ガソリンスタンドの解体費用と解体できる業者の探し方!補助金や注意点もまとめ

ガソリンスタンドを解体することになった場合「費用はいくら?」「補助金があると聞いたけど?」「どの業者に依頼すればいいの?」「地下タンクの撤去は?」「土壌汚染調査は必要?」など、さまざまな疑問が浮かぶと思います。

ここでは、ガソリンスタンドの解体費用の目安と、土壌汚染調査や補助金について解説するとともに、解体業者を探す際のポイントも併せてお伝えしていきます。

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ガソリンスタンドの廃業が増えている

エコカーの普及、若者の車離れ、車社会ではない都市部への人口流入、そして2010年の消防法改正で義務化された地下埋蔵タンクの腐食防止対策強化…さまざまな要因によって、ここ20年の間にガソリンスタンドが激減しています。

1994年のピーク時、6万カ所以上あったガソリンスタンドも、2017年の調査ではおよそ半分の3万カ所程度にまで減少したと言われています。今後も廃業が増加すると見込まれています。

ガソリンスタンドを廃業した場合、基本的には解体することになります。

地下に埋設されているタンクは分厚いコンクリートで覆われており、周りも防火性の高い非常に厚いコンクリート壁で囲まれていますので、その分、一般的な建築物よりも解体作業が大がかりになり、解体費用も高くなりがちです。

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ガソリンスタンドの解体費用は?

ガソリンスタンドの解体費用は、そのガソリンスタンドの大きさ、タンクの数およびタンクの処分方法などによって大きく変わってきます。ここでは、一般的な費用の目安などをお伝えしていきます。

ガソリンスタンドの解体費用の目安

規模などにもよりますが、目安としては300万円〜1千万円程度と言われています。

ただし、土壌汚染が確認されれば、さらに費用が膨れ上がる可能性が高いです。数千万円規模になることもあると言われています。

また、タンクの処分方法には「完全撤去」と「埋め込み」があります。

前者は、文字通りタンクを完全に撤去し、跡地を埋め立てる方法です。

後者は、タンクを撤去せず、砂などを詰めてからコンクリートを流し込む方法です。

「廃止」などと呼ばれることもあります。

タンクの撤去には大きな費用がかかるため、埋め込みをするケースが多くなっていますが、その場合、タンクは埋まったままなので、跡地には新しく建物を建てることができません。

廃業に追い込まれるほどですから、「完全撤去」の費用を捻出できるケースはそう多くなく、埋め込んだまま新しい建物を建てることもできず、跡地がそのまま放置されているというケースが目立っています。

土壌汚染の調査は必要?

ガソリンスタンドを解体する際、土壌汚染調査が必要かどうかと言えば「義務」ではありません。

ただし、各自治体が条例で定めているケースが多く、結果的に汚染調査が必要になることが多いです。

土壌ガス調査、土壌溶出量調査(土壌含有量調査)といって、ベンゼン、鉛、油などの調査がメインになります。

現在では、特定有害物質に指定されているベンゼン、鉛といった成分が含まれていることはほとんどありませんが、30年、40年など長く経営してきたガソリンスタンドでは、検出される可能性もゼロではありません。

また、特に解体したあと土地の売却を検討しているなら、買い手に「土壌汚染されていない」ことを客観的に証明するための書類などを求められるケースがほとんどです。

このことから、土壌汚染調査は義務ではないとは言え、必須事項と捉えておいた方が良いでしょう。

なお、万が一、土壌汚染が認められた場合、そのエリアを立ち入り禁止にしてアスファルト、コンクリートなどを流し込んで舗装するか、盛り土をするか、掘削して新しい土で埋めるかなどの対処法があります。

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ガソリンスタンドの解体工事を依頼する業者の探し方

ガソリンスタンドの廃業が相次いでいるとはいえ、住宅と比べればはるかにその数は少ないですから、ガソリンスタンドの解体工事を請け負ったことのある解体業者の数も、それほど多くはありません。

ですので、ガソリンスタンドの解体を依頼できる業者探しは、初めてのケースでは難しいかもしれません。

解体業者探しのポイント

解体工事の事例数が多く、ある程度の規模の解体工事を請け負っている実績がある業者がおすすめです。

特に、長年の経営実績は、それだけ経験が豊富であるということですし、過去にトラブルを起こしていない可能性も高いので、信頼できる解体業者選びのポイントになります。

また、見積もりが細かく書かれているかも、チェックしておきましょう。

激安かつ大雑把な見積もりを出してきて、あとから高額な追加費用を請求されるケースもゼロではありません。

トータルの費用が明確なのはもちろん、どんな工事にいくらかかるのかが細かく書かれているかどうかも重要です。

また、追加費用がかかる可能性がある場合、何にいくらくらいかかるのかも、事前に確認しておくと安心です。

解体業者探しの注意点

1991年、神奈川県鎌倉市では、ガソリンスタンドの解体工事中にタンク内に残ったガスに引火して爆発、死傷者それぞれ1名ずつ発生する大惨事が起こりました。

タンクの内部が可燃性の状況と空気が混ざり合っていたところに、溶接機で加熱溶接したことが原因と言われています。

ガソリンスタンドの解体には、他の解体工事にはないような危険が潜んでいます。

信頼できる解体業者かどうか、じっくり検討することが大切です。

併せて、万が一の時にどんな対応をしてもらえるのか、担当者に確認しておきましょう。

業者を探す際、一括見積もりサイトなどは便利ですが、どんな業者が登録されているか不透明な部分もあります。

地元に密着している・実績が豊富・見積もりがしっかりしている・対応がいいなど、選ぶポイントを絞っておきましょう。

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ガソリンスタンドの解体に利用できる補助金について

ガソリンスタンドの解体工事では「一般社団法人 全国石油協会」による、地下埋設物等撤去工事に係る補助金が受けられることがあります。

地下埋設物等とは、ここではガソリンスタンドを閉鎖する際の「地下タンク」「配管」の撤去を指します。

  • 中小企業等
  • 財務状況の厳しい者

という要件を満たす必要がありますが、「補助対象経費」の3分の2を上限に、補助が受けられます。

例えば、解体工事費用の総額が800万円で、そのうち地下タンクと配管の撤去に600万円かかったとすると

600万円×2/3=400万円

となり、最大400万円まで補助が受けられます。

タンクの撤去などは、ガソリンスタンドの解体費用の中でも特に大きな割合を占めるため、利用できるならぜひ、利用しましょう。

なお、補助金は申請後に審査が通り、交付が決定してから工事に着工する必要があります。

着工後に申請したり、交付が決定する前に着工したりすると、補助金が受けられませんので注意しましょう。

詳しくは「一般社団法人 全国石油協会」のホームページをチェックしてみてください。

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ガソリンスタンド解体のまとめ

ガソリンスタンドの解体費用の目安、土壌汚染調査の必要性、解体業者の探し方や注意点、そして利用できる補助金について解説してきました。

時代の流れには逆らえないとは言え、今後も地方にある中小規模のガソリンスタンドの廃業は、続いていくことが予測されています。

廃業になってしまった場合、タンクを埋めるといった方法で解体費用を抑えることもできますが、その土地の活用方法が限られてしまうため、できることならタンクも撤去して売却するなり新たに活用するなり、したいものですよね。

全国石油協会の補助金が受けられれば、解体費用を大きく賄えますので、利用できる場合はぜひ申請しましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士