庭石を処分したい方へ
立派な庭石が置いてある庭は風情もあってとても美しいものです。
ですが何らかの事情によりいざその庭石を撤去・処分しようとすると、いったいどれくらいの費用が掛かるものなのでしょうか。
また処分を依頼するのはどのような業者が良いのでしょうか。
庭石の処分方法や費用についてまとめてみました。
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庭から出た石を処分するのは難しい?
ひと昔前の日本家屋の庭といえば池や庭石、敷石、ししおどしに灯篭など、和風な造りの庭が人気でした。
ところが時代も移り変わり、「庭の模様替えをしたい」「敷地内に新たに建物を建てたい」「息子が車を持ったので撤去して駐車場にしたい」「処分して家庭菜園を始めたい」などの理由や、中には「中古住宅を購入した際に庭石が置いてあったが不要なので処分したい」などの様々な事情によって、近年庭石を処分しようとする人が増えています。
手で持ち運びできる程度の大きさや重さであればまだ良いのですが、ほとんどの庭石が一人では動かすこともできないような大きな庭石が多いものです。
そうすると当然重機や運搬用の車両、熟練の職人さんなどの手を借りなければならず、非常に手間が掛かる作業となります。
またトラックやダンプカーなどに載せるにしてもクレーンで吊り上げられてなおかつ荷台に乗る大きさでなければならず、それ以上の場合には専用の工具などを使ってそれなりの大きさに一度破砕しなければなりませんので、一筋縄では行きません。
庭石の処分方法としてはどのようなものがある?
いざ庭石を処分しようと思った時に、どのような処分方法があるのでしょうか?
主な処分方法としては次のようなものが挙げられます。
(1)自治体に「ゴミ」として引き取ってもらえるか確認をする
これは自治体により異なりますので問い合わせが必要になりますが、砂利や小さい石などは燃えないゴミ、あるいは破砕ゴミなどとして処分してくれる自治体もあります。
大きさや量の上限が定められていることもありますので、まずは自治体のホームページなどで確認をしましょう。
(2)造園業者や石材店に撤去が可能か確認をする
時代の流れとともに次第にその数も減ってきていますが、もしお住まいの地区に造園業者や石材店がある場合は引き取りや撤去を行ってくれるかどうか、一度問い合わせてみましょう。
造園屋さんによっては、無料で引き取って(撤去工事も含み)くれる所もありますので、数社に聞いてみる事をお勧め致します。
(3)解体業者やホームセンターに撤去ができるか確認をする
建物などの解体業者の中には庭石の撤去も請け負ってくれるところがあります。
また、場合によってはホームセンターなどでも引き取ってもらえることもありますので、近所に造園業者や石材店がなくても解体業者やホームセンターがある、という場合は問い合わせてみても良いでしょう。
(4)便利屋に撤去を依頼する
最近では不用品回収や片付け、掃除に水回りのトラブル対応など何でもしてくれるいわゆる便利屋が増えてきました。
中には庭石の撤去を請け負ってくれる業者もありますので、一度問い合わせてみましょう。
(5)個人譲渡
コミュニティ掲示板に登録すればパソコンやスマートフォン一つで全国の人たちに情報を届けることができる、非常に便利な世の中になりました。
自分が不要なものでももしかしたら全国のどこかに庭石を探している人がいるかも知れません。
また自治体などが発行しているタウン誌や広報誌などにも「譲ります」コーナーがあるケースが多いので、ぜひそれらを有効活用しましょう。
(6)合わせ技を使う
処分費用を抑えるためには、例えば自治体でゴミとして処分してくれるものは処分してもらう。
また少し大きめの庭石に関しては解体業者や石材店などに「破砕のみ」を依頼してゴミとして出せる大きさにしてもらう。
併せてインターネットの掲示板の「差し上げます」コーナーに投稿する。
などの合わせ技を使って出来るだけ費用を抑える努力をすることが必要です。
庭石を売る(売却する)ことは出来る?
よほど形や質が良く需要(買い手)がありそうな庭石であれば買い取ってもらえる可能性はゼロとは言い切れません。
しかし、現代では処分したいという人が多い割に欲しいという人が減っていることもあり、需要が低いためそういったケースはほとんど見られないようです。
その代わり、その庭石に価値を感じてもらえれば”無料引き取り”という形になるケースも中にはあると言われています。
ただしその場合、「処分費用が無料」というだけで、人件費や撤去に掛かる諸費用は発生する場合がありますので、確認が必要です。
庭石の処分費用の目安
いよいよ問題の処分費用ですが、形、大きさ、重さ、設置してある場所、立地条件、地域性など様々な要素が絡んできます。
庭石を移動させる費用
庭石を処分するにしてもまずは掘り起こしてから、処分先まで移動(運搬)させなければなりません。
移動する手段として一番多く使われるのは「ユニック車」と呼ばれるクレーン付きのトラックです。
これでしたら、積み上げる事も出来ますし運ぶことも出来るので便利な車両です。
移動費用ですが、1回10,000円~20,000円くらいだと思います。
庭石の処分費用
庭石そのものですが、1立方メートル(1.0m×1.0m×1.0m)の重さがおよそ2.5tから3tと言われています。
1kgあたり30円から40円程度が全国平均の相場のようですので、単純計算で1立法メートルあたり30,000円から40,000円ということになります。
ここに処分する庭石の量、人件費、重機および運搬車両に掛かる諸費用、破砕するのであれば作業料、また建物の立地条件により重機や大きな車両が入れない場合は別途費用などがプラスされて行きます。
これら諸費用については処分する業者などによっても大きく変わってきますので、依頼する前に見積もりを取ることが非常に重要になってきます。
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庭石処分に掛かる費用の最低ラインは?
真四角な庭石は基本的にはありませんので庭石一つ一つ費用が変わってきますが、それを踏まえた上で処分に掛かるある程度の最低ラインは知っておきましょう。
重機や運搬用のトラックも問題なく入れる立地条件として、先ほどの1立法メートルあたり30,000円から40,000円、それに加えて人件費、運搬費などを合わせると最低ラインは少し高めに見積もって70,000円から80,000円程度をみておきましょう。
もしこれよりもはるかに高い見積もりを出された場合は何にいくら掛かっているのか、しっかりと確認しましょう。
また、逆にこれよりも明らかに安すぎるといった場合は不法投棄されてしまう可能性も否定できません。
不法投棄は施主の責任にもなりますので、あまりにも安すぎる見積もりを出された場合も注意が必要です。
《費用の目安》
・1立法メートルの庭石=30,000円から40,000円
・人件費=10,000円/日
・重機、運搬費=30,000円/日
・立地条件が悪く作業難易度が高い場合=30,000円/日
*日数や作業に掛かる人数、庭石の個数などによって変動します。あくまで目安として参考にしてください。
庭石を破砕して再利用
庭石の行き場がどうしてもない場合は、いっそうの事庭石を粉砕して庭に敷くなどの再利用を検討するのも良いかも知れません。
しかし、人力で細かくするにはスーパーマンでもない限り無理です。
やはりここは機械の力を借りるしかありません。
とは言え、石はコンクリートなどよりも固く丈夫なものです。
そう簡単には破砕できません。
細かく粉砕するには、専用の機械(クラッシャーなど)が必要となりますが、これは個人の自宅へ持っていけるような小さな機械ではありません。
ではどうするか?
一つは工具で破砕する方法です。
電動ピックやエアーコンプレッサー付きの破砕機などで破砕します。
簡単には行きませんが、根気よくやればある程度の大きさに破砕できると思います。
次に、重機を用いて破砕する方法です。
ユンボーにブレーカーと呼ばれる破砕専用のアタッチメントを取り付けて細かく破砕します。
良く工事現場などで見たことがあるかと思いますが、先っぽがとがっていて、カンカン、カンカンと突いているあれです。
砂利の様な細かさまで破砕できませんが、電動工具でやるより早く楽にできると思います。
ただし、これを使う場合は「騒音と振動」がどうしても発生してしまいますので、ご近所から苦情が来ない様にしなければなりません。
いずれにしても、自宅の庭先で庭石を破砕するというのはあまりお勧めできるものではありません。
庭石の撤去を自分で行う方法
業者に撤去と処分を依頼すると、それなりに高い費用が発生します。
ここは、ご自身で撤去~処分まで行ってしまうというのもありだと思います。
さすがに、一人で行うのは厳しいと思いますので誰かに手伝ってもらいながら撤去してみるのも良いかと思います。
とは言え、庭石は非常に重いものですので安易に取り掛かると危険な場合もあります。
ですので、出来れば素手でやるのではなく、知り合いなどにユニックや重機を借りて(または来てもらって)作業をするようにして下さい。
悪徳業者には要注意
残念ながら悪徳業者も中にはいるようです。
「庭石を50,000円で買い取ります」とうたっているものの、いざ撤去したら「撤去費用500,000円掛かりました」と言われ多額の費用を支払うことになってしまった、などのケースも実際にあるようです。
見積もりを取って、それ以上は費用は掛からないのかを事前にしっかりと確認をしておくことが必要です。
庭石の使い道を再度考えてみる
例えば小さめの庭石であれば庭に埋めてしまったり、あるいは漬物石として使えたりしますし、大きめの庭石であっても強風などの災害対策として何かを抑える際にもしかしたら必要になるかも知れません。
処分してしまう前に今一度、他の使い道がないか考えてみましょう。
その上でやはり処分するということになった場合は今回ご紹介したある程度の最低ラインを元に見積もりを取り、金額面や処分方法などが信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
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