ビルの解体費用はどれくらい?ビル解体の相場を解説

ビルの解体費用っていくらかかるの?

「耐用年数が過ぎたので建て替えなければならない」

「耐震の補強工事の方が高額なのでいっそ建て替えたい」

「地主がいなくなったため取り壊さなければならない」

など、ビルを解体する理由は様々あると思います。

「将来的に解体しなければならない」という方もいるかも知れません。

ビルを解体する場合、その解体費用は一体どれくらいになるものなのでしょうか?

調べて行くと実は意外と複雑なことが分かります。

今回はビルの解体費用の相場について解説刷ると共に、坪単価平均と解体するにあたって押さえておきたいポイントなども解説いたします。

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”ビルの解体費用”はどこからどこまで?

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一般的な「解体費用」とは、ビル自体の解体はもちろんですが、それ以外にも行政への届け出、人件費、重機やダンプカーあるいはトラックの使用・運搬・燃料費、足場や防塵・防音シート、養生、基礎の解体、杭抜き、産業廃棄物の処理、穴埋めなど実に様々なものを含んでいます。

古いビルでアスベスト(石綿)が吹き付けされていた場合などは別途適切な処理をしなければならないためさらに費用がプラスされます。

また、地下にも階があるケースでは撤去後に埋め戻さなければならないためその費用もプラスされます。

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ビルの解体に必要な届け出

マンションやビルの解体の場合は「特定建設作業届け」を作成し提出しなければなりません。

また、「建設リサイクル法」に基づき、80㎡を超える建物の解体については、

行政に「解体工事の届け出」が、解体が完了した後には「建物滅失の届け出」がそれぞれ必要になります。

さらに重機やダンプカーなどが道路を通行したり塞いだりする場合には「道路使用許可の届け出」も必要になります。

施主の委任状を添えることで解体工事を請け負った会社が代理で届け出てくれるケースがほとんどのようですが、その場合は別途書類の作成料や手数料などの費用がプラスされます。

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ビル解体費用の相場は?

さて、気になる相場ですが、先ほども申し上げました通りこれが非常に複雑です。

例えば地域によっても相場が異なりますし、ビルが建っている場所や立地条件によっても異なります。

大通りに面しているか、狭い路地か、重機やダンプカーが入れる幅どうか、適しているのは2tトラックか4tトラックか、接する建物との距離は十分かなど…

床面積、構造、高さ、アスベストの有無など諸々が含まれますので、とにかく複雑多岐に渡ります。

そのため現地調査をした後に正確な見積もりが提示されることになるのですが、全てのケースを含めた相場を出すことは現実的に不可能なため、ここでは一般的に言われている「坪単価での相場」をご紹介いたします。

坪単価での相場とはいえ、業者により設定額や調査方法などは様々ですので、実際にはこの数倍程度の差があると言われています。あくまで「目安」として参考にしてみてください。

S造(鉄骨造)

35,000円/坪あたり

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RC造(鉄筋コンクリート造)

45,500円/坪あたり

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SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)

60,000円/坪あたり

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ここに先ほどの地域、現場に面している道路の幅、ビルが建っている場所、その他諸々の費用が重なって見積もりが算出されます。

総額については、現地調査をしてみなければなんとも言えない、というのが解体業者の本音と言えるでしょう。

そこで大切なのはやはり実績数になってきます。

後ほど詳述しますが、ビルやマンションなどは現地調査をしても「目に見えない部分」も多く、解体業者の経験則や実績に基づいて見積もりを作成するケースが多いため、できるだけ実績が多い解体業者を選ぶ方が適正な見積もりを算出してくれる可能性が高くなります。

なお、着工後に追加費用などが発生するとトラブルの元にもなりますので、「目に見えない部分」も含めて見積もりは少し高めに設定されているケースも多いと言われています。

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地域別・平均坪単価

それでは次に、S造とRC造の地域ごとの平均坪単価を見てみましょう。

先ほどと同じように実際には数倍程度の差があると言われていますので、こちらもあくまで目安として参考にしてみてください。

■北海道・東北地区

S造 37,800円/坪あたり
RC造45,000円/坪あたり

■関東地区

S造 38,600円/坪あたり
RC造45,000円/坪あたり

■北陸・甲信越地区

S造 34,000円/坪あたり
RC造38,000円/坪あたり

■東海地区

S造 36,300円/坪あたり
RC造38,800円/坪あたり

■近畿地域

S造 39,000円/坪あたり
RC造45,000円/坪あたり

■中国・四国地域

S造 36,000円/坪あたり
RC造42,200円/坪あたり

■九州・沖縄地域

S造 28,900円/坪あたり
RC造31,500円/坪あたり

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ビル解体をするにあたって押さえておきたいポイント

次に、解体を検討している場合にあらかじめ押さえておきたいポイントをご紹介します。

近隣への影響

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ビルの解体は家屋とは異なり大きな音や粉塵が舞ったりあるいは場所によっては道路を塞ぐなど、近隣住民やテナントなどへの影響も非常に大きなものとなります。

トラブルを未然に防ぐためにも、解体工事が始まる前に充分な説明を行う必要があります。

大手の解体業者の場合、現場監督などが回ってくれることがありますが、直接的な近所づきあいがあるのは施主の方ですので、できれば一緒に回るなどの配慮があると良いでしょう。

現地調査には立会う

解体業者と共に現地調査に立会うことで自分の目でも確認ができますし、疑問点などはその都度その場で確認をすることができます。

先ほどの「目に見えない部分」についても解体業者と施主がその場で話し合うことができるため、着工後のトラブルを回避するという観点からも、解体業者が現地調査を行う際にはできるだけ立会いましょう。

また業者によっては外観調査のみで終了するところもあります。見積もりを依頼する際に内部調査を行ってもらえるかどうかを確認するようにしましょう。

見積もりは数社から

解体の経験、技術、解体に使用する重機および機材、人件費、工期などは解体業者によって様々です。

得意分野、不得意分野、あるいは他の解体工事が複数重なっているため不本意にも工期が長かったりするなどで費用が高くついてしまうケースもないとは言い切れません。

最低でも3社から見積もりを取るのが望ましいとされています。

解体を行う時期

建設業界は特に11月後半あるいは12月頃から年度末にかけて繁忙期に入ります。

この時期は発注を受けてもらえない可能性もありますし、受けてもらえても費用が割高になる可能性があります。

どうしてもその時期でなければならない理由がなければできるだけ避けるようにしましょう。

図面があれば尚良し

例えばRC造やSRC造のビルは目に見えない部分が多いため、どうしても解体を始めてみないと分からないところが出て来てしまいます。

基礎部分であったり、杭の長さや本数などもそうです。

分からない部分を経験則で予測をして見積もりを出すケースがほとんどですので、当然余裕を持たせるために実際より高くなる可能性があります。

図面があることでどのような工事をしたのかが分かる部分もありますのでより正確な見積もりが取れます。

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ビルの解体費用は高額になる

たとえ同じような大きさのビルであっても立地条件やその他の条件によって大きく変動していきます。

「解体費用の相場」はありそうで、ないようなものかも知れません。

ですが「坪単価の相場」を知っておくことで、「最低でも〇百万円はかかる」とある程度予測を立てることができます。

これからビルの解体を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

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ABOUTこの記事をかいた人

35年で過去5,000棟の解体工事を手がけた解体専門店・市川工業の責任者であり、解体協会の理事も務めています。 建物解体工事を中心に産業廃棄物のリサイクル業務を中心に、毎年、年間300件以上の解体工事でお客様とふれあう中で「より良いサービスを提供する解体企業になる」をモットーに、業界のイメージと解体工事の品質向上に力を注いでいます。 現在は新潟県解体工事業協会の理事を務め、解体業界全体の品位向上に力を注いでいます。 資格:一級土木施工管理技士、リサイクル施設技術管理者、解体工事施工技士