「実家が空き家になったが、処分方法がわからない…」
このような悩みをお持ちではありませんか?
核家族化が進み、高齢化の増加や人口減少などで空き家を抱える人は少なくありません。
とはいえ、空き家を放置していると余分なお金が掛かってしまいます。
この記事では、空き家の処分にはどのような方法があるかをメリットデメリットを交えながらわかり
やすく紹介していきます。
これから空き家を処分しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【あわせて読みたい。こちらの記事もご覧ください】
空き家を放置すると起こる3つの問題
空き家を放置したままにしていると、大きく分けて3つの問題が発生します。
- お金の問題
- 管理の問題
- 老朽化の問題
それぞれ詳しく見てていきましょう。
1.お金の問題
前提として、家を所有していると固定資産税がかかります。
税額は、各市町村が土地と建物の固定資産税評価額を決め、そこに一定の税率をかけて計算されます。
以前は空き家を放置する人が多くいました。
というのも、更地にするより、建物がある方が税額が軽減されていたからです。
しかし平成26年に「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が設立され、ルールが大きく変わりました。
適切に管理されてない家(特定空き家)は、空き家の処分に関して、行政が指導が行くようになったのです。指導が入ると、以前のような固定資産税の優遇はなくなってしまいます。
もちろん解体して手放すのにもお金はかかりますが、使っていない家にお金をかけ続けるのはもったいないですよね。
2.管理の問題
仮に家を相続放棄した場合、固定資産税の支払いはしなくてもよくなりますが、管理義務は残ったままです。
家の管理をするにはお金と時間がかかります。
管理換気、通水、清掃、雨漏り確認、庭木確認などを月1ペースで行わなくてはなりません。
管理が行き届いてないと、ゴミの不法投棄や、ホームレスが住み着いたりしてしまう可能性があります。
遠方に住んでいて管理ができない場合は、不動産会社に委託することもできます。
その場合は一般的に月額5,000〜10,000円程度かかります。
3.建物老朽化の問題
住んでいない古い家は老朽化の進みが早く、虫や動物の住処になりやすいです。
また台風や地震で、建物が倒壊するなど可能性もあります。
虫や動物が発生したり、家が倒壊してしまうと近所の方に迷惑をかけてしまいます。
もし周辺に悪影響を及ぼす場合には、強制撤去処分になってしまう場合も。
空き家対策の特別措置法により、行政が所有者の許可なしに家を処分する可能性があるのです。
この場合取り壊しにかかった費用は、所有者が負担しなければいけません。
このように、空き家を放置していると家が劣化し、強制撤去処分になってしまうかもしれません。
そうなるとお金も余分にかかりますし、できれば自分で安く処理したいですよね。
空き家の活用方法はある?
使わなくなった空き家を処分せずに、活用する方法ご紹介します。
それは
- 貸し出しする
- 寄付する
の2つです。
1.貸し出し
家を貸し出すには、不動産会社に依頼する方法と、空き家バンクに登録する方法があります。
不動産に依頼する場合は一定の仲介手数料がかかります。
古い家の場合ですと、事前リフォームが必要な場合もあるでしょう。
空き家バンクとは、自治体から委託を受けた団体が運営しているサービスのことです。
空き家の所有者と利用希望者をマッチングしてくれます。
空き家バンクは、営利目的でないためお金がかかりませんが、利用率は低いのが現状です。
2.寄付する
貸し出しをしても利用者がつかない場合は、土地ごと寄付することもできます。
寄付できる先は、主に以下の4つ。
- 自治体
- 個人
- 法人
- 自治会、町内会
自治体は利用目的がない限り、基本的に寄付の受け入れは行なっていません。
自治体の所有物になると、市町村の財源である税金が非課税になってしまうからです。
個人の寄付先で可能性が高いのは、家の隣人の方です。
一般的には、相手側に贈与税と所有権移転の登記費用を払ってもらいます。
寄付する際は、家は解体するのか、解体費用がどちらが支払うのかなど、話し合いは不可欠です。
法人は、営利法人と公益法人にわかれ、公益法人ですと寄付する際に譲渡所得税が発生しません。
公益法人への寄付は教育、文化、社会福祉に貢献する行為として、税法上の優遇があるためです。
しかし、譲渡所得税を非課税にするには税務署に申請する必要があるのですが、この手続きがとても大変です。
このように土地や建物を寄付するのは準備や話し合いがかかせません。
なるべく手間をかけたくない場合は、貸し出しをするのがおすすめです。
【あわせて読みたい。こちらの記事もご覧ください】
空き家を処分する2つの方法
貸し出しをしても借り手がつかない場合は、処分することを検討しましょう。
借り手がつかない間、ずっと管理費や手数料を払い続けるのは大変ですよね。
空き家を処分するには大きく分けて2つの方法があります。
それは
- 家ごと売却する
- 解体して土地のみを売却する
の2つです。
それぞれの違いを見ていきましょう。
1.家ごと売却する
立地条件が良く、建物が魅力的な場合(築年数が浅い、デザイナーズ物件など)は、家ごと売却することをおすすめします。
この場合は家の中を清掃し、不動産会社に売却を依頼するだけなので、更地にするよりも手間がかかりません。
また解体費用もかからないのもお得です。
デメリットとしては、瑕疵(カシ)担保責任が問われる可能性があることです。
これは、第三者が購入した後に見えない欠陥(瑕疵)が見つかった場合、元々の所有者が補修費用を負担しなければいけないということ。
場合によっては、家の解約や損害賠償請求にもなりかねません。
ですので、リスクを避けるためにも家を売る場合は、築年数が浅い方が良いといえるでしょう。
売却価格は、同じ地域の中古物件がどれくらいの価格で売買されているかを調べるとわかります。
もちろんすぐには売れないことも考慮しましょう。
2.解体して土地のみ売却する
老朽化が進んでいる家は、解体することをおすすめします。
一般的に、木造建築は築25年たつと市場価値はほぼないと言われているからです。
解体するメリットは、古い建物が残っているよりも更地になっているほうが売れやすいということ。
加えて、建物があるよりも高値で売れることです。
デメリットとしては、解体するのにお金がかかること。
解体費用は、首都圏ですと一般的に100万円~200万円くらいと言われています。
もちろん費用は木造か、鉄筋なのかなど建物の構造によっても違います。
また、自治体によっては解体の補助金が降りることもあります。
空き家問題が深刻な近年では、解体を補助する自治体が多くなっているからです。
もし解体を考えているのであれば、物件のある自治体で補助金制度があるかどうか調べてみましょう。
また、補助金を受けるためにはいくつか条件があるので、合わせて確認しておくと良いでしょう。
空き家処分で失敗しないためには
今回は、空き家の活用方法、処分方法にはどのようなものがあるかを紹介しました。
空き家問題が深刻な近年では、貸し出しをしても借り手が見つからないのが現状です。
寄付するのにも手続きが大変ですし、現実的に空き家活用をするのはなかなか大変でしょう。
築年数が浅く、立地条件の良い建物であれば家ごと売っても買い手がつく可能性があります。
ですが、長く住んできた実家ですと築年数も古いため、買い手がつくには時間がかかります。
長く使ってきた家を壊すのは心苦しい、と思う方もいるかもしれません。
ですが、空き家を放置していると余計なお金がかかり、家の老朽化でご近所迷惑にも繋がります。
手間をかけずに効率的に空き家を処理したい場合は、やはり解体をして処分することをおすすめします。
まずは解体にはいくらかかるのかを業者に見積りしてみましょう。
【あわせて読みたい。こちらの記事もご覧ください】