整地の種類と費用の目安、整地後の活用例もご紹介

土地の整地工事はいくらかかる?

建物を解体したあとや、遊休地を活用する際などに必要なのが「整地」と呼ばれる工事です。

ここでは、整地工事の基礎知識と種類、費用の目安などをまとめています。

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整地工事の基礎知識!更地や造成との違いも

整地工事って何?

整地とは、簡単にいえば「土地を平らできれいにする工事」です。

似たような言葉で「更地」もありますが、更地は建物などがない、まっさらな宅地を指す言葉です。

整地されている、いないに関わらず、建造物がない土地が更地なので、雑草が生い茂っていても更地です。

解体工事でいう整地は、建物を解体した後は土地が掘り返されてデコボコの状態となりますので、そこを重機等で平らに均(なら)していく作業です。

元々、荒地であったり畑であったりした土地をきれいに整地して、そこに建造物を建てるケースもあります。

あくまで「土地を平らに均す」程度の作業であり、何か構造物を作る作業の一環、というものではありません。実際、土地を売却する際も整地してから売りに出す、というケースがほとんどです。

造成工事との違い

整地工事も造成工事も土地をきれいにする、という点では一緒だと思います。

また、どちらも重機等を使って土地を均していく作業なので、種別的には土木工事に分類されます。

整地は、先ほども説明した通り土地を平らにする工事なので、解体工事後の整地工事であれば、解体業者で行うのが通常です。

逆に、造成工事となるとさまざまな工法があり、技術的にも専門性が求められますので、基本的には専門の土木会社が行うこととなります。

造成工事で多くあるのが、家を建てるための造成である「宅地造成」です。

通常の一軒家から、数百の家を建てるための団地造成なども含まれます。

団地造成ともなると大規模な工事となり、土を構うだけの工事に留まらず、大小構造物の施工も必要となってきます。

こうしたことからも、一般的に造成工事は「個人」ではなく「ハウスメーカー」「デベロッパー」などが依頼する工事です。

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整地工事の種類と費用の目安

整地する場所は宅地のみならず、山林であったり雑木林であったりもします。

さらに、平坦な土地もあれば傾斜している土地もあります。

一般的な整地方法としては次のようなものがあります。

粗仕上げ(粗整地)

もっとも簡易的な整地方法です。

建物の解体後に残っているコンクリートガラ、石(一般的にはこぶし大程度まで)、そのほか木くずやガラス片などを手または重機で撤去し、重機で均したり転圧を行ったりします。

簡易的とはいえ、業者によってどこまで仕上げてくれるかが異なります。

簡単に手で均すだけの業者もいれば、丁寧に細かい石まで撤去して均してくれる業者もいます。

解体を依頼する際にどこまでやってもらえるのか、確認しておくことが大切です。

砂利整地(砕石舗装/真砂土舗装)

粗仕上げより丁寧な(手の込んだ)整地方法です。

より細かいガラや石などを撤去し、レベル(土地の高さ)を整え、砂利や砕石を敷いた後に重機などで転圧を行います。

砂利は、大きいものであれば人が歩いたときに足音が聞こえますので防犯対策になります。

クラッシャーランと呼ばれる大きさの異なる石であれば、噛み合って固定されやすいので駐車場などに適しています。

また、西日本でよく採取できる花崗岩(かこうがん)などが風化してできた土を「真砂土(まさつち・まさど)」と言います。

砕石として私有車道、庭の中の道、街路樹用土、学校の校庭などによく利用されます。

そのほか、砂利には玉砂利や化粧砂利といった種類のものもあります。

防草仕上げ

整地後に草が生えてくるのを防ぎたい場合は、あらかじめしっかりと雑草を抜き取ったうえで、防草シートを被せます。

仕上がりは、いかに事前処理を丁寧に行ったかで大きく変わってきます。

小さな石や、生命力が強く突き抜けてくる力がある雑草の根っこなどが残っていると、凹凸したりいずれ雑草が生えてきたりして見栄えが悪くなってしまいます。

防草仕上げにするには、事前処理をしっかり行うことが重要です。

土間コンクリート/アスファルト舗装

整地後に駐車場にする場合などは、砂利舗装のほかコンクリート舗装やアスファルト舗装を行うこともあります。

レベルを整えてから水勾配などを測って砕石舗装を施し、型枠、メッシュなどを入れてコンクリートやアスファルトで舗装します。

コンクリートはアスファルトと比べると初期費用が高い・工期が長いなどのデメリットがありますが、耐用年数が長く補修回数も少なくて済むというメリットもあります。

一方、アスファルトはコンクリートに比べて費用が安く工期も短くて済むのがメリットです。

ですが、轍(わだち)掘れや流動による補修回数が多くなったり(コンクリートの10倍以上になることもあるようです)、夏場は路面温度が高温になったり、路面が変形しやすいなどのデメリットもあります。

宅地を整地するのか山林を整地するのか、木を伐採したり岩などを砕いて撤去したりしてから整地するのか、雑草が生い茂っていたり地盤の改良が必要だったりしないかなど、さまざまな条件や、整地後の土地活用方法などから最適な整地方法を選ぶことになります。

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整地工事の費用の目安

整地工事の費用には基準となるものがなく、業者によって料金設定も異なります。

ここでは、一般的な費用の目安を紹介します。

「1平方メートルあたり」の費用目安

  •  特別な撤去作業などが必要ない場合:400円~600円程度
  •  庭木の伐採や抜根または雑草がひどく処理を行う場合:2,000円程度
  •  さらに地盤の改良などが必要になる場合:5,000円程度

上記のほか、解体工事費用の3%~5%で算出して見積もりに組み込むケースもあります。

解体業者を選ぶ際、整地についても見積もりなどでチェックしておくと良いでしょう。

山林の整地の費用目安

平地や宅地ではなく山林などになると、木々の伐採や抜根、地盤の改良などが必要になりますので、1平方メートルあたり20,000円~30,000円程度が目安と言われています。

伐採面積50坪、整地面積150坪とすると500万円~600万円など数百万円規模に膨れ上がることも少なくありません。

丘陵地の整地の費用目安

緩やかな丘陵地なども作業が難しく慎重さが求められますので、1平方メートルあたり10,000円~20,000円程度になることもあり、15度以上になると40,000円前後になることもあります。

その他に費用がかかるケース

真砂土を敷く場合は1立方メートルあたり3,500円~4,000円程度、砕石などを敷く場合は石の大きさや種類などにもよりますが1立方メートルあたり2,500円~5,000円程度になることが多いようです。

なお、道路よりも低い位置にある土地については、宅地として利用できるレベルまで合わせるために土砂などを搬入して地上げする必要があります。

その場合の費用としては1立方メートルあたり3,500円~5,000円程度かかることがあり、また土盛りしたそれらの土砂の崩壊・流出などを防ぐために構築する擁壁工事がともなうこともあります。

土止費などと呼ばれたりもしますが、その場合は1平方メートルあたり30,000円~40,000円が必要になります。

仕上がりのイメージを伝えることが大切

このように、整地の種類や土地の条件、希望する仕上がり具合などによって費用は大きく変わってきます。

「いざ仕上がったら予想していたものと全然違った」といったことがないよう、整地を依頼する際には最終的なイメージを明確にして業者に伝えておくこととが重要になると思っておきましょう。

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整地工事を依頼する業者の選び方

ただ単に土地を均すだけの整地から、砂利や防草シート、コンクリート仕上げまでさまざまな種類があり、土地の状態や活用目的によって適した整地方法が変わります。

仕上がりはその後の土地活用に大きな影響を与えます。

そんな大切な整地工事を依頼する業者の選び方についてですが、解体工事にともなう整地では、解体業者にそのまま依頼することが多いようです。

どうしても解体工事にばかり目が行ってしまいますが、解体業者を選ぶ際にはやはり、整地についての施工事例や実績も重視しながら絞り込んでいくことが最善でしょう。

解体業者のホームページなどに掲載されている事例に、整地の写真も載っている場合は特に判断しやすいので、比較的容易に決められると思います。

ただ、すべての解体業者がすべての事例を掲載しているとは限りませんよね。掲載されていない場合は、実績が大切になってきます。

特に、地域に根付いて長く営業を続けている業者は、それだけできちんとした工事を続けてきている業者と言えます。安心して依頼できるかどうかの判断基準になるでしょう。

逆に、一括見積もりサイトやハウスメーカー、工務店などを通して依頼してしまうと中間マージンの分だけ費用が高くなってしまったり、実績のない業者が来て粗悪な整地で済まされてしまったりする可能性があります(もちろんきちんとした整地工事を行ってくれる業者も多々あります)。

解体は、一生のうちにそう何度も経験するものではありませんよね。

どうしても知っている情報が少ないために業者選びの判断基準が分からず、つい一括見積もりサイトを利用したり、ハウスメーカーなどに依頼したりする方も少なくありません。

しかし、解体工事後に後悔したりトラブルになったりすることを防ぐためにも、料金や手間の少なさだけで選ばすに、施工事例や実績を重視して選ぶことをおすすめします。

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整地工事後の活用例は?目的の明確化が大切

ひとことで「整地」と言っても、仕上がりはどれも同じという訳ではありません。

その後の土地の使用目的によって「どう仕上げるか」が変わってきますし、また業者によっても仕上がりの「質」が変わってきます。

基本的な部分ではありますが、整地をする際に大切なことは、その後の活用方法を決めておくことです。

整地後の土地活用の例

  •  売却する
  •  駐車場(砂利・コンクリート舗装など)にする
  •  太陽光発電システムを設置する
  •  新築を建てる
  •  マンションやビルを建てる
  •  事業者に貸し出す
  •  コインランドリーやトランクルームを経営する など

上記は一例ですが、このように土地活用にはさまざまな方法があります。

それぞれに見合った整地方法があるので、まずは整地後の活用方法を考えておきましょう。

以上、整地についての基礎知識や費用の目安、業者の選び方から活用例までポイントを絞って解説してきましたが、いかがでしたか?

失敗しない整地工事のためにも、ぜひ参考にしてくださいね!

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ABOUTこの記事をかいた人

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士