなどが多いのですが、例えば樹齢100年のヒノキは、「伐採から100年後に最も強度が高く」なると言われています。

さらにその強度は200年~300年は維持されるとされており、強度に関してはほぼ問題ない建物が多いと言えます。

さらに驚くことに、強度が落ち始めるのは1200年ほど経ってからと言われています。

入手困難な木材が手に入り、しかも強度についての心配は、腐食しているケースなどを除き、さほど必要ないことは大きなメリットと言えます。

《資源保護に繋がる》

柱や梁などの木材を再利用するケースがほとんどです。

そのため資源保護に繋がり、環境の保全に貢献することができます。

また、近代建築物のようなシックハウス症候群、アトピー、アレルギーなどに対しての原因物質を含む材料はほとんど使われていませんし、マンションなどのような密封空間でもないため結露が発生しにくいというメリットがあります。

環境だけでなく、人にも優しいのが古民家リノベーションの大きなメリットと言えます。

《固定資産税が軽減される》

一般的に、固定資産税の税額は「築後年数」によって決定されます。

そのため古民家を取り壊して新築した場合よりも税金を軽減することができます。

しかしながら「増築」を行った場合については「評価の見直し」が行われるため注意が必要です。

自治体によっても固定資産税の細部の解釈が異なるケースがありますので、管轄の自治体に確認をしておきましょう。

《デザイン性が高い》

古民家はその家々の工夫が随所に施されており、まさにオリジナル性の高い家屋と言えます。

それだけでも十分に独自性があると言えますが、さらに長い間使われてきた太い柱や梁を取り入れることや、自分自身のアイデアを加えたリノベーションをすることで、他にはない自分だけの世界を生み出すことができます。

古民家リフォームのデメリット

このように大きなメリットがある反面、ずっと使われていなかった古民家には様々なデメリットも存在します。

《断熱性が低い》

古民家の特徴は「風通しの良さ」です。

風が建物全体をうまく循環するような構造になっていますので、夏でもエアコンなしでも快適に暮らせることも少なくありません。

しかしながら、天井が高いことで暖かい空気は上部へと流れていきますので、冬は寒さをより一層感じるようになります。

そのため、リノベーション時には暖房や断熱への対策が必要となるほか、実際に住み始めてからは冬場の暖房費などがある程度かさむ可能性があることを覚えておきましょう。

これらを「古民家の良さ」として捉えられれば、掘りごたつ、薪ストーブ、囲炉裏など風情のある古民家生活を楽しめるかも知れません。

《費用がかかる》

大きな柱や梁はそのまま使うとしても、古くなった床、台所、トイレ、風呂場、水道や電気といった設備などは使用できないものがほとんどで、一度撤去しなければなりません。

また、屋根裏などには長年に渡って積もってきたチリ・ホコリ、動物や虫の死骸、ミツマタや稲藁、茅葺き屋根の葺き替え用の茅などが大量にあることもあり、それらを全て撤去・処分する費用が大きくかさんでしまう場合があります。

古民家のリノベーションにはお金にある程度の余裕が必要と言えます。

《耐震性には不安がある》

メリットの項目で建物の強度は高いものが多いと言いましたが、耐震性に関しては耐震基準が制定される前に建てられているため、心配な面もあります。

一般的な古民家は柱や梁の接合部や壁を変形させたりすることで地震による揺れを吸収する、という作られ方をしていますので「古民家=耐震性が低い」とはなりませんが、問題は古いために木材が腐食していたり破損していたりするケースがあることです。

特に解体しなければ分からないような見えない部分でシロアリ被害に遭っていたりするので、心配な場合は専門家の耐震診断を受けることをお勧めします。

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機会があればぜひ

費用や時間に余裕がないとなかなか難しい古民家リノベーションですが、古き良き日本を大切に思い、それを継承して行く動きはとても素晴らしいものです。

機会があればぜひ、古民家宿なども体験してみたいものですね。

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ABOUTこの記事をかいた人

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士