中古住宅を購入することは、ある程度のまとまったお金を支払うこと。
そのため、購入するための費用や、購入後のリフォーム費用を賄うために、補助金を活用することも一案です。
そこで、中古住宅を買うときに活用できる補助金についてまとめてみました。
【あわせて読みたい。こちらの記事もご覧ください】
中古住宅を購入するときの補助金とは?
日本には、中古住宅を購入するときの費用をサポートする制度があり、おもに補助金と助成金に分けられます。
補助金と助成金の違い
補助金とは、国あるいは市町村が税金をつかって支援する制度のこと。住み替えを促進する、子育て世代を支援する、住宅の高性能化を促すなど、何らかの政策を達成することが支援の目的です。
補助金と助成金の役割はほとんど同じですが、受給の審査の難易度が異なります。
補助金は、条件がかなり細かく設定されており、それらをクリアしなければ審査を通過できません。補助を受けられる人数や予算にも限りがあるため、条件をクリアしても受け取れないことがあります。
一方、助成金は、人数や予算に限りがあるわけではないため、条件をクリアできれば基本的に受給できると考えていいでしょう。
補助金と助成金の申請期間について
補助金と助成金は、申請できる期間にも違いがあるため、受給を希望する人は注意が必要です。補助金は、申請期間が指定されており、多くの場合、短い時間で区切られています。
そのため、中古中宅を購入する予定がある人は、実際に購入するのはまだ先であっても、日ごろから情報を収集しておいたほうがいいでしょう。
それに対して助成金は、とくに期間が設定されているわけではないため、自分の購入のタイミングで申請できます。
中古住宅購入の補助金①:すまい給付金
消費税率が5%から8%に引き上げられたときに、住宅の買い控えを抑えるために制度化されたのがすまい給付金です。
すまい給付金は増税を期に制度化
すまい給付金は、消費税率アップによる負担を軽減するために導入されたため、期間は2021年12月末までの予定となっています。
もともと住宅ローンの減税制度はありますが、所得税から控除する仕組みのため、高所得者ほど効果が大きくなるというのが現実です。
そこで、収入が十分ではない人の支援を充実させるために制度化されたのがすまい給付金。収入が少ないほど給付額が多くなるため、住宅ローン減税とあわせて利用することで効果を発揮します。
すまい給付金の対象者
現在のすまい給付金の対象者となるのは、消費税率10%が適用されている住宅で、新築と中古どちらも該当します。
2021年12月末までに購入した住宅に入居することが条件で、収入がおおよそ775万円以下であれば、支払い方法は住宅ローンか現金かは問われません。
また、すまい給付金の目的が質の高い住宅を普及することでもあるため、ホームインスペクションなど、第三者機関の検査を受けていることが前提です。
中古住宅購入の補助金②:自治体による補助金
都道府県や市町村など自治体ごとにも、中古住宅購入に関連する補助金が用意されています。
自治体のホームページで詳細を掲載
自治体による住宅購入関連の補助金は、都道府県や市町村ごとに異なるため、ホームページや窓口を通じて情報収集することが必須です。
基本的には、耐震性能を向上させるリフォームや工事の費用の補助が多いため、中古住宅を購入したあとのリフォームに活用できるでしょう。
ただし、リフォームすればすべて補助金の給付対象となるわけではないため、あらかじめ条件等を確認しておいたほうが確実です。
地域の少子高齢化問題とセット
自治体による補助金の趣旨は、人口が減少して過疎化が進む地域に、若者世代・子育て世代の移住を促すこと。
若者世代が減少すると、自治体そのものを維持することが困難になるため、税金を使って呼び込もうとしているのです。
そのため自治体による補助金の対象は、子育て世代に関連するものが大部分で、住み替えやリフォーム・リノベーション費用の補助のほか、就業斡旋や育児支援がセットになっていることも少なくありません。
【あわせて読みたい。こちらの記事もご覧ください】
中古住宅購入の補助金③:ZEH支援事業
エネルギー不足や環境破壊などの問題に対応するための補助金制度がZEH(ゼッチ)支援事業と呼ばれるものです。
ZEHはエコ住宅推進のための制度
ZEHとはネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)を略したもので、年間で消費するエネルギー量の収支をゼロにすることを目指した住宅。
具体的には、断熱性や省エネ性能を向上させることでエネルギーの消費量を減らし、太陽光発電などでエネルギーを生産することで、収支を相殺しようという住宅の仕組みです。
環境にも配慮されていることから、政府はZEH住宅の普及を奨励しており、その流れのなかで補助金が制度化されました。
ZEHで補助金を受けるための要件
ZEH支援事業の補助金を受けるためには、その住宅が新築であろうと中古であろうと、ZEHの定義を満たすことが絶対条件です。
基本となる定義は、①高度な断熱性能を有している、②エネルギーの消費が少ない設備を導入している、③太陽光発電システムなど再生可能エネルギーを作れる、この3つです。
補助金の対象者は、注文住宅など新築で家を建てる人、新築の建売住宅を購入する人、そして所有している住宅をZEH仕様に改修する人とされています。
そのため、中古住宅を購入したあとに、リフォーム工事等を通じてZEH仕様に改修した場合、補助金を受けられる可能性が出てきます。
中古住宅購入の補助金④:長期優良住宅化リフォーム
家族構成やライフスタイルの変化に対応させ、住宅に長く住み続けられるように支援するのが長期優良住宅化リフォームという名称の補助金です。
中古住宅売買を推進するための補助金
既存の所有住宅のリフォームや、中古住宅の売買を活発化させるため、住宅の寿命を延ばすことが補助金の目的。
家族が増えた、家族構成が変わった、高齢化が進んだなど、ライフスタイルが変化することで、それまでの家が住みにくくなることがあります。
そこで、住み続けることを目的に住宅を改修すると、国から最大で300万円の補助金が出るというのが長期優良住宅化リフォームという制度。
この補助金を受けるためには、劣化対策、耐震性、省エネ性、維持管理・更新の容易性という、4つの性能を向上させる必要があります。
この性能を有していることを証明するために、ホームインスペクターに診断してもらうことも条件です。
補助を受けるための条件
劣化対策、耐震性、省エネ性、維持管理・更新の容易性の向上を実現するために、次のどれかのリフォームを実施することが前提です。ひとつは、性能向上リフォーム工事で、いわゆるリノベーションに該当します。
例えば、高性能な断熱材に入れ替える、性能の高い給湯器を導入する、耐力壁を追加するなどが挙げられます。
もうひとつが、三世代同居対応改修工事で、三世代で住める間取りに変える、段差などをバリアフリー化する、浴室やトイレを改修するなどが該当します。
そして、子育て世帯向けの改修工事。これは、部屋数を増やす、見守りに対応できるキッチンを導入する、浴室やトイレを増やすなどの工事が対象となります。
まとめ
中古住宅の購入費用、さらには購入後のリフォーム・リノベーション費用など、補助金の内容はさまざまです。
補助金制度は、支援対象の条件が細かく設定されており、申請すれば誰でも受給できるわけではありません。
そのため、中古住宅を購入する予定の人は、自分のケースが補助の対象となるのか、知不動産会社や申請窓口を通じて確認しておくといいでしょう。
【あわせて読みたい。こちらの記事もご覧ください】