家の解体を自分で行うことは出来るの?費用や手続きを解説します

自分で家の取り壊しを行いたい方へ

できるだけ解体費用を抑えるため、あるいは業者に頼むほどの大きさではない住宅なので、もしくはDIYなどの趣味が高じてなど、今「住宅を自分で解体したい」と思っている方が密かに増えているようです。

そもそも自分で解体することは可能なのでしょうか?可能な場合、必要な費用や資格、届出などにはどのようなものがあるのでしょうか?

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住宅を自分で解体するには

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住宅を自分で解体することは法律的にOKなのでしょうか?

事業として住宅の解体を行う場合は「建設業許可」「解体工事業登録」などが必要ですが、自分が所有している住宅を自分で解体する場合は特にそれらは必要ありませんので、基本的には「OK」です。

ただし、労働基準監督署や都道府県宛の届出が必要となるレベル1、同じく都道府県宛の届出が必要なレベル2のアスベストが含まれた建材を使用している住宅を解体する場合、専門家でなければできないケースがありますので注意が必要です。

また、それ以前にアスベストを含む建材が使用されているかの調査や、どの程度含まれているかの検査も必要になりますので覚えておきましょう。

なお「全て手壊しで行うには限界がある」という場合は重機や工事車両を使って解体して行くことになると思いますが、その場合は車両系建設機械運転者の資格などが必要になりますので、こちらも併せて覚えておきましょう。

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住宅を自分で解体するのに必要な費用

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いちばん気になる部分が「住宅を自分で解体する場合いくらくらい必要になるのか?」ということではないでしょうか。

住宅の規模や構造、材質などによっても変わってきますし、重機の免許などを取得するところから始めるとなるとさらに大きく変わってきますが、一般的な費用をご紹介しますので参考にしてみてください。

1.仮設等準備費用

解体工事に着手する前に、防音・粉塵・騒音・落下防止のためのシートや床や壁など傷つけたくない部分がある場合には養生シート、養生テープなどを準備しておかなければなりません。

また、足場を組む場合は別途資材を準備する必要があります。

どの程度まで準備するかにもよりますが、仮設等準備費用は少なくても50,000円、しっかり準備するのであれば100,000円程度は見ておきましょう。

2.重機の免許取得費用

解体用の重機の免許を取得するにはまず「整地・運搬・積込み用及び掘削用」の車両系建設機械運転技能講習を受けることになります。

5日間38時間で100,000円~105,000円程度が必要です。

「整地・運搬・積込み用及び掘削用」の車両系建設機械運転技能講習が終了したら次に「解体用」の車両系建設機械運転技能講習を受けるのですが、こちらは1日5時間で20,000円~25,000円程度といったところです。

3.重機、車両のレンタル費用

大きさや重機の種類にもよりますが、安くても1日6,000円~8,000円程度、高いものでは1日20,000円~30,000円程度になることもあります。

また、併せて2tロングワイドなどのトラックが必要な場合は、6時間14,000円~15,000円程度が相場のようです。

4.廃棄物処理費用

廃棄物には大きく「一般廃棄物」と「産業廃棄物」があり、分別は自治体ごとに基準が異なるケースもありますが、ここでは「産業廃棄物」の処分費用をご紹介します。

算出方法は基本的に「立方メートル(㎥)」となり、種類によって細かく分類されています(料金は業者ごとに異なりますのであくまで目安として参考にしてください)。

  • 軽量混合廃棄物 7,000円~/㎥
  • 廃プラ系混合廃棄物 8,000円~/㎥
  • ボード混合廃棄物 18,000円~/㎥
  • ガラ混合廃棄物 18,000円~/㎥
  • 純ガラ 12,000円~/㎥
  • ゴミガラ 18,000円~/㎥
  • 再生木くず 5,000円~/㎥
  • 再生木くず(他廃棄物との混載) 7,000円~/㎥
  • 石膏ボード(リサイクル可能) 12,000円~/㎥
  • 石膏ボード(リサイクル不可) 15,000円~/㎥
  • タイルカーペット 16,000円~/㎥
  • タイルガラ 18,000円~/㎥

それぞれ処分方法や処分にかかる費用などが異なるため、このように細かく分類されています。

5.役所への届け出費用

床面積が80㎡を超える建物を解体する場合、建設リサイクル法に基づく届出が必要になります。

施主による届出が必要なのですが、解体業者に依頼した場合は委任状と手数料を渡すことで提出を代行してくれるケースがほとんどです。

自分で行う場合は基本的に無料で行えますが、自治体によっては有料のところがあるかもしれませんので、一度自治体に確認しておくと良いでしょう。

また、解体工事が完了した後は1ヶ月以内に法務局に出向いて「建物滅失登記」を行う必要があります。

自分で行う場合は登記謄本を取得する費用(1通1,000円程度)のみで済みますが、土地家屋調査士などに依頼する場合は40,000円~50,000円程度が相場のようです。

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解体作業に必要な資格は?

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解体をするための許可や免許は特に必要ありませんが、重機を運転する場合、トラックで廃材などを運ぶ場合は必要に応じて免許や資格を取得しなければなりません。

例えば吊り上げ荷重が1t以上5t未満の小型移動式クレーンを使用する場合は「小型移動式クレーン運転技能講習」が、機体重量が3tを超える場合は「車両系建設機械(解体用)運転技能講習」が必要になります。

また、廃材の運搬などでトラックを使用する場合はそのトラックが運転可能な免許を取得している必要があります。

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解体工事に必要な届出は?

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解体工事に伴って提出や申請が必要な届出や許可をまとめています。

場合によっては提出や申請をしなくても問題ないものもありますが、念のため頭に入れておくと良いでしょう。

建設リサイクル法の届出(着工の7日前まで)《解体前》

都道府県知事宛ての所定の様式で作成された届出書、廃材の分別や解体の計画などを記載したもの、工事現場の場所がわかる案内図(Googleマップなどでも可)、その他、設計図・写真・配置図・工程表などが必要になります。

ライフラインの停止《解体前》

電気、ガス、電話、インターネットなどの提供を受けている会社に解体する旨を伝えて停止してもらいます。

なお、水道は粉塵の飛散を防いだり清掃などで使用することがありますので、よく考えてから判断しましょう。

道路使用許可《解体前》

工事期間中、工事車両を一般道に停車させて作業する場合は管轄の警察署に出向いて警察署長に道路使用許可をもらう必要があります。

その他《解体前》

自治体ごとに何らかの許可や届出が必要になるケースがあります。うっかり忘れてしまうと過料が発生したり罰則を受けたりする可能性がありますので、事前に自治体に確認しておきましょう。

なお、アスベスト含有建材で含有量がレベル1または2だった場合、労働基準監督署や都道府県宛に届出が必要になるのですが、その場合は専門家に代行してもらい、撤去を依頼するようにしましょう。

建物滅失登記(工事完了から1ヶ月以内)《解体後》

法務局にて行います。登記申請書、申請書の写し、現場周辺がわかる住宅地図、土地家屋調査士に依頼する時は施主の印鑑証明と委任状などが必要になります。

一般的にはこのような届出や申請が必要になります。

そのほか、最終的には税金関連も絡んできますので、まずは解体を始める前に一度、管轄の自治体に相談することをお勧めします。

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自分で行う自宅の解体は自己責任が伴う

家の解体を自分で行うことはできますが、ご紹介したように準備などは意外と大変だということがお分かりいただけたかと思います。

何より、災害や事故などの危険性が非常に高くなりますし、近隣に被害を与えてしまった場合は責任が降りかかってきますし、保険などに加入していない限り損害補償は自己負担になってしまう可能性もあります。

できればプロの解体業者に依頼することをお勧めしますが、もしどうしても自分で解体したい!という場合は、本人はもちろん、家族、そして近隣住民などみんなの安全面には細心の注意を払っていただき、ケガなく無事に完了することを最優先させるようにしましょう。

また、もし途中で無理だと判断したら潔く手を引き、解体業者に依頼することも検討しましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士